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神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
それぞれの日常
32/140

男Aは習うより慣れる

前回の続き

男Aは赤ヒゲに勝った

Side:男A

「ジルって強いんだね~。グレゴリウスさんに喧嘩で勝った人初めて見たよ?戦い挑まれた人も始めてみたけど」

何で俺は喧嘩売られたんだ?しっかし踵で蹴っちゃったけど平気かな?鼻折れたとか無いよな……っ!

「ほう、今のも避けたか…」

気絶した振りから不意打ちって…しかも首狙いかよっ!避けて無かったら死んでるぞ…

「良いだろう。坊主、そいつはくれてやる。大きさが合わなくなったら持ってきな。タダで合わせてやる…チッ」

なんか認められた…かなり不本意そうだけど…まぁ確かにこのグローブはメリケンみたいに指輪状になってるから調節必要になってくるし有り難いけど…何かかなり厨二くさい武器だな…嫌いじゃないけど。

「もう1つ」

何か深刻な雰囲気…これは真面目な話か…

「ロザリーに傷一つでも負わせたらブチコロス!」

ロリコン!?しかも後半カタコトじゃね!?

「グレゴリウスさんもそんなに心配しなくても平気だよ~。ジル強いもん♪」

絶対このオッサンが言ってるのはそうゆう事じゃなさそうだけど…

「しかしなぁ…ロザリーをどこの馬の骨ともしれん奴に任すなんて…」

後半は声小さかったけど聞き逃さなかったぞ…もしや…親?

「あ、じゃあ私達グライドとスーナさんのトコ行ってくるね。ジル、行こ♪」

「え、ああ、おわっ」

手引っ張らなくてもついてくよ~…赤ヒゲの視線が怖すぎる…


赤ヒゲの妻子、スーナさん(ヒゲ夫人)とグライド君(若ヒゲ)とやらと顔合わせを済ませてから予定通り森で狩を始めた。

ヒゲ夫人からは赤ヒゲ以上の殺気を、若ヒゲからは『何だコイツ』と不躾な視線を頂いた…超ゲンナリ…

「昨日はジル来たのに何も出来なかったからね、今日は御馳走にしよっ♪」

テンションタケー。別に水差す必要も無いか…どうせ暫くは一緒にいることになりそうだし。

「と、ゆう訳で、今日はアレを狙ってみようと思います!」

そう言って指されたのは……カバ、なのか?でも色緑って、大きさ2メートル程って…何だアレ…まだ20メートルくらい距離が有って気付かれては無いけど…

ちなみに俺の視力は元から2以上あってこの距離でも余裕で細かく観察できます。まぁテレビとか見ないし、パソコンは大学の課題でしか使わないし…何して遊んでたのって?本読んだり、曲聞いたり、ドラマCDとかだよ。まぁゲームも好きだけどそんなに長時間しなかったし…

「この辺では一番美味しいって言われてるカバだよ♪アタシもまだ1回しか食べたことないんだ~」

それ以前に倒せんのか?てか名前カバかよ!何か手抜き感ないか!?

「あれって…倒せるの?」

素朴な、それでいてかなり大事な質問だ。ロザリーに傷一つでも負わせたらヒゲ一家に殺される…完全に前衛決定だな…まぁ後方支援出来るような魔力無いから最初っから前衛は決定してるんだけど…

「うん。アタシだけじゃ無理だけど、ジルが前で殴り合いしてくれてればその間に丸焼きにできるよ♪」

カバと人間の丸焼きでも作る気か…魔法発動前に全力で逃げなきゃな…てか作戦に成って無い気が…イイや、気にしたら負けだ。早く慣れよう…

「じゃ、始めるよ?イイよね♪」

そういって何か貯め始めた…魔力だろう赤い光がロザリーを包んでいる。火の魔法か?

「じゃ、ジル。とりあえず、カバさん引き付けてね♪」

た~の~し~そ~。腹括るしかないのか…はぁ…

「了解…周り、気を付けてな」

魔法貯めてる時に他から攻撃されるのは避けたいよな…

「うん。心配してくれてアリガト♪」

ふぅ。行きますかね…

カバは左腹をこっちに向けてる。とりあえず狩の基本なんて知らないので左後ろ脚目掛けて突撃。こうゆうときは某死神なGパイロット曰く

「突撃有るのみ!」

音立てないようにしても野生動物相手に隠れきれる訳が無い。俺は所詮素人だ。なら最初から突っ込んで、真正面から対峙してやるつもりでいた。予想通り俺が声を上げる前からこっちに気付いて構え始めた。まぁ構えるといっても猪の『突進準備!』って感じだが。…正直デカくて怖い…

向こう、約2メートル。俺、約135センチ。

頭2~3個分違うんだけど!?ちょっ、間近で見ると余計に大きく見えるんですけど!目測誤ったかな…

「ぶぎゃぁぁぁぁっ!」

声でけ~。まぁそれくらいじゃ止まらないけどな!勝負だデカバ!(デカいカバ)

ずどどどどどどど!

さっそく突進か…猪相手のモンスターなハンターさんって度胸あるな…しかしここで俺の取るべき行動は、

「ハッ、フッ、と」

身軽さ活かして木の上に退避!いや~、やっぱりね、怖すぎるわ~。戦うとか無いわ~。悔しそうにこっち見てるな。ここは一つ

「見ろ!カバがゴミのようだ!ふはははは!!」

一度やってみたかったんです、スミマセン…

「ジル!その位置で引き付けてて!」

ロザリー!?この状況でそんな大声出したら!

「ぎぃぃぃぃいいい!」

やっぱりか。狙いロザリーにしやがった!

「残念、させねえよ!」

木から飛び降りて死角となる頭上から飛び蹴りを当てる。靴の硬さと体重と速度でそれなりにダメージを…はい、無いですね。俺軽過ぎですね。こっち睨んでる。コエ~…でも、

「じゃ、イックよ~♪」

ロザリーが持っている杖の腹に魔力が集中しているのか、ルーンが刻んであった所から炎のような紅い光が出ている。隠密には向かないな~。とりあえず顎に一発、で即刻退避~!

「バイバイ、特大のフレア、だよ!」

カバの足元から火柱が立ちその全身を飲み込んだ。生きたまま丸焼きにするとは、子供の残酷さには恐れ入る。まぁどっち道食べるんだから俺に何か言う権利は無いな、うん。

「このくらいかな~」

イイ感じに火が通ったっぽいので止めたようだ。なんとなく『上手に焼けました~♪』と聞こえた気がした…いかん、ゲーム脳だろうか。心配だ…

「この肉、どうする?流石に2人じゃ大き過ぎるよ?」

「肉屋さんに切り分けてもえばいいよ♪中々獲れないから高く買ってくれるの♪」

この辺肉屋もあるのか。ロザリーの家とヒゲ一家の家は20メートル程しか離れていないが、見渡す限り他に家は無かったはずだ。

「じゃ、帰ろ~」

カバ引き摺って帰るが今日一番重労働になりそうだな。


もう1話あります

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