表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

第1話

「失礼しまー…」

「おかえりなさいませっ!ご主人様っ♪」

ピンク仕様のかわいい店内と、メイドさん達のおかえりコールで思わず、足元がふらついた。でも、来てしまったからには仕方がない。周りの色んな個性がある客が気になりながらも、俺は指定された席に座った。

「ご注文何になさいますかぁ?」

ツインテールを揺らしながら、小走りに走って来たメイドさんもなかなか可愛い。まあ、俺のタイプではないが。

「注文っていうか…、ある人に会いに来たんですけど…」

「あっ、ご指名ですねっ!でしたら誰に?」

「名前が分からないんです。でも、この紙をもらって」

「これ、鈴っちが描いたやつだ。鈴っちー!ご指名でーす!」

「はーい!」

<ご指名>と言うのか。恥ずかしながらも、俺はこっちに来る女性に見惚れていた。

「鈴っちこと、長谷川鈴です!覚えててくれたんですねっ」

ふわふわしたボブヘア。白い肌。大きな瞳に、長すぎるまつげ。ぷるぷるした唇の上、スタイル抜群の巨乳だ。まさに、おれの理想の美女。

「これ、長谷川さんが描いたんですよね?」

「あっ、鈴っちでいいですよ。…はい、私が描きましたけど…何か?」

「いえ…なんでも」

このお世辞でも上手いとは言えない手描きチラシ。メイドさんが大きめに描いているが、牛に見えなくもない。このチラシに出会ったのも、つい先日だ。

今から6日前。アルバイトの面接を受けてアパートに帰ろうとしていた時だ。コンビ二で弁当(夕食)を買って、自動ドアから出ようとした。が、

「きゃっ!」

気がついたら、驚くほどの美女を左手で支えていた。そして、若干柔らか過ぎる胸の感触に慄いてもいた。

「ごめんなさい!つまずいちゃって…」

「い、いえ…大丈夫ですか」

「はい、すみません」

今になって周りの視線が気になり始めたが、彼女の方は気になってないらしい。むしろ、何かじっと顔を見つめられている気がする。

「あの……」

「はい?」

「これには興味ありませんか?」

これがすべての始まりだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ