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神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
その時、歴史が動いた?
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男勇者は困る

Side:男勇者

ジルくんとロザリーちゃん…何で浴衣なんだ?ジルくんがワザワザ作ったのか?

てか魔王と友達って2人はいったい何者なんだ?普通知り合うか?ロザリーちゃんがギグの森の錬金術師って呼ばれてるのにも驚いたけど…

「しかしグレゴリウス殿の弟子があんなに小さい子供だとは思わなかったよ」

『貴方に巻き込まれた』

前にジルくんに言われたこの言葉は今でも気に成っている。だがそれでウジウジ悩むのは俺らしくない。

「ジルはグレゴリウスさんの弟子になんてなってないよ?」

だからジルくんが困っている時、俺の自己満足でも良いから助けようと考えた。

「じゃが奴はジルに無償で武器を作っておるぞ?」

多分、俺にはそれが精一杯。だからそうする事にした。

「ん~、でも前にグレゴリウスさんに弟子入りしようとした人は『俺は鍛冶屋だ。剣の稽古がしたいなら騎士にでも成れ』って断ってたよ?」

それにしてもグレゴリウスってどんな人なんだ?

「いやちょっと待て、グレゴリウス殿の武器が、無償?」

「どうしたんだ、フレイヤさん?」

何かワナワナ震えてる…

「あの人の作った武器は、ただの剣1本で100万もするんだよっ!それが無償!?」

この世界の金銭的数値は向こうと殆ど同じ…え?はっ?剣1本100万!?騎士に支給されてる剣は1本2万だぞっ?

「奴は偏屈じゃし、ジルも変わった武器を使う。趣味で作っとる可能性もあるの」

「それもオーダーメイド!?家が建つよっ!!」

「だいたい4000万くらいだね~♪」

呑気な子供2人に興奮する大人1人…シュールだ…

「でも何でその人の武器はそんなに高いんだ?」

素朴な疑問…ちょっと普通じゃない値段だ。何か理由があるのか?

「まぁ異世界の勇者なら知らんのも無理無いかの」

「グレゴリウスさんの武器はね、スッゴク強いの♪」

「まず刃毀れが殆ど無く切れ味が落ちないし、材料の純銀を更に高レベルで精製するから魔法の媒体としても優秀だ。

普通の剣で打ち合おうものなら真っ二つにされるし、そこいらの杖なんかよりよっぽど魔力を通せる。

その上観賞用には絶対に作らない。武器が武器である為に外観を徹底的にシンプルに、そして頑丈に作っている。オーダーメイドにいたっては使用者以外には使えない程に持ち主に合わせて作る。

故に高い。本人は元取れる値段で良いと言ってるけどね…」

「材料の元取って生活するだけなら1本10万でも平気じゃ。

じゃがその範疇に収まる性能ではないのじゃよ。じゃからそんな馬鹿げた値段が付いておる。そしてその値段以上の性能を持っておる」

どんなだよ…でもそこまで言われるほどの武器が10万で買えたら…そこら中で武器使った喧嘩が起きるな…

「お茶はいったよ」

「ジル様、運ぶのなら私が全て…」

「結局私は話してるだけだった…」

ジルくんとメイドさんがお盆にお茶を乗せて戻ってきた。メイドさんの申し出はジルくんに完全却下されている。

イトハちゃんは本当に何も出来なかったみたいだ。

「まぁ、客なんだし良いんじゃない?メイドさんが話してくれって言ったんだし」

「メイドさんから話してくれ?」

「フレイヤ様、御気になさらず」

「そう言われると余計気になるね」

「ジル、何の話しだったんじゃ?」

「ああ、この前の」

「ジル様」

「ジル、苛めちゃ可哀相だよ~」

ジルくん、性格悪いな…メイドさんの困った顔なんて初めて見たぞ?

そうして一服した頃、

「ジル、先にお風呂済ませちゃおう」

「あ、そうだね。男女どっち先にする?」

「ここのお風呂大きいのよね~。5人でも全然入れちゃうし」

は?5人でも入れる?

「個人宅の風呂にしてはでかいな」

「先に入ってきていいですよ。ちょうど晩飯出来るくらいになりそうですし」

さっきからジルくんが家の事やってるけど…彼、居候なんじゃ…

「では私も手伝います」

「え?助かりますけど、良いんですか?」

「この人数分を御1人で作るのは大変でしょう?」

「勇人さんは頭数に入らないんですね」

「ちょっ、俺だって料理くらい出来るぞ?」

城で小腹が減った時なんかはテキトーに厨房借りてる。

「でもジルの料理は手伝えないかも…」

「ジルの料理は特殊じゃからの。料理が本職の者でないと…」

「てか逆にロザリーちゃんの料理食べてみたいんだけど?」

「ジルと比べられるからイヤ…」

ちょっと気になる…

「じゃあ逆に男が先に入ったら?それなら人数的に料理はかどるでしょ?」

「女子で料理出来る人挙手~」

ジルくんの呼びかけに手を上げたのは、

メイドさん…

おい!

「仕方ないじゃろう!わらわは皆に止められて厨房に入る事も出来んのじゃ!」

「姫の前も貴族で包丁すら持たせて貰えなかったんだよ!」

「私も似たようなもんね」

…メイドさんとジルくんだけかよ…

「仕方ない、メイドさん以外の女性陣で先に入ろう。飯の後に3人は適当な順番で入ってくれ」

「しかなさそうですね…」

「畏まりました」

「勇人、覗くんじゃないよ。私は良いけど此処には他の子も居るんだ」

「元から覗かねえよっ!」

どんな風に思われてんだよ!それに自分なら覗かれてもいいのかよっ!…って、2人が料理してる間かなり暇…

「勇人さんとモリッシュさん、暇ならカードくらいなら有りますよ」

そう言ってケースを放ってきた…モリッシュさんって、このケンタウロスさん?自己紹介から一言も話さなかったから忘れてた…

「何をしましょうか?ババ抜き?ジジ抜き?スピード?大富豪?でも2人だとスピードが妥当ですかね?」

「あ、じゃあコッチのが良いですね」

そう言ってジルくんはチェス盤を出してきた…色々有るなこの家。

「ジル様、何を作るつもりなのですか?」

「全開リリー達に好評だったからデミグラスソースのハンバーグをメインにしようかなと。あとはサラダとパスタとピザにでもしようかなって」

「この人数ならそれくらいが良さそうですね。それにしてもデミグラスソースの作り方、よく知っていましたね」

「メイドさんだって知ってるでしょう?」

「メイドの務めですから」

「そうゆうもんですか?とりあえずソースとピザ生地からですかね?」

「そうですね」

これは…料理足手まといだったろうな…

「先攻はどちらにしましょうか?」

「ジャンケンで決めましょう。2戦目からは負けた方が決められるって事で」

さぁ、ゲームを始めよう!


チェスの腕前はどっちもどっちです

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