男Aは美幼児(美幼女)になった!
コイツが一番疲れます…
理由は次のコイツのターンで!
Side:男A
ぼんっ
「きゃっ!」
ガシャーン、パリンッ…
「うおぉ…ぐぅ」
こ、腰から落ちた…うぅぅ…この年でギックリ腰デビューは嫌だ。
ガチャガチャ…
ん?何か手元に細かくて硬いものが…ガラスの破片?…何故?
「うわぁ…人型だ…」
ん?女の子の声?
「うわぁ、うわぁ…」
お、やっぱり女の…裸に黒マントって…痴女?いやでも魔女の儀式とかってこんな恰好が普通って前に読んだことあるな…それにしてもこの子12、3歳かな…将来が心配になる御趣味ですね。
「うわぁ…どうなってるんだろ…」
あれ?この子どんどん近づいてきてる?待て待て待て待て!マントは首の所で止めてるしパンツも履いてるから致命傷ではないけどこれ以上近づかれたら危険だ。
「髪は…薄い紫、目は…空色?よく見えない…」
ヤベッ、見ない様に目細めてたのが仇になった。仕方ない…
「目見るなら服来てからにしてくれ…」
生憎俺はロリコンじゃないから7、8も下の子に欲情はできん。
「え…あぁ、女の子同士だし別に気にしないよ?」
「…俺は男だ」
「…え、まさか~………いやまさか………っ、きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!見ないで見ないで見ないで見ないでっ!」
おわっ、がはっ、ぐふっ、ごあっ…。
床に座ってた所「見ないで」の度に蹴りが飛んできました…。1発目は掠めただけだったんだが、あとの3発が全部腹に…息が…。あ、…真後ろの扉から出てった。…どうしよう…。
5分後
この部屋観察してみると怪しげな薬品みたいなのばっかりだな。実験室かなんかなのかね?
俺が落ちたのはガラスの容器だったらしく、俺が落ちた地点からガラス片がバラバラに吹っ飛んでいた。
怪我して無いのは女神様のおかげか?服装は死んだ時のままTシャツ、7分丈、ジーンズだが腕時計が腕の太さに合ってないので調整した…俺の腕細くなったな。でも見た目女にされてるみたいなんだよなぁ~。確認したら男だったけど。鏡は見当たらないから顔はお預け。ガラス半で顔見れないか鋭意実践中。破片小さくて無理そうだけど…
ん?ドタバタ音が近づいて来た。戻ってきたのかな?
バタンッ!
扉壊れそう…
「ハー、ハー…ふー、よし!どこも変じゃないよね!?」
何か魔女っ子みたいな服に着替えて戻ってきた…もしかして俺に聞いてるのか?…とりあえず頷いとくか。てかさっきの事は…向こうが忘れようとしてるみたいだし放置で。
「そう、よかったぁ~。で、君、何?何で人型なの?もしかしてあたしすっごく新しいゴーレム作っちゃった?ねぇ、どうなのどうなのどうなの!?」
めっちゃ興奮していらっしゃる。こっちは座ってるから覆いかぶさるようになるし…てか近いよ…息がくすぐったい。…ん?この子、目が宝石みたいに紅いな。光ってるみたいで目が痛い…光量抑えてくれ。にしてもスゲー綺麗な黒髪だな。ロングだし。これで歳が近ければなぁ~。
「ゴーレム?少なくても俺は生き物のはずだけど?」
そういや女神様が頑丈にしとくって言ってたからゴーレムなら条件に嵌るのか?
「え?ちがうの?いろんな薬混ぜて精製魔術発動したからよくわかんない薬とかができるはずだったんだけど。なのに爆発して出てきたのは君みたいな可愛い子だったし」
「……ん?…さっきから気になってたんだけど…鏡貸してくれない?」
「あぁ、うん、こっち来て。この部屋には鏡置かないようにしてるの」
扉の前で手招きしている。さっきは人の家だから動き回らずにこの部屋でじっとしてるしかなかったのだ。待ってくれてるし速くし、よ…う…
俺の背低くね!?この子145センチくらいだから俺135センチくらいしかないよっ!?
「どしたの?あ、そうだった。あたしは…ロザリーってゆうんだ。君は?お姉さんに自己紹介してごらん♪」
1人で驚愕の事実に絶望していたら勘違いさせてしまったようだ。てか急にお姉さんぶられても背伸びした子供にしか見えない。名前は…あれでいいか。
「…ジルだよ」
某ゾンビゲームのスターズなお姉さんから。だって好きなんだもん…名前男女関係ないし…
「…ふ~ん、よろしくねっ、ジル♪」
「よろしく」
気付かれたかな…まぁ、お互い名前に隠しごとが有るみたいだし突っ込んでは来ないかな?
「はい、この部屋なら姿見があるよ」
「ありがと」
さぁ~、別人な俺とごたーいめーん♪…虚しくなってきたし普通にしよう…
「でもどうして鏡何か見たがるの?自分の顔見た事無いの?」
「いや、何か身長低くなってるし女に間違えられてるしでちょっと確認しとこうかな~ってね?」
「え、じゃあ前は普通に男の子の顔だったの?」
「あぁ、そのはず」
女に間違えられるなんて6歳の時以来だよ。
「ふ~ん、じゃ、鏡オープーン♪」
観音扉式!てか2メートルくらいあるんだけどこの鏡!…何でこんな無駄にでかいんだ?
おっと、それ所じゃない!今の俺の姿を確認…
薄紫のちょい長いストレートヘアーに宝石みたいな薄い空色の瞳…135センチくらいの細みな体…きめ細かい肌に顎にかけて逆卵型の綺麗な輪郭と各パーツ…口や鼻筋はちょうどバランスの良いサイズ…
人形職人が己の技全てを注ぎ込んで作ったビスクドールならこうなるんだろう美少女がそこにいた。これが今の自分かと思うと…気持ち悪。ロザリーと比べても遜色ない美少女っぷりに全米?が泣いた!
「あれっ、どうしたの~?美少女だよ~?綺麗だよ~?」
困り顔でフォローしようとしているが寧ろ心を抉られた。お願いこれ以上は勘弁して…もうだいぶオーバーキルだからっ!
「え~と…ゴメン…」
グハッ!
もうやだ…シクシクシクシク…
ようやく一周した…