女神様は意地っ張り
さぁ、ゲームを始めよう!
Side:女神
「今晩は、ジルさん」
「こんばんは…」
相変わらず不機嫌を隠そうともしませんね。まぁ毎日のように呼び出して古今東西の様々なゲームに付き合わせて居るのですから仕方がないでしょうが…
「本日は此れで勝負しましょう」
今日で15戦目。1日に20回以上戦う日も有りましたが全て負け越しています。今日こそは一矢報います!
「…何故テレビゲーム?」
「今までは全てアナログでしたので、そろそろデジタルなモノをしてみようかと」
花札、ポーカー、人生ゲーム、将棋、チンチロリンにチェス。本音を言うと2人対戦の勝負もそろそろネタ切れです。テレビゲームはその点は楽ですね。
「はぁ。これはアレですか?小っさいロボットの右手の銃と左手の爆弾と背中のトラップを自分で組み替えてバトるアレですね?」
今一つ納得出来なかった様ですが知ってるゲームで安心している様ですね。
「はい。本当は赤いヒゲの配管工と、弓やブーメランを使う緑の剣士が戦えるゲームにしようかと思ったのですが…」
「ああ、アレはアイテム次第で結構変わりますからね。俺はアイテム多い方が強いって言われてましたし」
「理解が速くて助かります。では始めましょうか」
「パーツは全部出てるんですか?」
「はい。ドクロのパーツはどうしましょうか?」
「アレも含めこのゲームの醍醐味ですよ」
「そうですか。では、使うのは自由とゆう事で。さて、どういった構成で行きましょうか…」
私が1Pで彼が2Pでゲーム開始です。
「え~と、確かこの銃とこのトラップで…ボムは…今回はコレ使ってみるかな」
「早いですね。元々決めていたのですか?」
「ええ。コレは最新版ですけど、初代からやってましたから。友達の家で、ですけど」
「そうですか。此れは不利ですね…」
「でももう2年もやってませんから、初戦は確認になりそうですよ」
「その言葉、今までのゲームで4回目ですよ」
「…スイマセン」
全く、始めてやるゲームですら、予め練習していた私より強いのですから腹立たしいです。
「決まりました。では、準備はよろしいですね?」
「はい」
さぁ、戦闘開始です。
『SETUP,3,2,1,SHOOT!』
シューターからサイコロが2つ、逆方向に発射。私の目は…頭、あっちは…足ですか。チャンスです!
「げ、運ねえ…」
相変わらず彼は運が無い。ポーカーでも最初の札は大体ブタで偶に1ペアでしたからね。
「この隙に」
「あ!酷えっ!」
ふふふ、いきなり400ポイント減らしました。このゲームは戦闘開始直後は1000ですから大分リードしましたね。
「そう簡単には負けませんよ」
カシャンッ
なっ!ガトリングを避けた先にフリーズするトラップだなんて!
「残念♪」
ガガガガガガガガガガッ、ガガガガガガガガガッ
「ああ!酷いのはドッチですか!?そんなに追撃出来るなんて聞いてませんよっ!」
「初期に手に入るしダメージも低いからってガトリングを舐めないでください。これでも使い廻しの良さでは他の追随を許しませんよ」
くっ!無印のパーツのみでドクロパーツで固めてる私のロボットを圧倒するなんて、どれだけ遣り込んでたんですかっ!
「くっ、まだダメージが並んだだけです!今度は此方の…」
「ふっ、次も俺の攻撃です!」
なっ!此方がダウンしている間にトラップを!しかしその程度でっ
「甘いですよ、次も俺の攻撃です!」
ボンッ
「なっ!壁が爆発した!?V字に飛んで壁に張り付くボムですかっ!」
「次も次も次も次も次も、俺の攻撃です!」
カシャンッ、ガガガガガガガッ、ガガガガガガガッ
「くっ、あぁ!」
「これで終わりです」
ボンッ、カシャンッ、ガガガッ、ガンッ!
2P WIN
「おっし!」
「…最後に全武装でコンボですか…」
本当に格闘まで入れた全武装コンボを…ガトリングなんてコンボを繋ぐために途中で止めましたし…まさか微妙な主人公機に此処まで圧倒されるなんて…うぅ…
「主人公機は確かに特徴無いですけどダウン寸前に格闘当てやすいんですよ。他にもドリルとかでも同じコト出来ますよ」
「くっ!余裕のつもりですか!まだ一戦目です。まだまだ勝負はこれからでしゅ!」
…あ、
「…でしゅ、ぷっ♪意外と女神様も可愛い女の子なんですね♪」
「くっ!その減らず口、直ぐに利けない様にして上げます!」
絶対に負けません!
3時間後…
「あの~、そろそろ時間が…」
「まだですっ、まだ私はっ、」
「いや、俺そろそろ起きないと…」
「う、う~、」
「ほら、また夜になったら呼べばイイわけですし…」
「次も…此れで勝負です、」
「あ~、はい、分かりました…」
「では、また夜に、」
「はい…」
Side:主神
「主神様、フリッグたん、また負け越したみたいよ?」
ん~、やっと終わったのか。
「またかぁ。しょーがねーなぁ、全く」
アイツ、男A帰った後機嫌悪いぃんだよな…
「でも仕方ないかも。男Aは搦め手得意みたいだし。フリッグたんはその辺の駆け引きとか知らないから無理っしょ?」
「なんだよなぁ。まぁアイツには良い経験だろ。力押しじゃどうしようもねぇ事だってあんだからよ」
男Aと勝負するようになってからフリッグは頭を使って何かする事を覚えたから良い傾向だとは思うんだがなぁ…
「ダルさん」
「はいぃっ!」
「ちょっとこのゲーム付き合って貰えますね」
「イエス、マムッ!!」
あのダルがなんて綺麗な敬礼を…
「お父様、このゲームは4人まで出来ますから、参加してください」
「わ、分かった…」
目が…怖すぎる…
Side:男A
「ん…」
「むにゅ~…ふにゅ~…」
相変わらずの抱き枕…最近、抱き締め方が俺との接触面増やそうとするような感じになってる気が…自意識過剰だと思いたい…
それにしても…魔王の来た日ですら遠慮無く呼び出されるとは…。女神様は気を使って頭はリフレッシュしてくれてる。だから精神的に疲れてるのに、頭はスッキリとゆうバランスの悪さ…どうにかならないもんか。ならんだろうな……
久々の神様達でした。
次回はもう少し先で出てきます。
ちなみにゲームはGC版のカスタムロボです