第7話
「あっ、甘い物大丈夫ですか?これ、マカロンですけど…おいしいですよ!飲み物は紅茶でいいですか?まだ片付いてませんけど、どうぞ!」
「…ありがとうございます」
顔にぶつけたお礼だと、部屋に上がらせてもらったが、……俺の部屋よりきれいじゃないか。俺が汚いのか?……いや、ない。窓にはレースのカーテン、真ん中にイチゴのテーブルにイチゴのクッション、イチゴのじゅうたん、薄いピンクのタンスとクローゼットという見事なオンナノコっぷり。
「イチゴお好きですね」
「まあ、そうなんですかね。このマカロン、イチゴミルク味ですけど大丈夫ですか?あっ、そこに座ってていいですよ!」
「はい…」
何か、女の子の部屋に上がらせてもらったのは、初めての気がするのは気のせいだろうか。しかも、初めてがこんな美女だとは。
大きな栗色の目に、小さな桜色の唇、白い肌。赤いリボンで長い髪をポニーテールにしているのもまた良い。そして何と言っても、その巨乳。佳恋さんを余裕に超している!俺の視線に気づいたのか、くるっと振り返った。
「どうかしました?」
「いえ……別に」
そこで、晴子さんがマカロンを持ってきた。晴子さんと呼んでいるのは気にしないで欲しい。ちなみに、皿とティーカップもイチゴ柄だ。
「じゃあ、私も一つ」
俺の向かい側に座った晴子さんが、前かがみになって、手をのばしてきた。ヤバイ、目のやり場に困る。……俺も一つもらおう。
「…おいしいです」
「でしょ!?このさくっとした時に広がるおいしさ!イチゴのほんのりとした甘酸っぱさとミルクのコク!最高ですっ」
プルプルと肩を震わせ、ポニーテールが揺れている。その仕草もまた可愛い。
「そういえば、名前聞いてませんでしたよね?」
「あ、佐々木周って言います」
「年齢は?」
「20歳です」
「あっ、じゃあ私と一緒だ!」
20歳のイチゴ好き。なかなかだ。が、そろそろお暇しなければ。
「俺はそろそろここで…」
「分かりました。じゃあ、気をつけて…って隣か」
てへっと舌を出して笑う動作も格別だった。しかし、本当に気をつけなければいけないとは想像もしていなかった。
晴子さん家をお邪魔した後、俺の右隣、つまりは一番端っこの部屋のドアにもたれている若い女性がいた。
「遅いわっ!!!どんだけ待たせんねん!!」
大阪弁?