男Aの旅、7日目
ちょっとミスって前回の話が重複してました…
混乱した方、ゴメンナサイ
さぁイヨイヨ新章開始
では本編どうぞ~
Side:男A
隊長達の護衛に就いて7日目。目的地の色彩国家首都、カラーズに到着…したのは良いんだけど…
『では客人、王の間に入られよ』
何故か色彩王とやらに面会する事になりました…何故?
「おぉ、お前達がユビキタスの使者か。此度はよく来たな。そして、」
玉座に座ってるのは若い金髪黒目のイケメン。ただし犬耳…ただし犬耳!大事な事?なので2回言ってみた。いや凄い違和感あるな~。
「その方が噂の紫髪か…俺の側室に成らないか?」
「うぅ~…」
「謹んでお断りします」
ロザリー、王の前で俺を庇うように抱かないの。はしたないよ?
「ふむ、お前の美貌ならば将来的に妻にと思ったんだが…」
「色彩王、少々分かり辛いですが彼は男子です」
「「…は?」」
隊長ナイスフォロー。色彩王の隣にいる妹?さんも初めて口を開いてくれた。第一声がアレでは大分不憫だが…ちなみに特徴は大体兄と一緒。違いは髪が長いくらい。
「うぅ~…ジルは男の子です!」
「ふ、ふはははははははは!この様な顔で、男子とは、中々酔狂な…」
いや酔狂って使い方あってるか?
「気に入った。どうせなら妹の婿に欲しいくらいだが…此れはジルとやらが決める事。俺にはどうしようもないな」
「お兄様っ!」
良かった。問答無用で妹の婿に成れとは言われなかった…妹さん顔赤いけどドッチノ意味?
「坊主、お前やっぱお祓いしてもらえ。幾らなんでもココまでくると呪いと大差ねえ」
狩人黙れ!
「俺は森に戻りますよ。あそこの空気は落ち着きます」
「確かギグの森出身だったか…その歳で恐ろしいな。流石は紫髪か」
さっきから紫髪に拘るな。一体何だ?
「客人には分からない話だったな。紫髪はこの国では英雄の証として神聖視されているのだ」
「百年前の戦争、ですか?」
「ああ。これは御伽話ではない史実でな。あの戦争の際、我が国は滅亡の危機を紫髪のメイドさんに助けられたのだ」
隊長の相槌に色彩王が答えたが…紫髪の何だって?
「俺も祖父から聞いただけだが、実在するのだよ。英雄紫髪のメイドさんは」
そう言えば港町にもカラーズのどの町にもメイドの像が有ったような…
「第2大陸の現存する国の歴史には、必ずと言っていい程にこのメイドさんが出てくる。それも、国を救った英雄としてだ。だからこの大陸では紫髪は幸福と正義の象徴にも成っている。道中で紫髪について思う所は無かったのか?」
「…そう言えば殆どの屋台で割引された」
ついでにトラブルにも巻き込まれたけど…これは言うまい…
「そうだろう。まぁ、各都市の問題に巻き込まれもしたようだが」
知ってやがる…紫髪だから期待されてたのか…迷惑な。
「お兄様、クロスの領主代理が参ったそうです」
ん?近衛兵みたいなのから妹さんが連絡受けてるな。
「ふむ…良い機会だ、通せ」
どうせ紫髪を見せてやりたいとかなんだろうな…
「お久しぶりです、色彩王。服飾都市クロス領より使者として、」
「ふっ、旧知の仲なのだ。堅苦しのは止せ。それよりも今日は珍しい客がいるのだ」
「珍しい…あっ」
「どうも」
この前助けた領主の娘か~…会いたくなかった…
「…ジル」
げ、ロザリーが不安そうにコッチ見てる。ヤメテ、その視線辛いの!軽く手に触れておく。これで少しは安心すると…思いっきり握られた。嬉しいけど痛い…
「4日ぶりですわね…まさかこんなにすぐ再開するとは…っ!」
あ、俺とロザリーの手に気付いた。あんま暗い表情されると困る…相手はもっと困ってるだろうけど…
「何だ、知り合いだったのか…しかしユビキタスの使者をあまり長時間拘束も出来んな。無理に呼び出してしまって済まなかった。本日の謁見はこれまでとする。明日は特別な客人を招いての祭りが有る。時間に余裕が有るのなら見ていってくれ」
「勿体なき御言葉。では本日はこれにて失礼します」
隊長と色彩王の計らいで謁見は終わった…色彩王気を利かせて俺達を離してくれたみたいだな。空気の読める王って良いな~。
疲れたし明日の祭りに備えて宿行こう…
Side:神祖
やっとベットだ~♪
……さっきの女の子、クロスでジルが助けた子だった…
「ロザリー、着替えた方が良いよ。服に皺付いちゃう」
宿にいる時はジルと同じ部屋にして貰ってる。子供同士だし問題は無いって思われてる。それはそれで悔しいけど…問題有ったら…///
「うん…ジル浴衣?」
「?うん。アレが1番楽だしね」
顔赤く成っちゃったの怪しまれてるよ~
「えへへ、じゃあ私も♪」
「はい、帯は新しくいておいたから」
「ありがと~♪」
こんな時、アタシが話すまで待っててくれる…ちょっと物足りないけど、だから一緒にいられる。アタシは自分が神祖だって隠してるけど、ジルも何か隠してる…ちょっと寂しい…でも、話したら、多分一緒にいられない。
「ふぅ、まさか王様に呼ばれるとは思わなかったね?」
後ろ向いて着替えてる。自分が着替え終わってもアタシが終わるまでは向こうを向いたまま。あ、ちょっと背伸びたかな?
「うん…ジル、あの女の子って、」
「あ~、うん。服飾都市で俺が助けた子。まさかこんなに早く再開するとは…」
やっと着替え終わった…ジルはあの子のコト…
「なるべくなら会いたくはなかったな~」
「え?…どうして?」
可愛い子だったのに…
「…秘密」
「何でよ~、教えてよ~」
でも…ちょっと安心したような…
「……だって、運命だと思われても、困る」
珍しく教えてくれた。普段なら、聞いてもはぐらかされちゃうのに…
「あの子が俺に興味を持っても…応える気、無いから…だから会いたくなかった…期待させたくなかった…」
「…ジルは、優しいね」
「どうかな…イトハと戦ってる時に言ったけど、相手を傷つけるのは覚悟してるんだ。だからあの子を傷つけるのはいい…でもそれで自分が傷つきそうなんだよね~」
最後はちょっとふざけたような言い方だった…無理してるのかな…
「あ、グレゴリウスさんからの依頼」
あ、そう言えばお手紙、カラーズに着いたら読めって言われてた。
「…今からでも間に合うかな?」
「とりあえず読んでみよう」
ジルが鞄からお手紙を出して広げた。え~と…
『虹鉱石、純銀を買って来い。量は店主に言えば分かる。
追伸。土産はカラービーンズしか認めん』
……カラービーンズって
「カラービーンズってあの駄菓子?…キャラに合ってねえ…」
そうかも…ぷっ♪ホントは家族用かな?グレゴリウスさん、見た目と違って優しいな~♪
早く、ジルと森に戻ろうっ!
ミスが有ったので修正しました
まさか大陸の番号ミスするとは思ってませんでした……