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神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
その時、歴史が動いた?
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女Aは頑張る

Side:女A

ようやくアダトリノ見えた!

速くロザリーちゃん助けてあげなきゃ。でないとホントに殺されちゃう……

アダトリノ首都の門の前に着いたら見張りの人がいるはずの所に誰もいなかった……何で?

「……見張りも付けずに門が開きっぱなし?」

「何か有った様です。お気を付けて」

「ああ。ロザリーちゃん助けに来てるんだ。気を引き締めていこう」

「うん!絶対助けるんだから!」

万全の準備して私とフレイヤ姫とメイドさんと勇人君の4人で先にアダトリノに来た。他にも数十人の兵隊さんが来るけど、それはもう少し先。

結局シオン君は来なかった。

きっとどうしていいか分からないんだと思う。

ロザリーちゃんとジル君のコト、妹と弟みたいに思ってたのにロザリーちゃんは神祖で、神祖はシルフが迫害された原因で、でもロザリーちゃんが殺されるのは嫌で……

頭の中グチャグチャに成ってるんだと思う。今はそっとしておこう。

だから、せっかくシオン君がオリハルコンから作ってくれた弓は置いてきた。

あれはシオン君とか村長さんとかお母さんを守る為にしか使わないって決めたから。

最近あの弓しか使ってなかったから普通の弓はちょっと不安。でもそんなコト言ってられないから、今は進むだけ。

「……おかしい」

「城門の前に兵が居ない……如何なっているのでしょう?」

「……今は好都合だ。速く王様の所に行こう」

「そうだよね……何だろう?」

門くぐる時に何か水っぽいモノ踏んだ…………血?

「なっ、なっ、なにこれ!?」

「血痕……それも真新しいですね」

「点々と続いてるぞ……城に向かってる?」

どうなってるんだろう?

「…………もしかして、ジル君?」

「可能性は有りますね。彼なら不意打ちで4人くらいなら1度に倒せます。ですが……」

「相手が動ける余裕は与えない筈、だね?」

「そうです。彼なら相手が動けないよう電撃を使うと思います。ですが現実には血痕が残っている」

「……ジルくん以外の誰かがやった?」

「はい。可能性としてはそちらの方が高いかと思われます」

「……急がないとマズいんじゃ…」

「そうだね。王の部屋は多分上の階だ。急ぐよ!」

フレイヤ姫を先頭に王様のいる場所を急いで探してたらあちこちで死体と倒れた兵士を見つけた。

……気持ち悪い……

でもこれでジル君じゃないって分かった。あの子はわざわざ人を殺さない。その前に倒せるから殺す必要がない……と思う。

ロザリーちゃんが何かされてたら多分容赦無く殺しているかもしれない……

「やっぱりボウヤじゃないね」

「……どうしてわかるの?」

フレイヤ姫は確信したように言ったけど、何で?

「ボウヤなら殺す相手を区別しない。少女が何かされたら城の人間は1人残らず殺す筈だ。だが実際殺されてるのは貴族ばかり。その貴族の中にも殺されてない者が居た。犯人は殺す相手を選んでるよ」

「ジル様は差別しません。ロザリー様以外の他者に対して平等です。殺す殺さないを分ける事は無いと思われます」

「……スゲー評価だな」

「言いたい放題だね…あ」

ひときわ大きい扉だ。王様あそこかな?

「お、クリスは目が良いね。流石森の民だ」

「そうかな?それより速く行こっ!」

王様にロザリーちゃんの死刑止めさせなきゃ!

「これか?」

「そのようだね」

「突入します。気を抜かないで下さい」

「うん!」

待っててよ王様!


扉が開いていく。少しずつ見えてきた扉の中は結構人がいるように見えた。

「ユビキタス公国公女、フレイヤ・ユビキタスだ!アダトリノ王に話が有る!」

「…………お前、勇那か?」

30人くらいの騎士に勇那と誰か知らない人が囲まれてた。雰囲気的には一触即発……どうしよう?

「ふぅ、見知った顔ばかりだな。4人中3人は知り合いか」

「……勇那、彼らは?」

「今名乗っただろう。ユビキタスの者達だ。大方神祖の少女を助けに来たのだろう?」

勇那が綺麗なお姫様っぽい人に私達を紹介してる。でも随分テキトーな紹介だった。

「そうだ。あんたがアダトリノ王か?」

「いかにも。貴様がユビキタスの勇者か?」

「そうだ。ロザリーちゃんの死刑を取り下げろ!そしてあの子を解放しろ!」

「ふん。何を言うかと思えば、その様な事。そもそもロザリーとは誰の事だ?」

「あなた達がギグの森で誘拐した女の子のコトよ!知らないなんて言わせないわ!」

ここまで来て知らないふりする気!?

「ああ、あの神祖の化物の事か。まさか化物を助ける為に一国の姫が動くとはな」

「誰が化物だ!」

「ロザリーちゃんはただの女の子よ!」

化物呼ばわりされるような子じゃないよ!!

「小娘1人に熱く成るな。処刑は止めん。あれは人の世に害成した者の末裔、殺すしかあるまい」

「あの子は何もしてないだろ!あんたが神祖って種族を嫌いだから殺したいだけだっ!」

「お互いにそろそろ平行線だと気付いたらどうだ?お前達の話し合いは永遠に終わらないぞ」

勇那がいきなり話を切った。

確かにこの人と話してもロザリーちゃんの死刑は変わらないと思った。この人は誰の声も聞こうとしない。

話し合いもただのポーズだと思う。

「ふん。無能な勇者が知った様な口を。剣を持て」

王様がそう言ったら近くの兵士が鞘に収まった丸みのある剣を渡した。

鞘は豪華だけど、そこから引き抜かれた剣は実用性のみを追求したような、飾り気の無い突く用のランスみたいな剣だった。

太いレイピアみたいだった。王様の燃えるような赤髪が揺れる。

「グレゴリウスに昔作らせたのが役に立つ。ここ7年ほどは暗殺者すら物足りなかったくらいだ」

「グレゴリウスのオーダーメイドか!」

「フレイヤ姫、何の話?」

「ギグの森に住む、世界最高の武器職人の作った武器だって話さ。気を引き締めるんだよ。多分、勇人やボウヤと同じくらい強い」

……今、勇人は剣技だけならフレイヤさんよりちょっと上だって聞いた。ジル君も接近戦なら相当強いってメイドさんが言ってた……

王様なのにそのくらい強いって……しかも暗殺者じゃ物足りないって……

「ふん。小僧と小娘が束に成った所で何が出来る?近衛兵、攻撃用意!」

勇那とお姫様を囲んでた兵士たちが槍を突き出すように構えた。

「お父、様…」

「自分の娘すら排除する気か」

なっ!自分の子供まで殺すってどういうコト!?

「行かしておく必要が有るか?否、断じて否!我が娘とてここまできては逆族の一味と変わらん」

「ふぅ、だから貴様に玉座は相応しくないのだ。

終わらせよう。私と貴様の、半年に渡る無意味な睨み合いを」

勇那の言葉で私達も武器を構える。

この人は、ここで止める!!

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