表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

第4話

「こ、こちら店長の…美園」

「今、自分で名前言ったでしょ!?だから店長です、だけでいいの!ほんとバカねぇ、大丈夫?」

「すみません…」

どうやら、この店の店長さんらしい美園佳恋さんは相当厳しいようだ。美人によくあるパターンか、と俺は思いながら冷めたコーヒーを啜った。

「お名前は何とおっしゃるんですか?」

「佐々木周といいます。あの、こちらの店やメイドさんをイラストの参考にさせてもらってもいいですか?美大目指してるんで…」

「えっ、そうなんですか!?ぜひどうぞ。って事は絵を描くのが上手なんですね!うちの娘にもチラシ描かせたんですけどね…自分から描くって言ったくせに絵が泣きそうになるくらい下手で……」

と、言いながらさりげなく鈴っちを睨んでいる。鈴っちはすみません、と消え入りそうな声で謝った。

「自分では上手いか分かんないですけど…どうなんですかね?」

「じゃあ、私をモデルに描いてくれません?絶対上手ですよ!上手そうなオーラ出てるもん」

「は、はい」

鈴っちを描きたかった気もするが、そう言えば俺ではなく、鈴っちが犠牲になるのは分かっている。俺は持ってきたスケッチブックと鉛筆をバッグから取り出した。

「こんなポーズでいいですか?」

腰に左手を当てて、右手でピースサイン、少し体を前かがみにして、笑顔という、案外シンプルなポーズだった。

「はい。大丈夫です」

これが俺の<イラスト人生>のきっかけになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ