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第2話 サメとタコその4

 すかさずイザベラはクロヱに手を向けた。クロヱは持ち前の身体能力で攻撃をかわすが、それが精一杯だった。前の攻撃でひるんでいたアランは、自らの頬を軽く叩いて、気を引き締めた。視線を上げるとクロヱの戦っている様子を見て、すぐさま応戦した。アランは体勢を立て直し、イザベラに向かって駆け寄った。しかし敵の船長はその動きを読んでいたかのように、わずかに体を傾け、アランの攻撃をかわした。


「そんな単調な動きじゃ当たらないよ」


 イザベラの言葉に続いて、彼女の拳がアランの胸に突き刺さった。その衝撃でアランは再び後方へ吹き飛ばされた。一方でクロヱは冷静さを保っていた。彼女は敵の動きを注視し、次の攻撃を予測しようとしていた。イザベラの戦い方には何かパターンがある——クロヱはそう感じていた。


「あら、あなたは違うわね」イザベラがクロヱを見つめ、笑みを浮かべた。「目が良い。でもそれだけじゃ勝てないわよ」


 クロヱは応えずに、静かに距離を詰めた。イザベラが手を振り下ろすと、クロヱは一瞬早く左へ回り込み、敵の脇腹に蹴りを入れたが、イザベラはその攻撃もほとんど感じていないようだった。


「惜しいわね」イザベラが言った。「でも——」


 その言葉の途中、背後からアランが攻撃を仕掛けた。イザベラは咄嗟に身をひねり、アランの拳を掴んだ。アランが仕掛けたその隙を見逃さず、クロヱは敵の足元を狙った。


イザベラが一瞬バランスを崩した。


「悪くない連携ね」彼女は顔をしかめながら言った。「でも、まだまだ足りないわ」


 イザベラは驚異的な速さで体勢を立て直し、**両手を広げた。**そして、クロヱとアランの両方に向けて強烈な気の波動を放った。二人は防御態勢を取ったが、その力に耐えきれず後退する。


「なんだこの力は...」アランは息を切らしながら呟いた。


 クロヱは額の汗を拭いながら、冷静に状況を分析していた。彼女は悟った。単純な力では勝てない。何か別の方法を...。そのとき、クロヱは思い出した。マリンが出発する前に言った言葉。『必ず戻ると約束する』その言葉には何か意味があるはずだ。マリンは何かを計画している、クロヱはそう確信した。


「アラン!」クロヱは声をかけた。「もう少し時間を稼ぐ必要があるわ」


 アランは一瞬クロヱを見た後、理解したようにうなずいた。「了解だ」二人は互いに視線を交わし、息を合わせた。もはやこれは単なる力比べではなく、彼らの役割は時間を稼ぐことだと理解していた。イザベラは二人の様子を冷ややかに見つめていた。「おや?何か作戦? 楽しみにしているわ」クロヱはゆっくりと姿勢を低くし、アランは逆に高く構えた。二人は同時に動き出す——それは新たな戦いの始まりだった。


「来なさい」イザベラは挑発するように言った。「どこまで耐えられるか見せてもらうわ」


 空気が張り詰める中、クロヱとアランは真の戦いに入っていった。彼らの目標はもはや勝利ではなく、時間を稼ぐこと——マリンの計画が何であれ、それが実行されるまでの時間を確保することだった。クロヱが注意を引きつけ、その隙にアランが攻撃するという連携戦法だったが、長く続くわけではなかった。疲労の色を見せたアランをイザベラは見逃さず、渾身の一撃を腹にぶち込んだ。アランは数メートル飛ばされた。戦闘慣れしていないアランは、体が麻痺したように起き上がらない状態になってしまった。

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