神様は男勇者に戸惑う
異世界に行くのは5人の予定です
Side:男勇者
「…え?何ここ?えっ?ええっ!?」
何で俺は死んだと思ってたのに次に目が覚めたら雲の上みたいな所に突っ立っているんだ?わかんねぇよぉ~。誰か~いませんか~。
「うるせーな、こんくらいで一々騒ぐんじゃねぇよ」
「え?うわっ…あの~あなたは?」
金髪ロン毛白人のおにいさんって…ヨーロッパの人か?やけにテンション低いけど大丈夫かな。
「俺は神だ。お前は一度死んだが元の能力が高いんで他の世界で勇者をやってもらうことになったんだよ」
「勇者?って異世界に呼ばれてパーティー組んで世界征服狙う魔王を倒して来いとかのアレですか?」
「そうアレ。お前はある国の召喚魔法で召喚されて、国を守るために聖剣やら魔法やらを使って戦ってもらう。一般の魔法使いと比べれば比べるのも馬鹿らしい魔力量を持ってて、覚醒の湖で勇者特有のスキルと高い身体能力を得るから滅多な事ではかすり傷すら負わねぇ。んじゃ、頼んだぞ」
「ええっ!ちょっと待って…」
「困っているヤツらが大勢いるんだがな」
「えっ…?」
「その国は魔王以外にも問題山積みでよぉ、国民はスゲ~困ってるんだわ。俺が助けてやれりゃぁ良かったんだが俺の力じゃやり過ぎになっちまってかえって傷つけちまうんだ。だから死んじまった力の有るヤツに頼んでんだがなぁ、皆強欲でよぉ、えらいチートな能力を寄こさないなら行かねえって言うんだ。お前そんなヤツらどう思うよ?」
「そんなっ」
困ってる人がいるんだぞっ、それなのに…力が有るのに…人を、
「人を救える力が有るのに…やります!俺がその国を救ってきます!」
「良く言った。そんなお前には最高に相性の良い武器が手に入るようにしといてやるよ。存分に使ってこい!(え~と、何だろうこの熱血男は。人情に訴えかけてみるか~程度のつもりだったんだが…)」
「はい!絶対に誰もが笑える世界にして見せます」
「ふっ、じゃあな。もう会うことはねぇだろうが見守っててやるよ、正名勇人」
「えっ、俺自己紹…」
言い終わらない内に足元に魔法陣が現れて、俺の記憶はそこで途切れた。
Side:オーディン
「何だったんだあいつは?」
「人間で言う熱血じゃないんですか。ダルさんなら的確な表現が出来そうですが」
「あ~、あれはもはや化石とまで言われる正統派熱血主人公だお。困っている人がいたら絶対助けようとするし、1対多数でも知り合いが絡まれてたら間に割って入るような天然希少動物とみた!」
あ~、そんな感じだったなぁ~。正直途中から付いていけなかったからテキトーなことしか言ってねぇや。それよりも…
「フリッグちゃ~ん。今回はお父さんちゃんと説明したよ~」
「近寄らないでください、虫湧きお父様。途中から説明放り出してテキトーこいてたくせに何血迷ったことを仰ってやがるんですか、気持ち悪い。残り3人もいるのに傷ついてる暇なんてありませんよ早く次の人間を呼んで下さい糞虫お父様」
「娘に暴言吐かれまくる父親乙!」
「うるせーよ!!」
フリッグ~…小さい時は「お父様のお嫁さんになるー」なんていってくれたのに(泣)あと3人頑張ろう…グズッ
個人的に男勇者苦手です…