女Bは魔王の友を訪ね、男Aは神祖の友を迎える
何か最近分量が増えてる?
と思ってたらやっぱり増えてました
良い事なのかどうか悩み所です
Side:女B
勇者?達と別れ、お昼過ぎたころ。
「リリー様、イトハ様。そろそろ着きますよ」
ようやく着いたみたい。思ったより勇那と話しこんじゃったのね。
「そうか。お、見えてきたの」
「どれどれ?」
「あれじゃの。あの大木と一体化しとるヤツじゃ」
……本当に一体化してる…人里離れた森にいる魔女ってあんな家に住んでるイメージね…
「うむ。イツ見ても変な家じゃな」
「リリー様、ロザリー様を呼びませんと」
「そうじゃったの。いつものように任せる」
「はい。では、」
ん?まだちょっと距離あるわよ?どうすんのかしら…お~きく息吸って…
「っ、ヒヒーンッ!!」
「ヒッ!」
……声デカ過ぎ…耳が…塞ぐの間にあわなかった…あ、リリーのヤツ自分はちゃっかり塞いでる!
ガチャッ
「リリ~♪久しぶり~!」
ちっ、お説教は後ね。
扉が開いて出てきたのは長い黒髪の少女で…浴衣?え、何アレ?浴衣ってこの世界にあったの?
「ねぇ、リリー。あの子の服って見たコトある?」
「ん?わらわも見たことの無い服じゃな。大方人間の街で見つけてきたんじゃろ」
「ロザリー様、お久しぶりです」
「ひさしぶり~♪」
浴衣に気を取られてるウチに家に着いちゃった…
「ロザリー、誰か来たの?」
家の裏から小さい女の子が…また浴衣?でも2人とも男モノなのよね…て下駄まである!?
「………誰じゃ?」
「………誰ですか?」
「ジルだよ~♪」
ロザリーちゃん、リリー達の疑問に答えてないわよ、それ…
「まぁとりあえず、俺はジル。ロザリーの家に置いて貰ってるんだ。あ、ヒモじゃないよ。あと勘違いしてるだろうけど、男だよ」
「……嘘じゃろ…む、わらわはリリー・クロンキストじゃ」
「一角ケンタウロスのモリッシュです」
「あ、私はイトハ・ユリよ」
リリーの気持ちは分かるわね。あれ男?薄紫のショートヘアー…やっぱり女の子に見える。
ちなみに一角ケンタウロスってのはそのまんまで、ケンタウロスの頭から角が一本生えてる種族だけど、スッゴイ少ないって聞いたわ。
「イトハはわらわの嫁じゃ」
「違う!」
「はぁ、そう…大変だね」
「ウルサイ!」
同情してんじゃないわよ!
「ねぇねぇ、リリー。イトハとドコで出会ったの?」
「そこ!乙女の恋バナ始めようとしない!」
「ロザリー、家に入らない?短い用事じゃなさそうだし」
あ、常識も気遣いもある子だわ。
「そうだね。モリッシュさんも今日は家に来ようよ~♪」
「む、掃除でもしたのか?以前はモリッシュが入れるスペースなど無かったじゃろ?」
「ジルが掃除してくれたんだ~♪」
「この家は実験道具が散乱し過ぎなんだよ…」
「聞いた通り実験好きなのね…」
「ん?まぁ、実験中は飯も忘れて没頭してるから、家のコトは俺がやってる…」
「大変そうね♪」
「ウルサイ…はぁ、ロザリー、お茶淹れてくるよ」
「は~い。じゃ、皆、どうぞ~♪」
「うむ。苦しゅうない」
「御邪魔しますね」
「お邪魔するわ」
ジルって苦労人な空気がしてるわね…
Side:男A
妙な客だけどロザリーの知り合いなら納得だな。でもあの小さい子、銀髪って。魔力は高そうに見えたけど…属性何だ?何でもいいか。客なのは変わらん、さっさと茶淹れよう。
「発火」
火点けてヤカンを置く。くぁ~、寝む…
「え、じゃあその服ってジルが作ったの?」
「うん♪スッゴイ着やすいよ~。実験用にコレ、白衣っていうのも作ってくれたし♪」
あ、なんか服について話してる。
「イトハ、そんなにその服が気に成るのか?」
「ええ。その服、私の世界の服だから…」
「ほう、あの魔法の無い世界か」
「魔法の無い世界?なにそれ~?」
あ、あの人巻き込まれた人だ。てか隠してないんだな。一応聞かれたらとぼけておくかな。面倒だし……お、湯湧いた。
「お茶入ったよ」
4人分テーブルに並べ、床に直座りしてるモリッシュさんに渡してっと…
「ねぇジル。アンタ、その浴衣、ドコで知ったの?」
「ん?俺が考えたんだよ。名前は付けて無かったけど。着やすいし、洗濯楽だし。白衣はロザリーが実験で服汚すから」
「何で白なんです?汚れが目立ちますよ?」
お、モリッシュさん良い所突いてくるな。
「薬品付いたって分からないと逆に危険でしょ?速くに気付いたら速くに対処出来るし」
「おお、色々考えておるの」
「そうでもしないとロザリー危なっかしいんだよ。よく爆発するし」
「大丈夫なの?この家とか」
「酷いよ~。爆発しても平気なように防護魔法で守ってるよ~」
泣きそうな声で言われても同情出来ない…
「いや、最初から爆発させないでよ」
「うぅっ…ジル~、イトハが苛める~」
「イトハさん、年下の子には優しくしないとダメですよ?」
縋りついて来たロザリーの頭撫でながら教師口調で棒読みしてみた。
「じる~」
あれ?感謝されちゃった?
「やっぱりジル優しい~♪」
「あれでいいんですね…」
「イトハだって優しいぞ!」
あ、ガキンチョがヒートアップした
「ジルの方が優しいもん!」
「だってよ♪」
「イトハの方が優しいのじゃ!」
「そっちも同じ様なもんだよ?」
「うっ」
「どっちもどっちですよ♪」
外野が野次飛ばすな。
はい、負け惜しみですね…はぁ…
「別にどっちでもいいだろうに…」
つい呟いてしまった。まぁ小声だったし聞こえて無いだろう。何か別の話題で盛り上がってるし。
「ジルは1人で狩が出来るくらい強いんだよ!」
「イトハはわらわと同程度の魔法を使えるのじゃ!」
「ちょっと、止めなさいよ!」
「ジル様、速めに止めた方がイイですよ?」
「じゃあイトハはリリー止めて」
俺に押し付けられても…自分の担当くらい自分でどうにかしてくれ。
「無理よ。私が話しかけたら余計暴走するわ」
「こっちも似たようなもんだよ」
実際俺が声掛けたら…今から1人で狩してこいって流れになるだけだ…
「なら勝負だよ!」
「望む所じゃ!」
あ、話し聞いてなかったけど、決着着きそう。
「ちょっと、ホントにヤバいわよ!どうにかしなさい!」
?何そんなに慌ててんだ?
「ジル!準備いいよね!」
「イトハ!こっちも良いな!」
どっちも疑問文なのに疑問系じゃない…なんだこの展開…
「ジル、行こう!」
「イトハ、ついてまいれ!」
「はぁ~、遅かったわ…」
「イトハ様、諦めましょう…」
…もしかして、勝負って…俺とイトハでか?
とりあえずついて行くか…
次回は飛ばされた者同士の戦い
勇者2人はチートですが3人は微妙です
状況によってはチートっぽいくらいのつもりです