女勇者と女Bの出会い
Side:女B
「先程はお楽しみでしたね♪」
御者台の出たら馬車を引いてるケンタウロスさんに話しかけられた。何故かこの人?は1本角が生えている
「次にそれ言ったら灰にするわよ」
炎を纏わせた魔槍ガ・ジャルグを突き付けてやった。この槍、契約?すると爪にルーンにが出て、しまっておけて持ち運びに便利だった。同じような物は他にもあるらしい。
ちなみにリリーは馬車の中に転がせておいた。年上舐めんな!そう何度もお子ちゃまにやられてばかりじゃいられないのよ!
「ははははは…もうしません!」
全く、冗談じゃないわよ。
「あ、ロザリー様の所に着いたらブラシ掛けしてくれませんか?イトハ様にしてもらうのスッゴク気持ち良いんですよ♪」
…はぁ…リリーの城で暮すうちに色々な魔族と話したけど1部の女魔族が私のコト好きに成っちゃったみたいなのよね…最初はリリーと話してると睨んでたヤツもちょっと話したら…思い出すのヤメヤメ、疲れるだけだわ…
「リリーの友達ってロザリーって言うの?」
「ええ。見た目はイトハ様より少し年下の可愛い女の子なんですが、実験大好きでよく部屋を爆破してますね。あと実験中はご飯を忘れるみたいです」
「…確かに変人ね」
「でも優しくて良い子なんです。イトハ様もきっと気に入りますよ♪」
ふぅ~ん。まぁ悪い子じゃなんでしょうね。
「あれ?イトハ様、人間の馬車です」
「え…大丈夫かしら。いきなり襲われるなんてことはないわよね?」
「あ、それは平気です。ケンタウロス族は人間の間でも馬車として認知されてますし、イトハ様とリリー様は見た目は人間なのでいきなり襲われるとしたら…相手が賊だった場合ですね」
それが1番ヤバいんじゃ…
Side:女勇者
「あ、ケンタウロスですよ。始めて見ました。勇那様、ケンタウロスです♪」
幾度か魔獣や獣と戦ったが特に問題無く森の中を探索していたら巫女が急に騒ぎ出した。何だと言うんだ…
「勇者様も見といた方が良いぜ。中々拝めねえからな」
騎士団長まで興奮した声に…全く…
「何だと言うんだ?」
「アレですよ、アレ!」
そんなに大声で話さなくても聞こえている。どれどれ…なるほど、確かにスゴイな…
私達と向き合う様に進んできた馬車を引いているのは馬ではなく、下半身は馬でも上半身が人間の生き物だった。確かケンタウロスと呼んでいたな。ファンタジーには度々出てくるが実際に見ると込み上げて来るモノが有る。これは…感動か?
「話してみたいな…」
いかん。つい妙な事を言ってしまった。
「話しかけてみようぜ。俺も興味有る」
「私もです。こんなチャンスもう無いかもしれませんし」
全員ノリ気だな…これでいいのか騎士に巫女…
「じゃさっそく。お~い、ケンタウロスさ~ん!」
巫女が普通に話しかけてる…物怖じしないな…
「わ、声掛けられちゃった」
「イトハ様、リリー様を起こしてもらえませんか。挨拶くらいはして頂きたいですし」
「ん、わかったわ」
御者台にいた少女が中に入ったか。誰か起こすようだったな。
「こんにちは、旅の方。どうされたのですか?」
近くに来て丁寧に対応してくれる。普通の人間とそう変わらないな。
「いえ、その…ケンタウロス見るのが、初めてだったもので…」
「すまねえ。珍しかったからつい声掛けちまったんだ」
「お気になさらず。元気な声でしたね♪」
どうやらこのケンタウロスは気さくな性格のようだ。
「ほら、シャキッとしなさい」
先程中に戻った少女が幼女を連れて戻ってきた。少女の方は赤髪を2つ結っていてベストのみの執事のような服、幼女の方は長い銀髪でお嬢様のような服だった。幼女はいったいどんな属性だ?そして少女はいったいどうゆう趣味だ?
「う~、イトハの舌が~、もう1度あの様に激しく」
「アホなこと言ってると燃やすわよ」
「む、旅の者達か」
「都合良いわね。はぁ…はじめまして、イトハ・ユリよ(魔王だってのは隠しなさいよ)」
「わらわはリリーじゃ(心配するでない。それくらい心得ておる)」
馬車を降りて自己紹介された。こちらも礼儀は尽くさねばな。
しかし、リリーとやらの最初の言葉…変態巫女と同じ匂いがするな…
「私はエルーダです」
「俺は…だ」
「私は勇那だ」
考え事していたら騎士団長の名前を聞きそびれた…まぁ知らなくてもいいだろう。
ん?イトハとやらに注視されているな…
「何か」
少々ぶっきら棒な声に成ってしまった。
「いや、気を悪くしたなら謝るわ。ただちょっと…何て言うか、私と似たような感じがしたから…」
ほう、同じ苦労を持つ者同士、その辺の感覚は似るモノなのかもしれないな。
Side:女B
この勇那って人…この名前。コイツが私を巻き込んだ勇者ってヤツみたいね。まぁ勇者って言ったら魔王を倒すためにいるんだしこの人が何かした訳じゃないから正直興味ないのよね。
…まぁ、あのエルーダって人はリリーとか城の女魔族達と同じ人種っぽいけど…勇那ドンマイ!強く生きるのよ。リリーの敵にならない程度に頑張って!
あ、そう言えば、
「貴方達はドコに向かってるの?」
結構重要よ。魔王城だったらシャレにならないわ。
「ああ。第4大陸に行こうと思ってるんだが、この森で1泊したくてね。あっちに人が住んでるとゆうから向かってるんだ」
良かった、魔王関係無かった。しっかしこの人カッコイイわね。普通のアイドルが可哀相に見えてくるわ。
「君たちこそ何処に行くんだ?ケンタウロスは慣れているようだったが」
「リリーの友達の家がこの先にあるからそこに、ね」
一緒に来るとか止めてよ?
「そうか。それはいいのだが…あの幼女は何故さっきから凄い目で私を見ているんだ?」
確かにリリーがスゴイ顔で勇那を睨んでいた。多分嫉妬よね?でも…
「それを言ったらエルーダだっけ。あの人も私の事スゴイ睨んでるわよ?」
正直かなり怖い…
「……すまない。あいつはレズビアンでな。私の事を好きらしい…」
「…ドンマイ!きっと良い出会いが有るわよ!…お互いに…」
「そうだな。どうやら私達は同じ苦労を背負っているようだしな…お互い強く生きよう」
そろそろ潮時かしら…
「ええ、頑張りましょう!じゃ、まずはお互いの身の安全を祈っときましょうか?」
「そうだな。イトハ、またいつか」
「ええ、またいつかね」
こうして、私達は別れた…勇者、か。できれば敵になって欲しくはないかな…
「イトハ!わらわの妻で有りながら他の女に現を抜かすなど…」
五月蝿いのが残ってた…
Side:女勇者
「勇那様!私のドコが不満ですか?不満があるなら仰ってください!私は勇那様のためなら例え夜の御相手でも…」
さっきから変態が五月蝿いし団長の嫌らしい笑みが鬱陶しい。クロだけだな。私を癒してくれるのは。
しかし、あの幼女の隠してた異常な魔力…アレが魔王、だったのかもしれないな…
この2人の出会いはわりとあっさりでした
さて、次回は魔王の友繋がりで女Bと男Aの出会いです