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東方金神龍  作者: 山餅
第三章 妖々夢~recollect~
29/74

29話 幻想郷の起源

山餅「最近本当に時間が取れなくなっている作者です」

レミリア「皆さん本当にこの駄作者を許してあげて頂戴」

山餅「それでは続きをお楽しみください」

霊夢「…………」


霊夢は恵生がスペルを放ったあと建物が並ぶ町にいた。人は誰もおらず、木材でできた平屋が連なっている。


霊夢「何処よここ?」

??「ここは出来始めの頃の幻想郷を再現してもらったのよ」

霊夢「紫!?」


霊夢の目の前に切れ目ができ、それが開いて中から紫が出てきた。


紫「ふふっ、どうかしらここは?」

霊夢「どうって……」

紫「あなたに見て欲しかったのよ。私が、いえ、わたし達の始まりを」

霊夢「始まり……」

紫「さて、始めましょうか」

霊夢「その前に聞かせなさいよ。幻想郷の起源ってやつを」

紫「いいわよ。貴方にも知ってもらいたいことですしね」













人類が村を作り、暮らし始めた頃私は生まれたわ。ただ私は一人だったのよ。生まれた時から妖力が強く、能力も上手く使えなかった私は格好の餌だったわ。だけど懸命に生きてきた。生きるために殺しや盗みだってしたわ。でもそのつけだったのでしょうね。ある時沢山の妖怪から狙われることがあったのよ。初めは来る妖怪を倒していったけど、私も限界が来てある山へ逃げたの。


紫「はぁ…」

妖怪「どこだ!何処にいった!!」

妖怪「見つけたら殺しちまえ!!」

紫「………」


私はその時声を殺しながら逃げたわ。でも……


パキっ


紫「!!」

妖怪「今、小枝の折れる音がしたぞ!!」

妖怪「そこだ!!」

妖怪「追いかけろ!!」

紫「くっ……、」


私は一心不乱に逃げたわ。もう能力を使うだけの力も残していなかったし、走って逃げたわ。でも山頂で彼らに追いつかれてしまったの。


妖怪「もう逃がさんぞ!!」

妖怪「死ねぇ!!」


鬼の妖怪が私に向かってその腕を振るってきたの。


紫(もう…だめ!!)

??「おい、お前ら」


夜空に男の人の声がその場に響き、鬼もその腕を止め、声をかけてきた男の人のほうに向かったわ。


鬼「何だてめぇ殺されてぇのか!?」

??「いやいや人の領地でなにやってんの」

鬼「しらねぇよ!」


鬼は腕をその男の人に向かって降ったわ。


紫「危ない!!」



だけどその人は片手で掴んで止めたわ。


??「はぁ……早く帰ってくんない?無駄に力を使いたくないんだよ」

鬼「調子に飲んな!!」

??「………死にたいなら叶えてやるよ」


その男の人は掴んだ腕をもって上に投げ飛ばしたのよ。自分の倍くらい大きな鬼を片手でよ。


鬼「なっ!」

??「はい、お休み」


いつの間にかその人は空に飛んでいて、空中にいた鬼に向かって蹴りを放ち、地面にたたき落としたの。その時私は呆然としていたわ。


??「ほら、そこにいる奴らはこれを持って帰れよ~!」


妖怪達は鬼を担ぎながら帰っていって、その男の人は私のところにきたわ。


??「どうしたんだい、お嬢ちゃん?」

紫「え?」

??「君のことはいろいろと聞いてるよ。八雲紫」

紫「………だったらどうするのよ?」

??「どうもしないよ、ただ危ないことはあんまりするんじゃないぞ」

紫「貴方は?」

??「俺か?俺は………創刻 恵生。神であり妖怪だ」

紫「か、神……」


この時、神は人間のために妖怪を退治したり、殺したりしていたの。


恵生「……そういう反応されるからあんまりいいたくなかったんだよ」

紫「ご、ごめんなさい」

恵生「それより立てるか?」

紫「え、ええ、大丈夫……?」

恵生「………腰が抜けたみたいだな」

紫「………///」

恵生「仕方ねーな」

紫「きゃっ!」


恵生は私を急に持ち上げて、目の前に木でできた今でいう扉を創り出したわ。


紫「どこに連れていくのよ!」

恵生「取り敢えずは俺の神社でいいだろ」

紫「ええっ!」














紫「どうしてこうなったの………」


目の前には木でできた机があり、私はそこで座らさせられてたわ。


恵生「ま、そう言うな。それより腹は減ってねぇか?」

紫「減ってな………」ぐうぅー

恵生「はは、そっちは正直だな」

紫「///」


そのあと、恵生は食事を出してくれたわ。その間彼が私のことについて聞いてきたの。


恵生「なんでさっき妖怪に襲われてたんだ?」

紫「それは……あなたも知っているでしょう」

恵生「噂程度だけどな」

紫「私は生きるのに必死なのよ」

恵生「それだけかい?」

紫「え?」

恵生「正直、言っては悪いがそれだけの理由で相手を殺めてしまうことはしないとおもうんだが?」

紫「………考え過ぎよ」

恵生「そうか、ならいいんだが……この後はどうするつもりだ?」

紫「………」

恵生「宛なしか」


話していると手前の方からどたどたと音をたて、止まったと思ったら部屋の襖が音を立てて開いたわ。


??「恵生さま!!」

恵生「うるさい、食事ぐらい静かに食べさせろ」

??「そ、そんなことより、妖怪達がこちらに向かってきているのです」

恵生「……わかった。行くとしよう」

紫「私もいくわ」

恵生「……駄目だ。と言ったところで聞かないだろうしな」

紫「それなら早く行きましょう」












村の門まで行くと、先の方に沢山の妖怪がこちらに迫ってきていたわ。


紫「これは……」

恵生「おい!」

村人一「なんでしょうか?」

恵生「他の村人がこちらに来ないよう、避難させておいてくれ」

村人一「分かりました」


その村人は恵生に一礼をして村の中に戻っていったわ。そしてその間に妖怪達は門の目の前までいたわ。


恵生「お前たち、何しにきたんだ?」

妖怪「そこの妖怪を渡してもらうために来た」


その妖怪は私に指をさしてそう言ったわ。


恵生「……こいつをどうするつもりだ?」

妖怪「どうしようが俺たちの勝手だろう」

恵生「もしも断れば?」

妖怪「力ずくで奪い、この村を破壊する」

恵生「なるほどな……」


恵生にとって、私とこの村は天秤に掛けるまでもなく決まっているだろう。私はそう思ったの。でも……


恵生「じゃ、断る」

妖怪「な!」

紫「え!?」

恵生「お前まで驚くのかよ」

紫「だって村の方が大切でしょう!?」

恵生「まぁそうだな」

紫「なら…「だけどな」

恵生「俺にとっちゃ仲間も同じくらい大切なのさ」

紫「仲間……」

恵生「同じ釜の飯を食ったら仲間っていうだろ」

妖怪「くくく……はーはっはっは!」

恵生「なんだ?あいつ頭可笑しくなったのか?」

妖怪「よっぽど死にたいらしいな。いけ!お前ら!!」

妖怪達『おおぉぉぉーー!』


妖怪達がこちらへ向かって来た瞬間


恵生「ああ、それとな」


その妖怪たちは一斉に地に伏せていたわ。さっき会話をしていたリーダー格の一人を除いて。


妖怪「何っ!」

恵生「俺は敵には容赦はしないし、これだけの戦力では俺に触れることも出来んぞ」

妖怪「くそっ、せめてそこの妖怪だけでも……」

恵生「黙れ」


恵生は一瞬で相手の首根っこを掴み、上に持ち上げたわ。


妖怪「がっ!」

恵生「いいか、よく聞け。二度と俺の仲間に手を出すな。分かったか」


妖怪は恵生の手を両手で掴みながら、頷き、恵生が手を離すと空気を求め激しく呼吸し、恵生の方を向いたの。


妖怪「いつか後悔するぞ」

恵生「早く行け。他のやつらは動けるようにはしておいた。」


その妖怪はそれを聞くと、他の妖怪を起こしてすぐに去っていったわ。


恵生「後悔か……」

紫「………」

恵生「さて、帰るか」

紫「私ね、ずっと独りぼっちだったの、生まれた時から誰にも頼らず生きてきたの」

恵生「………」

紫「今日私は死んでしまうのかなって思ったの。でもあなたが来てくれて、助けてくれて正直嬉しかった」

恵生「あぁ……」

紫「そして、あなた、が、わた、しの事、仲間、って、言ってくれたの、初めてで……」

恵生「……落ちつくまで待ってやるから泣きたいなら泣いとけ」

紫「う、うわぁぁん!」


私はそのあと暫く泣いていて、彼はそんな私を抱きしめ背中をさすってくれていたわ。


紫「ぐすっ」

恵生「落ち着いたか」

紫「う、うん」

恵生「そりゃ良かった」

紫「………ねぇ恵生」

恵生「どうした?」

紫「私ね夢があるの」

恵生「夢?」

紫「妖怪や人間や神がなんの隔たりもなく、暮らしていく世界をつくることよ」

恵生「…………」

紫「おかしいわよね。こんな夢」

恵生「いや、いい夢だと思うぞ」

紫「ほ、本当に!?」

恵生「俺にもその夢の叶う瞬間を見てみたいな」

紫「それって……」

恵生「俺にも手伝わせてくれ」

紫「うん!」













紫「………それから恵生に手伝ってもらいながら少しずつだったけど幻想郷が出来てきたの」

霊夢「なるほどね」


紫が話終ったその時、辺りにサイレンのような音が響いた。


霊夢「な、何!?」

紫「これは……」


霊夢の後ろから扉が現れ、そこから一人の男性が出てくる。


恵生「緊急事態だ」

紫「何があったの?」

恵生「……桜の開花が予定より早くなってやがる。そういうわけで連れ戻しに来た」

霊夢「どういうこと?」

恵生「今から異変を解決しに行くってことさ」


そういい、恵生は二人を連れ、扉へ入っていった。




山餅「今回は幻想郷の出来たときのお話でした」

レミリア「次回はどうなるの?」

山餅「次回は視点を長命に戻し、話を進めていきたいと思っております。いつ出来るかわかりませんがお楽しみにお待ち下さいませ。それではまた会いましょう」

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