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神様の暇つぶし  作者: けんしょ~
その時、歴史が動いた?
102/140

男勇者の友達

ちょっと短めです

Side:男勇者

「勇那はこの後帰るのか?」

庭から城内に戻ってきた。

「いや、ギグの森に用が有る。貴族達は騎士団の護衛付きで国に帰り、私は残りの騎士と共にその用を済ます」

何の用だろうな。あんま詮索するのも悪し聞かないでおこう。

「ギグの森か。俺の知り合いがいるから会えたらヨロシクって言っといてもらえない?」

「ん?分かった、会えたら伝えよう」

「ジル坊達の事か?」

「ロザリーちゃんにも会いたいね♪」

お、シオン達も来たか。

「その2人が知合いなのか?」

「ああ、俺達の知り合いなんだ。ジルくんって男の子とロザリーちゃんって女の子だよ。ギグの森で2人で暮してるんだ」

仲良くしてるかな?あの2人なら平気か。

「新婚さんみたいだったよね♪」

「ジル坊の方が年下なのにシッカリしてたよな?」

「だが考え方は子供だったね」

お、フレイヤも来たか。

「子供と言うが、幾つなんだ?」

「ロザリーちゃんは13歳でジル君は10歳だったよ。ジル君は料理上手だったな~」

「でもジル坊の考え方はかなり極端だったよな。『自分の大切なモノ以外はどうでも良い』って感じだったし」

「お前達から見てもそうだったか」

確かにそんな印象受けたな。ロザリーちゃん以外は割とどうでもよさそうだったし。

「随分な言われようだな。そんなに酷いのか?」

「ああ。だからって冷たいとかじゃなくてな……諦めが良いとか冷めてるって感じだ」

「成熟している訳ではないのか?」

「違ったね。本当に興味が無いって感じだった。1週間くらい一緒に居たけどとても子供らしくないと思ったよ。あ、料理や服は独創的な物を作ってたね。今日出てたピザの味付けなんかはレシピを貰ってきたやつだしね」

そういやメイドさんがいくつかレシピもらってホクホクしてたな。無表情だったけど。

「あのピザの味付けか。確かに独創的で面白い味付けだった。味も悪くなかった」

「ジル坊の着てた浴衣も面白かったよな。服飾都市クロスで買っちまった」

「俺達は作ってもらったな」

「ええっ!ズルイよ!」

「……浴衣だと?」

「ああ。ジルくんが着やすい服を作ろうとしてできた物なんだけどな、俺達も世界の浴衣とほとんど同じだったんだ」

流石にジルくんの事は話せないな。

「この後クロスの者が新しい服として発表するから黙っておくれ。とは言っても城の者でも何名かは私らが持ってるのを知ってるんだがね」

「了解した。しかし私も1着くらい欲しいな。向こうでは稽古の時に袴だった事もあったしな」

剣道でもやってたのか?

「袴って何だ?」

「ああ、私が向こうの世界で修練していた武道の稽古着みたいな物だ。浴衣に多少似ている所が有る」

シオンの疑問も当然か。俺以外は袴なんて言葉聞いた事もないだろうしな。

「どうせクロスで出来た服って流通するんだろ?ならその内手に入るだろ」

「そうか。ではアダトリノに流通するのを楽しみにしていよう」

どんだけ欲しいんだ?

「でも森での狩には向かねえよな」

「そうだよね~。あちこち引っかかっちゃうよね」

「ボウヤは普通に狩の時も浴衣だったよ?」

「「……え?」」

「そう言えばそうだったな。袖が引っ掛かるんじゃないかと思ったけどそんな事無かったし」

「……どう考えても引っ掛かるだろ」

「……相変わらず謎だね」

てかさっきからジルくんの話しかしてないな。

「それにしても、勇那って剣道か何か習ってたのか?修練してたって言ってたし」

「ああ、近所の道場で習ってた。木刀を使った実戦風の稽古もしていたな」

「その口ぶりだと元々は実戦風じゃないのかい?」

「そうだ。私達の居た世界では実戦風の剣術は少なく、剣道と言う試合の為の武道が一般的だった」

「そうなんだ。スッゴイ戦い慣れてるみたいだったよ」

「こちらに呼ばれてからは城の者と実戦の稽古をしていたし、魔獣や獣の討伐なんかもやっていたからな。実戦には事欠かなかったんだ」

「あ~、俺も何回か討伐するために城から離れたな」

「そうなのか。勇人は武道は此方に来てからなのか?」

「ああ。向こうじゃ殴り合いのケンカもほとんどした事無いよ」

「その割に良い動きをしていた。才能が有るのかもしれないな」

「そうかな?」

「あんまり煽てないでおくれ。直ぐ調子に乗るんだ」

「ヒデエ!」

そんな調子に乗らねえよ!

「勇人、止めとけ。女に口喧嘩は分が悪い」

「シオン……そうだな、勝ち目薄いよな……」

俺の見方はシオンだけだ……

「そこっ!男の子同士で怪しい雰囲気作らない!」

「な?」

「おう」

ただ友情を深めてただけでこの扱い。やっぱり口じゃ女性には敵わないな。

「ちょっ、シオン君!?ダメだよ!男の子同士なんてオカシイよ!恋愛は普通に男の子と女の子でするべきだよっ!」

へ?

「待て!俺達はそんなんじゃねえ!勇人は友達として慰めてただけで俺はノーマルだっ!」

「勇人、城の女を落とすだけじゃ足りないのかい?それでも招待客の男とそうなるのは人としてどうかと思うんだ」

「男女見境無く誑し込もうとするとは、私も気を付けなくてはな」

「「誤解だーっ!」」

もうやだ。早く終わってくれ……


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