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神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
それぞれの日常
55/140

女Aはウンディーネと出会う

こっからはまた1人ずつです

Side:女A

「この村って、外との繋がりあるの?」

狩がお休みな日の昼下がり、ちょっと気になってシオン君に聞いてみたら…何か、シオン君もお母さんも村長さんも止まっちゃってる…何かマズいこと聞いちゃった?

昨日森の泉でエルフ以外の人?に会ったのがキッカケなんだけど…とりあえずもう1度思い出してみよ。


「う~ん、こんな所に泉があるなんて」

今日はシオン君が村長の勉強で狩は無し。慣れるために私1人で森に入ったんだけど…大体25メートルプールくらいの大きさの泉を見つけてしまった…どうしよう?

それにしても深いなぁ~。底が全然見えないや…

ポチャン

ん?水音だ。魚かな?

「あら?エルフがこんな所に居るなんて…迷子かしら?」

「え…誰?」

「うふ♪私はチュリス、見ての通りウンディーネよ」

そう言って自己紹介してくれたのは、薄い青色の肌に耳にエラみたいなのがの生えた上半身だけ泉から出した女の人だった。

「…あ、私クリス・シュタイン。クリスでいいよ」

「うふふ、よろしくね、クリス」

言いながら近よって来て泉の上に立った?下半身は…魚…人魚?どう見ても水面に立ってる…スゴイ…

「あら?あなたウンディーネを見るのは初めてかしら?」

「うん。ウンディーネって…水の上に立てるんだね」

「そうよ。これを見ると皆ビックリしてくれるから面白いわ~♪」

「チュリスって…」

「うふふ♪誰かをビックリさせるのが好きなの♪」

あんまりイイ趣味じゃないなぁ…

「あらぁ?そんなにダメかしら?」

バレた…

「顔にですぎよ。あなたスッゴク分かり易いのね」

「うぅ…どうせ単純だもん…」

「くす♪いいじゃない。それだけ素直ってコトよ」

何か上手く丸めこまれてるような…

「からかってるんじゃなくて本心よ。誰かを褒めるのに嘘はつかないわ」

「まぁイイけど…そういえばチュリスって1人なの?」

「そうなのよ~。皆この森には来たがらないの。だから静かになりたい時にはちょうどいいのよ」

「あ、ゴメン」

邪魔しちゃったな…

「いいのよ。むしろクリスと会えて良かったわ。何だか楽に話せるもの♪」

「何それ?」

ちょっと気恥ずかしいセリフだったからチャカしてみた。

「何かね、息苦しくないっていうか…気にせずオバカな話し出来るっていうか…」

「普段は出来ないの?」

それはちょっとつまんないな~

「『ウンディーネは高貴な生き物だ』ってイメージが強いのよ。だから他の子達もそれっぽく振る舞おうとしてて…正直、人間の貴族意識みたいで、ね…」

なんかシリアス展開…

「ウンディーネも大変なんだね」

「ふふ。ウンディーネはもっと自由な性格なのにね。今の皆は無理矢理に清楚な態度とろうとしてて…苦手って言えばイイのかな……あ、ゴメンね!初めて会ったのにこんな…」

「いいのいいの♪それよりさ、ウンディーネってどんなこと出来るの?何にも知らないから何言われても驚くよ~♪」

これは本当。ついでに湿っぽい空気除湿!

「変な威張り方♪いいわ、教えてあ・げ・る♡

ウンディーネは見ての通り、水の中で生活出来るし水の上に立てるの。水の神様に愛されてるのかしらね~。こればっかりは私達にもわからないわ」

「ふむふむ…」

「テキトーね~。まぁ、あとは…人間が私達を頼る理由になるんだけど…」

げ、話題変更できてなかった!

「ウンディーネは水に精製魔法を掛けられるのよ」

……ナンノコッタ…

「わからないって顔ね…そうね、無属性の魔具の属性って、どうなってると思う?」

「それは…何にも無いんじゃないの?」

でなきゃ『無』属性なんて言わないんじゃ…

「ブッブー。勘違いされがちだけど、無属性って言うのは、火水風土の属性値が殆ど同じコトを指すのよ」

「へ?そうなの?」

「まぁ、一番加工しやすいからあんまり気にしないのが普通よ。で、私達ウンディーネは、その4属性の値を0に出来るの。これが精製魔法。浄化なんて呼ばれてて、この魔法を掛けた水で薬を作ると効果の高いモノが出来るのよ。純属性なんて言う人もいるわ」

「へ~。聖水みたいなモノなの?」

「聖水は精製した水に塩を溶かしたモノね。神霊系の魔獣やグールなんかに効くから、死霊使いなんかを相手にするなら持っといた方がいいわ」

「成る程~。そうゆう違いだったんだね~」

よく分かんないってコトがわかったわ♪

「…私の説明分かり辛かったかしら?」

あぁ!チュリスがちょっと残念そうに!

「え、イヤ、あの、あのねっ」

「そうよね。私の説明なんてよく分からないわよね。ええ、わかってたわ、でもね、結構頑張って説明したのに、わかんないや~、は悲しいのよ。いえ、悲しくないわ。だって私の説明が判り辛いのがいけないんだものね。どうせ私の…」

「ストップチュリス!スト~ップ!大丈夫、分かり易かったって!チュリスの説明で全然分かんないトコなんかないって!これだけ難しいことこんなに分かり易く説明出来るなんてチュリス先生向いてるって!」

どうしよう…フォロー出来てるかな…

「そう?私そんなに、先生とか向いてるかな?」

これはもう一押しか!

「うん!絶対そうだって!」

「じゃあ、クリスには簡単に私の説明、要約してもらおうかな!」

「え、あ~…え~っと……」

「……」

うっ、チュリスの目が…

「な~んてね♪いきなりアレだけで分かる人なんていないわよ♪」

…へ?

「もぉう。クリスったら真剣に悩んじゃって♪そんなに気にしてないから平気よ」

…まさか!

「あ、やっと気付いた?ふふっ、楽しかったわよ。クリスをからかうのは♪」

やっぱりっ!

「酷い!私真剣に悩んだのに~」

「ゴメンね♪」

「全然ゴメンって思ってないよ~」

でもホントに湿っぽいよりはコッチの方がいいかな。

「あっはは。はぁ~ぁ、面白かった♪じゃ、私そろそろ自分の池に戻るわね」

「池?」

「池。ウンディーネの巣みたいなモノよ。人間は湖って呼んでるけどね。じゃ、また会いましょう」

ポチャン

「どうやって帰るんだろう…」

水音一つで泉には私1人になった…面白い人だったな~。またそのうち会えるかな?


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