女Aは純情少年で戯れる
この人の話は視点が変わり易いです
Side:女A
「ほら、見えてきたぞ」
「えっ、ホント?…ドコ?」
やっとか~。でも2時間も山道ヒールで歩いて少ししか息切れしてないんだよね。最適化様々だよ~。あっ、純情少年は「シオン・ビラー…俺の名前だよっ!」って教えてくれた。そんなに照れなくてもいいのに♪
「え~と、あそこの岩を超えたら直ぐだよ」
あそこの岩って…ドレ?いいや。ついて行けば着くみたいだしもうちょっとジャングル堪能してよう。
「…お前って説明のし甲斐無いのな…まぁいいか。あっ、村の前まで行ったら少し待っててくれな?ジジイに話つけて来なきゃなんねぇから」
「わかった、待ってるね」
場所分かんなかったのがバレたか。そんなに判り易い顔してたかな~。
「じゃ、ここで待っててくれ。俺が来るまで動くなよ?」
「わかってるよ~、そんなに子供じゃないよ」
何か落ち着きのない子に言い聞かせるように言われっちゃったなぁ。私は元々25歳だから君よりずっとお姉さんなんだけどな~。
若く見られたと喜ぶべきか、落ち着きがないと思われたと悲しむべきか…う~ん、悩み所だな~。
「グルルル……」
動物の呻き声…きっと犬さんだよね!遊んで欲しいのかなっ!も~、いっぱい撫でてあげちゃうぞ~…嘘です、無理です、ゴメンナサイ!てゆうか後ろから!?どうしよう?ヒールじゃ流石に走るのは無理だよ!…とりあえず、そ~っと、そ~っと後ろを確認…逃げよう!
何アレ!?ライオンの頭したクマみたいなのがこっち見てる!シオン君は動くなって言ってたけど動かなきゃ死んじゃうよっ!そ~っと、少しずつ後ろに下がって距離を…ちょっとずつならこの子は追って来ないし…まだ動かないよね…まだ大丈夫…ん?あのクマオン(クマライオン)こっちをスゴイ警戒してる?…何で?…あれ?何で私クマオンは少しずつ下がれば平気って思ったんだろ?
「…がぁうっ!」
えっ!?何何何何?クマオンが急に暴れて…
「ぎゃうっ!っガア…ぐあぁ…」
5分くらい暴れて…死んじゃったのかな?…でもどうして?
「ふ~。危なかったな」
「シオン君?今のってシオン君が?」
「おう。矢を首に当ててから地面に縫いつけるように手足を狙ったんだ。いや~焦ったぜ、まさかガルウビーストに襲われてるなんてな」
ガルウビーストがさっきのクマオンの名前なんだ…それにしても…
「ふえ~んっ!怖かったよ~!」
勢いでシオン君に抱きつく。怖かったよ~、本当に怖かった~…
「わっ!バッカ抱きつくな離れろっ!!もう大丈夫だから離せって!!」
お~、初な反応するな~…ちょっと可愛い。
Side:純情少年
ん?いきなり抱きっ、えぇーーーーー!
「怖かったのは分かったから抱きつかないでくれ!」
「え、何で?」
「何でって、そりゃお前…あ~、もう!何でもいいから速く離れてくれ!」
「ブーブー。シオン君の甲斐性無し~」
「うっさい!」
コッイッツ、直ぐ立ち直りやがった!てか本当に怖がってたの最初だけだったんじゃねぇか!?
「それよりも、さっさと行くぞ!ジジイが記憶ねえなら仕方ないって、村に入ってもいい事になったんだよ!」
意外と何も言われなかったな…何かいい事でもあったのか?
「ホントッ?ヤッター♪」
「だぁかぁらぁ!抱きつこうとすんじゃねぇ!」
しつこく抱きつこうとするので本気で回避に専念してやった…心臓に悪いなコイツ…
Side:女A
あはは~、シオン君おもしろーい!でもちょっとからかい過ぎたかな、反省反省。それにしてもあんなに遠くから正確に狙い打ったんだ…スゴイなぁ~。頼んだら教えてくれるかな?私も村に住むことになったら狩とかの技術は必要になるし弓とか使えたら何かと便利そうだよねっ!それにイツか今日とは逆にシオン君を助けられるかもしれないし。村に着いてからどうなるか分かんないけど…まぁ、どうにかなるさ~。
「はぁ~、さっさと村行くぞ」
「はぁ~い♪」
あっ、悔しそうな顔してる♪可愛い~♪なんかさっきの事とかどうでもよくなっちゃった♪シオン君様々だね。
さ、村に入れてもらえるよう頑張らないとねっ!