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神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
その時、歴史が動いた?
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それぞれの明日

Side:女勇者

魔界での決戦から1週間、ようやく私と勇人が動ける様に成った。その間ずっと変態に付きっきりで看病されていた。何度貞操の危機を覚えた事か。満足に抵抗出来ない身としては不安でしょうがなかった。

「では勇那、待っておるぞ」

「ああ。ギルドに報告したら、戻ってくる」

「その時は言ってね♪案内するよっ♪」

少女にそう言われたら断れないな。全く、妙な知り合いが出来てしまったものだ。

「勇那……一応、言っておくわ。ありがと」

イトハ……ふっ。

「何よっ!何か可笑しかった?」

「いや、君も素直に成れよ」

「私は常に自分に正直に生きてるわ」

「そうだったな」

「私は常に勇那様一筋ですっ!」

唐突に出てくるな。まぁ、こいつはこいつでハッキリとした生き方をしている。

さて、私の本当の気持ちはまだ分からないが、まだ焦る必要も無いだろう。私の人生はまだ暫く続くのだからな。

ああ、いつかメイドさんに聞いてみないとな。『貴女は、一体何年生きてるんだ?』、と。



Side:男勇者

まだ怪我は完治してないけど今は一刻も速くユビキタスに戻らなきゃな……戻ったら、フレイヤと結婚しなきゃなんないのか?……どうしよう……

「何じゃ何じゃ、辛気臭い顔しおって。わらわ達魔族を後1歩と言う所まで追い詰めた勇者が其の様な不景気な顔をするでない。胸を張って国に帰り、和平の報を知らせよ」

「……ああ!」

そうだ。今回の旅は和平の為だったんだから喜ばなきゃな。

「魔王様、後日フレイヤ様と勇人様のご結婚の報が届くと思われますので、その折には是非ご参加下さい」

「ほう、やるのう。楽しみにしておこう」

「メイドさんっ!?」

「勇人に汚されたこの体、責任取って貰わないとねえ」

「フレイヤ様、お労しや」

「棒読み過ぎだろっ!!」

「勇人、姫様泣かせたら、ガ・ジャルグで灰も残さず焼き尽くしてあげるわ」

…………目が、マジだよ……

「あ~、うん。頑張れよ、勇人!」

「見捨てる気満々じゃないか、シオンの裏切り者ーっ!」

「勇人さん五月蝿い」

ジルくんは最後まで容赦無いな……



Side:女A

これで、皆とはお別れなんだな~……また会おうと思えば会えるって分かってるけど、ちょっと寂しいかな……

「ジル坊、俺達またユビキタスとか魔界とかに行く事に成るだろうからそんときゃよろしくな」

……へ?

「報酬弾んでくれたら新しい料理考えておくよ」

「言ったな。楽しみにしてんぞ。てことでリリー、その内手紙出すぜ」

「うむ」

「ちょっと待ってよ!どう言う事?」

「俺達はこの世界じゃまだまだ新参者だからな。営業だよ、村長候補としての」

「……そうなの?」

「おう。確かに1回村に戻る事に成るが、多分直ぐに他の国に出向いたりするぜ」

「……じゃあ、」

「おう。また何人かとは一緒だろうな」

「うぅ~……先に言ってよ~っ!私暫く皆と合う事ないんだな~とか思ってブルーに成っちゃったよ~」

「悪い悪い、でもほら、これからも変わんねえだろ?」

「……帰ったら絶対シオン君の恥ずかしい所お母さんに言っちゃうんだから」

「悪かったって。じゃまたな、リリー、イトハ」

「末永く御幸せに」

「喧嘩しても仲直りするんじゃぞ」

「……うん///」

「そこだけ素に戻るのかよっ!」

……えへへ、また、皆に会えるんだ♪



Side:女B

あ、ロザリーちゃんにどうしても言っておかなくちゃいけなかったのよね。

「ロザリーちゃん、ジルと一緒にお風呂に入るのは止めなさい」

「え~」

「ロザリー、ジルとて女子の様な顔じゃが歴とした男じゃ。何時狼の本性を剥き出しにしてロザリーにその牙を向けるか分からんのじゃ。用心に越した事は無いのじゃぞ」

「う~」

……どうしよう、涙目に成っちゃったわ……

「ジル~、ジルは狼さんになんてならないよねっ?」

「うっ!」

うわぁ、浴衣ですがり付くからナチュラルに肌すり合わせてる感じになっちゃってるわ……

……ジルから『どうにかして』ってアイコンタクト来てるけど……リリーと揃ってスルー。今回の原因は私達にもあるから何とも言えないわ。

「あ~、うん。大丈夫、絶対ロザリー泣かせたりしないから!」

妙に力入れて宣言したわね。この根性が他の男達にも欲しいわ。

「勇人にもこれくらいの事言って欲しいもんだね」

「シオン君、ジル君の方がよっぽど大人だよ?」

「「……スイマセン」」

情けないわね。

「じゃ、もう行こうか」

「うむ。祝言の際には必ず知らせるのじゃぞ。和平を結んでおるのじゃ、それくらいの気は利かせよう」

「ああ。必ず」

「またねっ♪リリー、イトハ♪」

「またねっ!」


「……行っちゃったわね」

「これで良いのじゃ。今生の別れでは無い、新たな始まりなのじゃから」

「ふふっ、そうね♪姫様と勇人の結婚式、何持って行く?」

「何でも良いじゃろ。どうせなら人間界では手に入らない物にすれば良いのじゃ」

「そうね」

「そうじゃ」

次に全員が揃うのは、結婚式の時かしらね~



Side:男A

相変わらず色々トラブルに巻き込まれながら家に到着、カラーズの人達は俺のトラブル吸引率にノックアウトされた。

「……クリス達に聞いたトラブルの話、舐めていたな」

「もう、懲り懲りです」

「カラーズまで送ろうか?」

「「「「結構!」」」」

色彩王含めた全員に言われてしまった。これはショックだ。

その夜の風呂は女性陣のみで入り、中々に騒ぎ通した。流石に皆が居るのに2人で風呂は避けたかった。

そうして皆、翌日に帰っていった。

クリスとロザリーは最後まで別れを惜しんでたし、勇人は俺と勇那に再選を誓ったし、勇那まで俺との決着を着けるって言い出した。近衛兵長は無理だと判断したらしい。

こうして、異世界の人間全員を巻き込んだ人間と魔族の和平への第1歩は踏み出された。これからどうなるかは勇人やリリーの頑張りと運次第なんだろうな。

「……皆、行っちゃったね」

「うん」

「また、会えるんだよね?」

「うん」

「アタシは、これからもジルと一緒にいられるよね?」

「うん。俺とロザリーを引き裂こうとする人が居たら、俺が倒す。俺とロザリーの居場所を壊そうとする人が居たら、俺が止める。だから、何が有っても、俺とロザリーは一緒に居られるよ」

「うん♪」

本当に邪魔する人が居たら、本当に頑張らなきゃな。

「……ねぇ、ジル」

「うん?」

「大好きだよっ♪」

「……俺も、ロザリーの事、大好きだよ♪」

「えへへ~♪……んっ」

「んっ……これからも、よろしくね」

「うん♪」

ここに来て1年、色々有り過ぎたけど、今は、嬉しい、かな。


何か完結してるっぽいですがあと2話程続きます

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