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神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
その時、歴史が動いた?
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勇者VS魔王――勇者VS勇者

今回で決着です

Side:男勇者

「残っているのは私達だけの様だな」

「ああ」

鎧はボロボロ、ジュワユーズを収めてた鞘も勇那の斬撃を食らったりしてかなりヒビが入ってる。

まぁ、それは向こうも同じようなもんだ。


『ここに来て両チーム残すは1人のみ!そして残っているのは奇しくも勇者の名を冠する2人っ!以前にも戦いっ、その時は決着と成らなかったって話の2人!ここに邪魔する者は居ない!その剣で、刀で、力で、魔法でっ!自分の持ちえる全てで勝敗を決する為に!眼の前の敵を倒せーーっ!』


「言われなくてもっ!」

「ここで雌雄を決する!」

無白による斬撃を受け止め、大剣の質量で押し退ける。

「この馬鹿力がっ!」

「勇那こそっ、速いんだよっ!」

殆ど会話に成らない感情のぶつけ合いだ。

「貴様と戦ってから私の人生は激変したっ!」

「俺のせいだってのかっ!」

勇那の攻撃を弾き、横に薙いだ。

「ふんっ!面白かったさ、特にアダトリノ王に刃を突き付けた時は最高だった!」

「なら良かったじゃねえかっ!」

後ろに飛んで避けられたが直ぐに距離を詰める。

「だが、貴様との決着が着いていない!」

「俺だって、君との決着を着けたい!」

上から振り下ろしたジュワユーズは横に避けられ、無白の先端が俺の首に迫る。

「少年との決着も良いがっ、今は貴様だっ!」

「目移りなんてさせねえよっ!!」

迫る突きを首を振って避け、ジュワユーズを跳ね上げ勇那の胴体を下から袈裟斬りにする。

「その程度の相手だったなら興醒めだっ!」

「勇那こそっ!俺を飽きさせるなよっ!」

無白の刃をジュワユーズに這わせて自分の体ごと俺に吹き飛ばされた。いや、俺の力を使って飛んだ。

「影刃!」

「弱いっ!」

牽制程度の影の斬撃なんて何の意味も無いっ!

「この程度で調子に乗られては困るっ!」

「そんな程度の攻撃なら、するなっ!」

再び距離を詰めて切り結ぶ。

「よく耐える!これだけの殺気では何の意味も無い様だなっ!」

「殺気程度で俺が怯むと思うなっ!」

前にも感じた異常な殺気が勇那から溢れている。

「仮りにもアダトリノ王を怯ませた殺気なんだがなっ!」

「その倍は持って来い!」

魔法もスキルも関係無い。ただの純粋な斬り合い。

「埒が開か無いな!」

「同感だっ!」

勇那が後ろに下がった。

「さっさと決めてしまおうっ!」

「勝つのは俺だっ!」

無白に鞘に収められていた大量の闇が勇那の周りを漂う。ジュワユーズを4メートルくらいにする。

「無白っ!」

「ジュワユーズッ!」

高密度の闇の突き、大質量の鉄の塊の振り下ろし。

「勇人ぉぉぉーーーーっ!」

「勇那ぁぁぁーーーーっ!」

衝突して、拮抗した。

「貫けえぇぇぇーーーっ!」

「潰せえぇぇぇーーーっ!」

ガンッ!

「ちぃっ!」

「くそっ!」

お互いの剣が場外まで弾け飛んでしまった。

「まだだっ!」

「ああ、まだだっ!」

まだ、剣は無くたって拳が残ってる。

「どうした、フラついているぞ」

「冗談、フラついてるのはお前だろ」

顔面を殴ったら腹に膝蹴りを食らった。

「倒れてる暇があるかっ!」

「倒れてやったんだよっ!」

倒れてる所にマウントポジションを取られたから下から強引に殴ってやった。

「女の顔にやってくれるっ!」

「嫌ならシッカリガードしてろっ!」

一方的に殴られたが、止んだ瞬間を狙って巴投げの要領で後ろに投げる。

「くっ!」

「今度は俺の番だっ!」

ノロノロと立ち上がった勇那の腹にタックル。

「調子に乗るなっ!」

「ガハッ!」

背中に肘を落とされた。クソッタレが!腰から持ち上げて頭から後ろに落とす。

「グウッ!」

「へへっ!なっ!」

倒れてるくせに俺の足を絡めて転ばせてきた。

「油断大敵だ」

「お前がだっ!」

またマウントポジションを取られる前に離れて立ち上がる。

「逃げるのだけは得意な様だ」

「逃げたんじゃねえよ」

拳が重い。鎧の破片が邪魔だ。呼吸が安定しない。それでも、

「しつこい男だ」

「お前だってしつこいだろうが」

いい加減倒れろ。

「そんなだから童貞なんだ」

「関係無いだろうがっ!ゴホッゴホッ!」

「この戦いの決着がからかわれて咳き込んだでは情けないな」

「そんなショウもねえ終わりにはしねえよっ!」

「来いっ!」

拳を振るう。避けられて腹に食らった。お返しに膝蹴りを入れた。

頭突きで脳が揺れた。お返しに頭突きしてやった。俺も脳が揺れた。

遠い。おい、離れてんじゃねえよ。まだ終わってねえだろ。もっと近くに来い。

やっと拳が届く距離だ。殴る……あぁ?手が上がらねえ?ならまた頭突きだ。

「この、乱暴者がっ!」

頭突きされた……まだ、俺だって……あ、目が見えない…暗い…………



Side:女勇者

体が重い……腕が上がらない……視界がボヤケル……勇人が遠い……兎に角、攻撃する……腕は、上がらないなら他だ……他……頭を使え……腕も足も動かない……ならどう攻撃すれば良い……考えろ、頭を……頭……頭突きだな!

遠いっ!勇人め、逃げるなっ!私達の戦いは、ここで決着を着けねばならないんだっ!

届く、今なら、

「ガッ!」

先手必勝と言う訳か。先に攻撃するとは、ならばお返しだっ!

ゴンッ!

どうだ、やってやったぞ、そのまま後ろ向きに倒れてしまえ、倒れろ倒れろ倒れろ倒れろ倒れろっ!

倒れないなら、倒すまでだっ!

ふっ、ようやく……倒れた、な……これで……私の…………



Side:女B

『両者ダウンッ!最後の最後で勇人の頭突きのお返しとばかりに勇那が放った頭突きで倒れるかと思われた勇人の根性溢れる我慢を勇那が押し倒す事でダウンに持っていったが、自身もダウンしてしまっているっ!このまま両者立ち上がらなければ引き分けと成ってしまうぞっ!』


もう、それで良いわよ。それなら、誰も悲しまない……

「……勇人さん、立って」

「……勇那立つのじゃ」

リリーにロザリーちゃん?

「引き分けなんて論外だ。どちらかが勝たなくちゃ、ここまで戦った意味が無い」

ジルまで……

「勇那様は、負けません!」

「勝つのは、勇人だ」

「魔王様に、勝利を!」

テッタまで、切り込み隊長にとって勇那は敵でしょうに……

「そろそろ、起きるみたいだよ」

どっち?起きるのは、どっちなの?

あ、勇人が……

「勇那様ーーっ!」

ドカッ!

……え?

「私は、負けない!」

勇那っ!


『おおぉぉぉぉぉーーーーーーーーっとおぉぉぉぉぉぉーーーーーーーー!!!誰もが勇人が勇那を押し退け立ち上がり勝利するだろうと確信した所で勇那が覚醒っ!

勇人が起き上がれないように止めを刺して勝利の栄光をもぎ取ったーーーーーーーーーーっ!

魔界とユビキタスのサバイバルゲーム!今ここに!魔界の勝利で幕を閉じたあぁぁぁぁーーーーーーーっ!!』


……勝った、の?

「……イトハ、わらわは……勝ったのか?」

「……負けた、ね」

「勇那様に勝てる者など居ませんっ!」

ははは、エルーダ、スゴイわ~

「負けちゃったね」

「仕方ねえさ。俺達は部外者だ。最初から、出来る事は精々誰もが納得する結果を出せるように手伝う事だったんだ」

「……そうだね」

クリス達……確かに、ユビキタスの人間でも、魔界の魔族でもないけど……

「もう、しんみりしないのっ!ユビキタスは負けたかもしれないけど、ここまで戦えるって証明したんだから和平は結べるわよっ!でしょ?リリー」

「うむ。そもそもわらわが場外に成った時点で、和平を結に足る力は示されたのじゃ。じゃから、今は、2人の治療が最優先じゃっ!」

…………そうだったーっ!!

「ヘレシア!」

「う~、私だって疲れてるのに~」


『これで本日のメインイベント、魔界対ユビキタスのサバイバルゲームは終了だっ!観戦に来てた観客共、今日は無礼講だっ!

飲んで、食って、自由に騒ぎまくれっ!!!』


やっと、終わったわね……


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