表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
召喚当日
8/140

女勇者は変態により覚醒する

サブタイトルは各キャラのあだ名です

Side:女勇者

「…し…もし、もしもし?」

「ん…」

誰だ、私の安眠を妨害するのは…

「誰だ…?」

かなり不機嫌な声になってしまったがしょうがない。人の眠りを妨げるヤツが悪い。

「すっ、すみません!しかしそろそろ起きて頂きたいのですが…」

面倒な。だいたい私が眠っていてなんの不都合があると言うのだ。しかし泣きそうな声で言われてはしかたない。そろそろ起きるか。

「まったく。で、あなたは誰だ」

「あっ、はい。私はアダトリノ王国の神殿に務める召喚の巫女、名をエルーダ・サモン・ラークと申しま…」

「長いから巫女、もしくはエルで」

「…はい、グズッ。貴女様には我が国を救って頂きたく魂だけをこの世界に召喚し、その過程で魂に宿る記憶を元に肉体を再現させていただきました。…ヒック」

泣いちゃった。弱いなこの巫女、大丈夫なのか?しかしこの魔法死んだ人を蘇らせてるな…何か気に入らない。

「グズッ、我が国は魔王により凶暴化した魔獣の脅威に…ヒック、曝されており勇者様にはどうにか現状を打破して頂きたいのです…。ここまでで何かご不明な点はございまか?」

「そうだな…この魔法は死んだ人間を蘇生させる魔法なのか?」

しかしグズグズと鬱陶しい巫女だ。その長い赤髪引っ張るぞ。しかし目の色紫って…凄い色だな。

「いえ、この魔法は異世界の強い力に耐えられる魂の持主が自分の体を記憶通りに復元しようとするのを手助けしているだけで、蘇生ではありません。極端な言い方をすれば転生の1種に分類されています。ですので元の体と多少違う部分が見受けられると前の勇者様達は話していたそうです」

「人事のように話すんだな…」

「ヒッ…何分、前に…召喚魔法、が使用された、のは…150年も、前でして」

怯えてしっまて何を言ってるのか聞き取り辛い。はぁ~仕方ない。

「そんなに怯えられると傷つくんだが…質問は止めよう。私はこれからどうすればいいかだけ教えてくれ」

私に出来る限り最高の優しげな笑顔を作ってみた。これなら多少は…

ボンッ

え、何だ今の音は…巫女の顔が真っ赤だ。私にレズの気は無いぞ。まぁ人間嫌いだから男も嫌いだが。

「…素敵…っ…はい!これから勇者様には覚醒の泉にて御自身の能力を覚醒して頂きます!それが終わった後、国王と謁見していただきます!」

顔が赤いまま早口でこの後の予定を捲し立ててきたな。

「では覚醒の泉とやらに連れて行ってくれないか?」

「わかりました、では此方へ」

部屋の隅にある扉に案内された。ついでだが部屋を囲むようにして此方を窺っていた偉そうなジジイ共は一緒に部屋に移動しようとして巫女やメイド達に睨まれて慌てた様に下がっていった。…何だ?

「これが覚醒の泉になります。御召し物を脱いで泉の中央まで進んでください。あっ御召し物はこちらで御預かりします!」

どうしようか。かなり鼻息荒くしている…。泉と呼ばれるくらいだから水なのだ。だから服を着ているのはマズい。しかしこの巫女に服を預けるのはもっとマズそうだ…メイドに預けよう。記憶の名残なのかは知らないが私は死んだ時と同様に制服(Ver.夏)姿だった。

「ん、わかった」

女しかいないのだから躊躇なく服を脱ぎ…今か今かと私を凝視している巫女を無視してその隣にいたメイドに服を預けた。

「シクシクシクシク………」

巫女が五月蝿い。

「それで、この水の中に入ればいいんだな?」

「シクシク…っ、はい!あぁ、そうです。泉の中心まで行ってください」

メイドに耳打ちされるまで意識飛んでたな…しかも今は私の事凝視しているし…。巫女じゃなくて変態の間違いだな。

そんなことを考えながらひんやりとした水の中心に着いた。

「では、これより勇者覚醒の儀を始めます。勇者様、体を楽にして心を無にしてください」

…………

「始めます」

…………

「終わりました。勇者様、お疲れ様でした」

時間にして1分程だったと思う。水が光り、その光が全て私の中に入ってくるように消え水が元の色に戻るまでが儀式だったようだ。

「フフフ…では、体を拭いて御召し物を着たら王の謁見上にまいりましょう…ハァ~ハァ~」

ゴンッ

タオル越しに指をワキワキさせている変態を排除してタオルを奪い服をメイドから受け取った。メイドが着替えるのを手伝おうとしてきたが鬱陶しいし逆に着ずらいだろうと思い手で要らんと合図して下がらせた。

さて。神とやらの話では私は踊る事に成るかもしれない…気を引き締めて王とやらを見てやろうか。

ムギュ~…

ん?何か踏んだか?


Side:巫女…改め変態巫女

あっ…そんな…あんな綺麗な御身足で踏ん…あぁ~…

おっと完全に意識が無くなっていました。何て罪作りな勇・者・様♡

それにしても凛々しい御姿です…はぁ~…あの長い黒髪、切れ長で輝くような黒い目…どれを取っても完璧の一言に尽きます。そして何よりあの慈愛に満ちた微笑…ふふふ…まさに理想の私の勇者さ…

ゴンッ


Side:女勇者

とりあえず覚醒したらしいが何が変わったのかわからない。聞こうにも肝心の変態は今の一撃で気絶した。起きるまでここで色々試してみるか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ