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第2話 サメとタコその2

 手に持っていた剣を居合斬りのように構えた。自分の間合いに入ってきたことを察知し、抜刀と同時に早技で切りつけた。海賊たちは切られたことに気づかず突進し続けたが、$5$秒経たないうちに崩れるように倒れた。


 スタイルコピー『風間』によって写されたクロヱの太刀筋は冴え渡り、船に殺到する海賊たちを面白いように斬り伏せていく。しかし、その数はあまりにも多く、まるで終わりが見えないかのようだった。次から次へと来る海賊の手下たちにクロヱは嫌気がさしてきた。マリン船長か誰か、早く戻ってきてくれることを願うばかりだ。アクアとクロヱの連携港に戻ってきたアクアは、沙花叉が応戦している様子を見た。船は目立った損傷を受けていないようだった。


「沙花叉! 船の中はガーディアンに任せて、外にいる連中を先に倒すの!」その声が聞こえていたのか、沙花叉はすぐに船から降りてくれた。「状況は?」アクアが尋ねる。


「何人か倒した。船には傷はないと思う。そして、先ほど中にいたやつも倒して海の中に落とした。」


 その報告を聞き、アクアはひとまず安心した。仲間の力量が未知数だったため、どのように連携を取るべきか迷いがあったからだ。ひとまず、敵の船長以外を優先的に倒すことにした。


「沙花叉、いい? 今はマリン船長が来るまで持ちこたえるの。少しでも負担を軽減させるのよ。分かった?」


 沙花叉は頷いた。今のところ敵の船長らしき人物は見当たらない。残りの残党を片付ける。アランにはすでに船長を呼びに行かせていた。


 アランの仲間集めアクアに船長を呼んで来てほしいと言われ、アランはビーチに向かって走った。ビーチは観光客で賑わっていた。アランは周りを見渡しても、船長の特徴的なルビー色の髪は見当たらない。とにかく周りの観光客たちに片っ端から聞き込みをした。一人のライフセイバーによると、子供を連れて服屋に入っていったらしい。例の服屋にアランが赴く(おもむ)と、サメの形をしたオーバーサイズのパーカーを着ている少女と、その子の服の会計をしているマリン船長の姿が見えた。


「せ、船長、何しているんですか?」


「あ〜新しい仲間よ。紹介するわね、がうる・ぐらちゃんっていうの。ビーチに誰か強いやついないか探してたら、突然海から裸で出てきてね、びっくりしたの。だから近くにある知り合いの店で服を買ってあげたのよ。(それで多分魚人族ね)」


 マリン船長は耳打ちでアランに教えた。魚人族は海に生息することがほとんどであり、長距離を泳ぎ切るスタミナと、深く潜っても押しつぶされない強靭な皮膚を持つ種族である。見分け方はヒレや尻尾があるかどうかで見分けるくらいしかない。アランが下を見てみると、魚の尻尾のようなものが生えていた。


「こいつを仲間に加えるのは大丈夫なんですか?」


「大丈夫よ。裏切るような感じだったら、私のスキルがあるし、それに私強いから。」


 すごい自信家であったが、アランはその言葉が本当か疑いたくなった。彼はマリン船長のことを、どこにでもいる貴族より少し上くらいにしか思っておらず、強敵に出会った時に本当に倒せるのか不安になっていた。


「で、呼び戻すのに何か理由があったんじゃないの? そうなんです、実は...」


 決戦の予感アクアと沙花叉の二人が残りの敵を10人まで減らした頃も、親玉はその奥から姿を見せる気配がなく、とても不気味だとアクアは感じた。簡単に倒せるからとでも思っているのか、別のところにいるのか定かではない。考えているうちに残り2人のところまで倒していた。ここまでくると、余程のことがない限り状況が傾くことはないと、アクアは確信した。呼吸を合わせて沙花叉とアクアは最後の$2$人にとどめを刺そうと近づいた瞬間、上から何かが降ってきた。


「私の部下が世話になったなあ。少し買い物したとたんにこれだ。どうしてくれようか。」


「部下の手綱くらいしっかり持ったらどう?」アクアが言い返す。敵の船長は鼻で笑っていた。


「自制心を重んじてるんだ。それで? あんたら2人で倒したのか。中々骨がありそうだな。船長がくるまでのウォーミングアップとさせてもらおう。」


そう言った一拍の後、敵の船長が()()を飛ばした。アクアとクロヱは、ユニークモンスターのユニコーンが目の前にいるような気迫を彼女から受けた。かなりの強者だということがうかがえる。二人は再び気を引き締めた。

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