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第2話 サメとタコ

 何もないまま2日が過ぎ、一行はシャッチーオーシャンポートに着いた。視界の端から端まで様々な船が点在していた。木製の古びた貨物船や、帆を大きく張ったフェリー、さらには漆黒に塗られた海軍の軍艦など、それぞれが異なる目的と物語を繋いでいる。


「さてこっから分かれるよ。私は仲間集め、アクアとアランは食料や物資の調達を頼む。ああそうだ、アラン、沙花叉を起こして船番することを伝えてくれる?」


 船長は即座にビーチへと向かった。アランは沙花叉を起こしてから向かうとのことで身支度を済ませ、市場へと向かった。市場は賑わいに溢れ、色とりどりの布を纏った商人たちの屋台が並び、人々を呼び止めるほどの大声で商品を売っている。アクアはその雑然とした雰囲気を押しのけ、熱を帯びた石畳が続く道を、行き交う馬車や人々と共に進んだ。


 アランとアクアは足早に必要な物資を買い求めた。保存食の干し肉、硬いパン、水の入った樽、そして薬草などを調達した。そして、物資の袋を抱えて港へ戻る途中、停船所で騒ぎが起きていることに気が付いた。港の先では、停泊していた海賊船からぞろぞろと現れた粗野な男たちがいた。剣を担ぎ、顔には好戦的な笑いを浮かべている。彼らは目につくもの全てを荒らし、周囲の船員や商人たちを無差別に襲撃していた。とにかく早く急がねば船が危ない。ガーディアンは侵入者排除の命令しかなく、船体が破壊されれば、なすすべなく今までの準備が水の泡となる。沙花叉が起きていることを願うばかりだった。


【少し前:クロヱ】


 アランに無理やり起こされ、意識がもうろうとしている中、通路を挟んだ反対側に、見るからに海賊船が停泊した。クロヱは物資の補給だろうと思い、再び眠りに就いた。その時、女性の悲鳴が響き渡った。その声はあまりにも近く、クロヱの眠気を一瞬で吹き飛ばした。慌てて外の様子を見ると、海賊たちが無差別に人々を襲っていた。今はこちらに向いていない。しかし、手当たり次第に襲っているため、この船に来るのは時間の問題だろう。クロヱはすぐさま甲板に上がり、敵を迎え撃つ準備を始めた。できるだけ船体に傷つかないようにするしかない。しかし、ガーディアンがどこまでやれるのか未知数である。最悪の場合、一人で対処しなければならないかもしれない。少しだけ頭を出して様子を見ると、一人の手下がすでに標的をこちらに向けていたことが分かった。


 この船に入る入口は一つだけである。そこに潜んで奇襲する方法しか思いつかなかった。元の世界から持ってきた銃の弾が少なくなっている。接近戦でどこまでやれるかは不明だ。本格的な戦闘員が相手なら、勝ち目はほとんどないだろう。手下が登り始めてきたことを察知し、クロヱは気配を押し殺し、機会をうかがった。


 「へっへっへ、ここはがら空きかなあ~?」相手の背中が見えたクロヱは、すぐさま首を絞めた。手下はもがき苦しんでいたが、力強く絞めつけられたため崩れ落ちた。身ぐるみ全てを剝がし、誰にも気づかれないように船から海に落とした。手下が持っていた剣しかなかったが、何もないよりはましだ。クロヱはそう自分に言い聞かせ、次の刺客を待つことにした。今のところ、全ての船を燃やす段階まで来ていない。このまま一人ずつ来てくれたら楽なのだが、異変に気づかれて一斉に来ると歯止めが利かない。敵から奪った剣を手に、クロヱは待ち伏せに入った。また一人、また一人と片づけていく。異変に気づいたのか、かなりの数の海賊が飛び込んできた。そしてその一人が怒鳴った。


「おい、そこの女一人この船に来たはずだが、何処へやった!」クロヱは沈黙を貫き通した。「答える気がないのなら殺すまでだ!!」剣を持っているが、クロヱはどちらかというと剣術よりも銃術のほうが得意だった。しかし、この状況で銃を使うのはもったいない。このままではやられると考えたクロヱは、仲間の力を使うことを覚悟し、相手に聞こえるか聞こえないような声で唱えた。


「スタイルコピー『風間』」

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