表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
その時、歴史が動いた?
98/140

間幕・それぞれの暇つぶし

全員の視点です

時系列的には氷の館の翌日です

Side:女勇者

団長の大剣と私の刀が打ち合い、離れる。

「…勇者様、今日はここまでにしましょうや」

「わかった。団長は仕事か?」

「勇那様、タオルをどうぞ」

「巫女さん俺には?最近副団長が五月蝿くて…俺にしか処理出来ないのがかなり溜まってるんでさぁ」

団長は本当に山賊みたいだ。喋り方も他の騎士と比べると粗暴だ。

「有難う、エル。しかし、副団長は小姑の才能が有るかもしれないな」

「そいつぁ良い!でも俺が言ったら殺されますぜ」

そう言って笑いながら去って行った。

ドラゴンを倒した後、王に私が危険である事、カリバーンが変化した事を報告したが、

『構わん。魔族との決戦には、寧ろ好都合』

と言われた。

団長は『王の決定だ。異議はねえ』と言っていたが心中穏やかではないだろう。それでも表面的には変わらぬ態度を崩さないのだから大人だ。

報告を聞いた大臣や騎士は皆私を怖がって近づかない。

しかしどんな社会にも例外は居るもので…

「御機嫌よう、勇那様!やはり貴女は何時見てもお美しい!」

…馬鹿が来た。

こいつはドラゴン退治の後、急に話しかけて来る様に成った貴族。名前は忘れた。

いつも大袈裟で芝居の様な喋り方と仕草をする、一言で言うとナルシストだ。

「是非、今度私の屋敷で開かれるお茶会に参加して頂けませんか?」

「断る」

「勇那様を招待など…私が認めません!」

お前は黙っていろ変態巫女。

「これは失礼。噂の勇者様と御話しできるかもしれないと民も期待していたのですが、仕方有りません」

「相変わらずですね、貴方は…」

変態巫女が呆れた表情を作るが、目は尊敬する者へ向けるそれだった。

この男、この国の貴族のくせに領民からは慕われている。こいつの治める領地に住みたいと言う民も多いらしい。

また今の話でも分かる様に民との交流出来る場を開いている。こいつの下で働きたいと言う者が後を絶たない上、こいつの屋敷で働いている者の満足度も高い。

城務めより倍率の高い職場としてメイド達の間では有名だ。顔が良いとの話も聞く。興味無いな。

ただの貴族達からは目の敵にされているが、見た目が良い為女からは恨まれず、話術で男の貴族も懐柔してしまうらしい。

「では本日の昼食を共に、とゆうのはどうでしょう?」

「クロの分が用意されるならば考えよう」

「勇那様っ!?」

「最高級の御持て成しをさせて頂きます」

「にゃんっ♪」

そう言ってクロがちょうど入るくらいのバスケットを2つ従者から受け取った。

香ばしい匂いと、自分の分が有るとゆう話にクロも嬉しそうだ。

「よく分かっているな。では頂こうか」

「どうぞ此方へ。ピクニックと洒落込みましょう」

「ま、待って下さい~、私も行きます~…」

泣いて追いかけて来る変態巫女を見て2人と1匹で笑う。

変態巫女をからかうのはやはり癖に成る。



Side:男勇者

「勇…、起…な」

何だ…まだ…もう少し…

「勇…様、起…て下…ぃ」

う~、揺らすな~

「勇人、起きな!」

ゴンッ!

「痛ってー!」

何だ!?頭に鈍い痛みが!

「おはよう、勇人」

イライラした様子で赤い浴衣を着たフレイヤがベットの横に立っている…

「そろそろ朝食の御時間です」

その後ろにはいつものように無表情なメイドさん。

見慣れた立ち位置だ。

「…おはよう」

もう少し優しい起こし方にしてほしい…

「おや、不満な様だね…よし、なら優しく起こしてやろう」

ん?明日も寝坊するつもりなんて、って!

「何でベットに入って来るんだっ!?」

フレイヤがいきなり俺のベットに入ってきた!

大きめのダブルベットの上で後ずさる。

「では私も優しく起こして差し上げます」

メイドさんが反対から来ただと!?

前門の姫、後門のメイド。

どんな選択肢だよっ!

「さて勇人。起こされるならどっちが良い?選んだ方が優しく起こしてくれるよ?」

「勇人様が望むのでしたら、どのような起こし方でもして差し上げますよ?御要望とあらば朝には相応しく無いものでも宜しいですし」

そう言ってフレイヤは前から腰に抱き付き、メイドさんは後ろから俺を抱きしめる。

前後から柔らかい何かが!腰の低い位置と後頭部に丸くて2つ有る何かがっ!!

「さぁ、どっちが良いんだい?」

「勇人様、御顔が真っ赤ですよ」

挑発するような上目遣いに、耳を舐めるような囁き。

フレイヤ!浴衣からこぼれそうっ!!

何がって?

言えるかっ!!

止めてくれっ!朝から理性がっ、理性が飛んじまうっ!!

「と、ふざける時間はもう無いんだよっ!」

「生憎と朝食の時間が迫っております。お急ぎを」

前方からサバ折り。後方から裸締め。

…ぁ…ぃしきがぁ…

「全く、いい加減1人で起きられないものかね?」

「きっと起こされたいのですよ」

「ガキだね」

意識が飛ぶ直前に聞こえた声がコレだった……



Side:女A

ジルくん達と別れて暫く。私達は色彩国家カラーズの街の1つ、服飾都市クロスに来てる。

「わぁ~、何アレ何アレ♪」

「変な形してんな~。ん?おい、アレってジル坊の着てた浴衣じゃね?」

「あ、ホントだね!」

「ジル様が作り方を公表した翌々日から販売が始まりました。見慣れない不思議な形状と軽さで人気と成っています」

なぜかクロス領主の娘さんも一緒。

領主代理として首都に来るくらいだから領主としての勉強もちゃんとしてるんだろうな~

「ジル坊…本当に謎な奴だな」

「また一緒に遊びたいね♪」

「…御2人は、ジル様と仲がよろしいのですね」

おや?おやおや~?

「気に成るか?」

「気になるの?」

「えっ?いえ特にそういう訳では…」

最後に黙りこくっちゃったら正解って言ってるようなモノなんじゃ…

「でもスゴイね!私より年下なのに領主の代理出来ちゃうなんて」

今、私達は北第2大陸のユビキタスって国に向かってる。でも重要な話し合いとかはやっぱり村長さん任せ。村長候補の2人は1度村に帰るコトになっちゃった。

シオン君ももう少し勉強しよう?

「いえ、私なんてまだまだです。私よりも年下な筈のジル様に統治者の有り方を説かれ、反論も肯定も出来なかったのですから」

「そうなのか?」

「はい。『理想を実現しようとしない統治者は邪魔なだけだろ?』と」

「ジルくん極端~♪それで、気になっちゃったんだ?」

「えっ?いえそんな事は…」

「ジル坊、罪な女だ」

男の子だよ…

「え?え?ジル様は御自分を男だと…」

「しょうがないな~、秘密だよ?

あのね、ホントはジルくんは……」

「ええぇぇーっ!」

どうしよう、この子弄り甲斐あり過ぎる♪



Side:女B

チュン、チュン…

ん~、朝~?

「ん~、リリー、朝よ。起きなさ~ぃ…」

ふとんあったか~♪

リリーに起きるよう言いながら手近な暖かいモノを思わずギュッと抱きしめた。

「…ぅぬ~………っ!イトハ、ついにイトハがわらわを求めて…」

何か五月蝿い抱き枕ね…

でも温かい~

「あぁ、イトハ!わらわは、この様に情熱的に抱擁されると、もう!」

ん~?何か寒い~

浴衣の前が開いちゃったのかしら?

あ、このまま抱き枕で暖めればイイんだ~

「ふぎゅっ!ま、まさか自ら胸を押し付けてくるとは…これは本格的に何をしても良いとゆう事じゃな!」

あ~、何か背中にも温かい細いのが…それになんだか…

「…安心する匂いがするわ…」

「っ!…イトハ~///」

ん~?サラサラの長い何か…触り心地イイわね~

ナデナデ

「はうぅぅ…イトハが、わらわに此処まで…イトハ…」

…寒い?

抱き枕が体から離れちゃった?ちゃんと抱き直さないと~

「ひゃっ!そ、そんなに、接吻したかったのかっ?イ、イトハがしたいと申すなら、わらわは何時でも…///」

ん~?ん?

息がちょっと苦しい…

「ん~、うん~、あふぅ」

あ、口の中に熱い何かが…意外と気持ちイイ…

「ふあぁ、あむ」

顔とほとんど同じ高さの何かを抱き寄せて、口に入って来る何かをもっと感じたい…

「ふあ!ん、ん~~、ぷはっ!」

あ、離れちゃった…もう1度~

「ま、待つのじゃイト、んんっ!」

あぁ、この感触、気持ちイイィ♪

抱きしめてるコレ、何だろう?

「んんっ、ふあっ、あふぅ」

あ、息辛くなってきちゃった…夢中になり過ぎちゃった…

「はぁはぁはぁはぁ…」

「ふはぁ~…おはよう、リリー…どうしたの?」

帯は緩んでるし、肩も思いっきり出てる。可愛らしいおへそは丸出しで、下着穿いてないのも丸分かり。

こんなになるほど寝相悪かったかしら?

「おは、よう、なのじゃ、イトハ…」

「ちょっと、大丈夫?風邪でも引いたんじゃない?」

顔は真っ赤だし息も荒い。おでことおでこ付けてみたらやっぱり熱い。保健室行かなきゃ!

そう言えば、どうして医務室じゃなく保健室なんだろう?

「いや、風邪ではないのじゃ。此れは直ぐに引く、」

「イイから、浴衣直したらスグに保健室行くわよ!」

全く、魔王の仕事が辛いなら少しくらい休みなさい!

「…此れは此れで、役得じゃな」



Side:男A

氷の館調査が終わった次の日の朝、ベットにて、

「…ロザリー?」

「何~♪」

「そろそろ起きない?」

「やだ~、ジルとこのままがイイ~」

…何故か両方とも起きてるのにベットから出れません…昨日『大好きだよ』とか言ったのが原因か?

「…ジルのにおい~♪」

真横から幸せそうな声。息が耳に掛かる。ムズムズするよ~!理性が飛びそうだよ~!

マズい、これは非常にマズい!

って!足擦り付けないで!浴衣はだけて生足だし!二の腕に柔らかくて気持ち良い感触有るし!

子供の体だけど最近成長してるから反応はするんだよっ!!

「…ジルは、イヤ?」

そう言って顔がくっ付きそうな距離から不安そうな目で見つめてくる。

グハッ!

…これは…向こうの友達に見られたら『リア充爆発しろっ!』と言われて死刑にされる!まぁ知られるはずないけど…

「い、嫌じゃないよ…………今日はずっとこうしてよっか?」

「うん♪こうしてよっ♪」

もう、諦めました。

良いね、諦めって実に良い。人類が産み出した最高の言葉だ。

…やばい、頭が湧いてる…

「ずっと、ずっとずーっと!一緒にいよっ♪」

「…うん♪」

言ってる事はヤンデレっぽいけど…可愛いから何でも良いや。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ