出会いは早朝
これからの人生絶対忘れることはないって断言できる思い出。どんなに忘れっぽいやつでもこれだけは絶対に忘れない。そんな思い出があるだろ。
俺にとってのそれは・・・光との日々だ。
光、白里光は俺にとって一番の人だ。あいつとの出会いは、公園でのランニング・・・
18歳の俺は部活とかをやってるわけではないけど、ランニングが趣味だ。毎日早朝に近所の公園を走ることが日課になっている。
今日はいつもより30分早く起きたから長く走れるな。早速準備運動をしてランニング開始。
俺の心臓が心地よいビートを刻むようになってきたとき、前方に座り込んでいる女の子が。俺より2,3歳下ってところか、あまり見かけない顔だな。
足をくじいてしまったのだろうか、道の真ん中から動く気配がない。
以前俺も彼女と同じように脚をくじいてしまったことがある。そのときは俺の後ろを走っていた若い兄ちゃんが助けてくれたっけ。
あのときの”人って優しいんだな”って気持ちを思い出して、俺もあの娘を助けてやるかと決心。
「あの・・・よかったらそこのベンチまでおぶりましょうか?」
「えっ・・・あ、ありがとう。その、お願いします・・・・」
突然話しかけられて少しきょとんとした顔をしていたが、素直に助けを求めてきた。
俺は前に回りこんで背中を向ける。彼女は少しためらったが、俺に体を預ける。
年頃の女の子をおんぶするなんて経験は一度もなかったので、のどがからからになる。
俺はできるだけ緊張を隠してベンチまで連れて行ってやる。
「あの、ありがとうございます」
自分の失態からか、少し顔おを赤らめている。
「いや、大したことじゃないし気にしなくていいよ」
「私・・・白里光っていいます。同じ学校ですよね?」
「え・・そうなの?見たことない気がするけど、1年生?」
「はい・・・」
今は6月、新入生なら見たことがないのもうなずける。でも、それは彼女にも言えることだけど・・・
「先輩はいつもここでランニングを?」
「ああ、ほぼ毎日やってるかな」
そういうと少しの無言が訪れる。女の子と会話するのにはそんなに慣れてるわけじゃないから、再び俺の中に緊張が走る。
「あの・・・明日も走る予定ですか?」
「・・・たぶん」
唐突な質問に俺は答える。
「じゃあ・・・明日この時間にここに来てください。助けてくれたお礼をしたいので」
と彼女は言う。正直礼をされるほどのことでもないけど、相手がそう言っているなら特に逆らう理由もないな。
「わかった。家までは一人で帰れるか?」
「もう痛みもおさまってきたので大丈夫です」
「そっか、じゃあまた」
「・・・はい」
これが光との出会い。このあとどうなっていくのかは、”二人のみぞ知る”てところだな。
ちなみに今日は彼女とのデート。相手が誰かってのは・・・
こんんちは、高居望です。
前回恋愛小説を書こうとしたのですがうまくいかなかったので、再チャレンジしました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。




