男Aの報告
魔王「とくと見よ!これがグダグダ駄文の最高峰じゃ!」
女B「スゴイ事言うわね」
作者「自覚はあります」
Side:男A
リシルさんの店で巫山戯ているとお昼に差し掛かっていた。ギルドの方に顔を出すよう赤ヒゲに言われているのでそろそろどっかで飯にしよう。
ロザリーを助け出した後行ってみたら戦ってる時にギックリ腰に成ったと聞かされた。頑張りすぎだ。年を考えろ。
まぁ、ロザリーの事がそれ程大事だったのだろう。殆ど娘と変わらない扱いしてるからな。
「ロザリー、そろそろお昼にしよう」
抱き締めてたのを少し緩めて声を掛ける。
う~ん、ロザリーが俺を抱き枕にするの少し分かるな。何か温かくて気持ち良い。
「あらぁ~、もうそんな時間なのねぇ。私もお昼にしようかしら?」
「ジル~、お弁当お弁当♪」
「うん。どこで食べようか?」
「少年は料理が出来るのか?」
「うん」
「美味しそうねぇ。ちょっと食べてみたいわぁ」
「食べる場所提供してくれたら少しあげますよ」
「うふふ、交渉成立ねぇ。奥にいらっしゃい。ユウナちゃん達もどう?少しくらいなら作ってあげるわよぉ」
「ふむ。有難く頂こう」
「勇那様!?……うぅ…」
エルーダだっけか?本気でリシルさん苦手なんだな。
「料理手伝います」
「あらぁ、ありがとう。そう言えば料理は殆どジル君がしてるんだったわねぇ」
「ジル、料理上手過ぎるんだもん……」
拗ねちゃった?頭撫でながら店の奥に入る。最近は俺の方が身長伸びてロザリーよりちょっと大きくなっている。
ロザリーはちっちゃくて俺は大きいのかもしれない。
「仲良いですね」
「そうだな」
「私達も」
「撫でないぞ」
「まだ何も言ってませんよ~……」
「お前は分かり易いからな」
充分仲良いだろ?てかこれから勇者の事なんて呼ぼう?何でもいいか。
店の奥の居住スペースには4人用のテーブルと椅子が有った。
リシルさんは奥から椅子を持ってきた。
「じゃあ、3人分だけテキトーに作りましょうかぁ」
「はい」
30分程で完成。スープと軽い炒め物にしておいた。調味料で簡単なソースを作って炒め物にかけたから物足りなさは無いと思う。
ロザリーは気まずいのかずっとキッチンに居た。そりゃ自分を誘拐した人と一緒に居るのはキツイよな。
俺の料理は相変わらずこの世界の人に好評なようでリシルとエルーダは食べ終わった時もう少し食べたいと言い出した。今後アンタ等に作る予定無いぞ?
「……君達は此の後どうするんだ?」
何か勇者が暗い、とゆうか悩んでる?
「ギルドに顔出してから帰る」
ちょっと素っ気無い感じで返事しておく。一緒に行っていいかとか言われたら堪ったもんじゃ無い。
「そうか……少し時間を貰えないか?話が有る」
断りて~。別に興味無いし。
「……いいよ」
はぁ~、ロザリーがそう言うならしょうがない。
「良いよ」
「そうか。有難う」
エルーダが暗い顔してるのが印象的だった。
ギルドに顔を出してユビキタスからの依頼を聞いた……少し前に一緒に仕事した隊長、シスター、狩人の推薦で面倒な話が来ていた。
…………面倒臭い……でも報酬高い…………ロザリーが乗り気だし受けるか……
勇者達はギルドに登録してるらしく受付の人に頼んで奥の個室を貸してもらった。
ちなみに男達から値踏みするような、舐め回すような視線を受けた。気持ち悪っ!
気を取り直して対面式のソファにロザリーと並んで座る。俺の正面には勇者が座った。
どうでも良いが、その猫触らせて。めっちゃ可愛い。
「ふぅ……最初に言っておきたかったんだ。済まなかった」
は?何の話だ?
「私がアダトリノ王の命令を拒否していればこうは成らなかった。君達を巻き込んでしまって済まないと思っている」
あ、その為に呼ばれたのか。正直どうでも良かった。
「アタシは……ジルに隠しゴトしなくてよくなったから、気にしてないよ?」
「……有難う」
う~ん、俺の事話しておくべきかな?別にどっちでも良いんだろうな。
「ロザリーちゃん……」
エルーダが何か感動してる。
「さて、話も纏まった所で、アダトリノのその後を話しておくよ。知らない事も結構有るでしょ?」
「ああ、頼む」
「主要な貴族の大半が死んだアダトリノは国としては機能出来なくなった。今は城に居たお姫様がどっかの貴族が治めてた領地で民の為に民主的な制度を考えてるみたいだよ。
ただ他の領地は他の国の管理下に置かれてるし、その領地も暫定的にユビキタス領に成ったよ」
「……そうか」
「あと、アダトリノ王が死んだ事で魔族を根絶やしにしようって強硬派は大分大人しくなったみたい。あの王様が実質的な強硬派のリーダーだったらしいよ。
ユビキタスの勇者を担ぎあげようって話も有ったみたいだけど勇人さんは穏健派な上強すぎる姫様とメイドさんが脇を固めてるから強硬派は手が出せないみたい。
それにユビキタスは近い内に勇人さんと姫様を魔界への和平歓談の使者として送るって正式に発表したよ。
で、問題はアンタだ」
実はその間に神祖に関しても保護法案が出たりしたんだけど話す必要は無い。敵なら戦うだけなんだから教える意味を感じない。
「……私が生きていると知られれば強硬派は動く、だな?」
「まぁ、当然と言えば当然だよね。勇者程分かり易い魔王を倒す存在は他に無いし」
「私がアダトリノ王を殺した事は一般にはあまり知られてないのだろうな」
「いいや、皆知ってる。でも、そんなのは『アダトリノ王は実は魔族と繋がっていた』とでも言えば良いだけだ。民衆に真相が話される事は無いだろうし、証拠も無い。デッチ上げる事だって簡単だ」
「……そうなると私は第3大陸から離れた方が良いな」
「うん。第2大陸のカラーズって国ならそれなりに人間の国とも交流あるから住みやすいと思う」
「そうか……それで、ここまで私に話した理由は何だ?君には何の利益も無い話だったと思うが」
「酷っ!そんなに利益優先に見える?」
「ジルだもんね~」
偶にロザリーって本気で俺の事嫌いじゃねって思う。サラっと俺の心抉ってくる。
「まぁ、聞いた所で何の意味も無い話だったな。私も貴族共に周りをうろつかれるのは鬱陶しい。素直に第3大陸を出よう」
「そうしてくれ」
これで戦争勃発の可能性が大分減ったな~。間違い無くギグの森が戦場に成るから人魔間での戦争は起こって欲しくなかったんだよね。
ロザリー的にはどっちも友達が居るからどうしていいか分かんなくて悩みそうだし。
あ、勇者の言う通り俺って利益優先だな~。利益の基準は普通と大分違いそうだけど。
さて、話も用事も全部終わったし帰ろう。