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REGALIA FLAME  作者: ふんころ
アルメリア編
12/15

ドラードの新人


補給場の乾いた大地が、ふたりの魔力のぶつかり合いに震えていた。


「あわわわわすみませんっ!!! そのまま倒れてくださぁい!!!」


 マルメリの悲鳴に近い叫び声が、ルナの耳を切り裂く。


「え、ええっ!? 私に向かってくる!?」


 返答を待つ暇もなく――マルメリと呼ばれる少女が地を滑るように急接近してきた。

 その掌に収束する光――丸く脈動する“気弾”が放つ熱気が、ルナの頬を焼くほど強烈だった。


「ちょっ……は、速――っ!」


 放たれた瞬間、ルナは本能で身をひねった。

 気弾がかすめた空間が爆ぜ、背後にあった大岩が粉砕される。

 破片が雨のように降りそそぎ、ルナは息を呑む。


「わ、わ、私の魔法は……っ! 超接近型……爆発魔法ですぅ!!!!」


「だから!!聞いてないのよそんなのぉーーっ!?! ひゃぁっ!?……で、でも……!」


 泣きそうな表情なのに、その接近戦の技量は素人ではない。

 いや、動きの鋭さは一級品だ。

 ただ――体の軸、重心、踏み込み。

 ルナは一瞬の中で判断する。


(――格闘技は……してない!!)


 その確信に、胸の奥が熱く跳ねた。


(メイビス家の英才教育――舐めないでよね!!!)


 ルナは砂塵を蹴り、迫る光弾の軌道へ滑り込むように身を低くした。

 拳を握ると、メイビス家特有の呼吸法が自然と体に満ちていく。


 すぐ近く、別の方向では――


「このキリル様がお前の相手をしてやろう! 木の棒持ってるヤツ!」


「あーはいはい。とりまどっかいって。」


 アイクスは鬱陶しげに片手を振った。

 それだけで、彼が携えていた一本の木の棒がうねりを上げる。


 瞬間――乾いた“パキン”という音とともに、棒が巨大な樹木へと成長し、まるで巨人の腕のようにキリルを薙ぎ払った。


「うおおおおおああああああ!?」


 キリルは宙を舞い、土煙の向こうへ吹き飛ばされる。


 しかしアイクスは休むことなく、次々とストックしていた木の棒を地面へ投げ込んだ。


「行け――」


 その声を合図に、地を割って生え上がる無数の木々。

 乾いた土地に一瞬で“森”が形成されていくさまは、圧巻であり、どこか神秘的ですらあった。


“木々の喜悦ソウル・ジョイ


 命を吹き込まれたかのように樹々が揺れ、意志をもつ生き物のようにキリルへ殺到する。

 その力に巻き込まれ、キリルは再び吹き飛ばされる。


「ぐっ……ははっ……!」


 だが、男は逆境でも笑った。

 服は裂け、身体は土まみれ。それでも――その瞳はぎらぎらと輝いていた。


「はっはっはっはああ!!

 この森の地こそ! 俺様の真骨彫よ!!!」


 キリルの周囲に風が渦巻く。

 魔力が濃く凝縮され、手の中で弓の形を成していく。


 光が線となり、線が矢となる。


 狙いは――アイクス。


「さあ見せてやる!!

 “正義の一線ジャジメントアロー”!!!」


 放たれた瞬間、空気が裂けた。

 矢の軌跡は稲妻のように森の中を走り、直線の閃光はアイクスへ真っ直ぐ突き進む。


 森が爆ぜ、木の断片が四方へ飛び散った。




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