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新説三国志演義 シーズン1 黄巾の乱編  作者: 青端佐久彦
第四集
134/181

あとがき



 おわった。

 ようやく、おわった。

 書きたい部分も書けたし。

 ただちょっと今回はボリューム不足。まあ、外伝話集だし仕方ないよね。

 あと、第~集とかうたってシリーズ感出してるけど、その実、適当なくくりだからね。実はなろう小説とかでよくやってるみたいに全部一括で話を詰め込んだ方が良かったのかなとも思ってる。で、やってみたけど、開幕前とか入れたくて無理矢理第~集という形にした。そんな裏事情。

 でもまあ、書籍的な感じで区切った方が佐久彦のテンションもモチベーションも上がると思ったんです。実際、一冊分書き終えた時の達成感は凄いんですよ。

 とはいえ、今回はちょっと話数が少なかったかなぁ、と思います。ただ、今後も話数の少ない巻は出てくると思います。四幕構成の各幕6~9話、というのが基準です。五幕構成にしたり六幕構成にするのなら次の巻に回してしまうと思っていますが、実際どうなんですかね。その時の状況次第ですかね。

 プロット書かないのは変わらないので、多分四幕で区切って、次の巻が二幕で終わることに気づいて頭を抱えたりするんでしょう。その時のことはその時の佐久彦がなんとかしてくれるはずです。



 では、恒例の登場キャラクター数といきましょうか。

 ちなみにこれを数えるためにあとがきと終幕は別の週に掲載しているのです。

 えー、では発表です。

 登場キャラクター109人!

 名前だけの登場キャラクター52人!

 総勢、161人!!

 その内67人が新キャラです!! なんじゃこりゃ!!

 これ、過去編のキャラは新キャラとも個別キャラとも扱ってないからね。要するに、張曼成と伍史は同一キャラとして登場キャラの方にカウントが1加算で、新キャラには加算してません。

 それでこの数はちょっとヤバいですね。短編集だからキャラクター数が多くなるのは仕方ない。あと、過去編だから新キャラも多くなるのは仕方ない。でも、シリーズ通算五冊目にして三分の一が新キャラって………。

 しかも後々登場するならまだしも、新キャラの内49人はもう登場しないかしても死国志(エブリスタでの更新のみになった番外編)だし………。

 舞台装置のためだけに人を生み出すの、ホントなんとかした方がいいねこれ………。まあ、やめないけども。



 さて、次は作品解説ですね。

 とはいっても、今回は中方長十二人と大方長三人の過去話がメインです。

 何人かは匂わせておいたものです。特に韓忠とか。張曼成とか。趙弘とか。黄卲とか。

 匂わせてなかったけど頭の中に設定としてあった鄧茂、程遠志や管亥、張角張宝と馬元義や張梁と卜己。

 そして新しく考えたのが何儀、劉辟。

 波才は、まあ、特例ですかね。曹操の過去話みたいなものですし。

 ちなみに、劉辟あたりから意識して当時の後漢の人たちの生活についても詳しく書いています。………書いたつもりです。過去話+αがあるように、というのが九十幕~百四幕のテーマでした。


 馬元義のお話はその実黄巾誕生秘話の第二話ってところです。ちなみに第一話は二巻の終幕で張角が見ていた夢のシーンですね。


 鄧茂のお話は彼の過去と共に山海経という奇書の紹介、そしてそれに出てくる化け物の紹介をちょっとやりました。


 張曼成のお話は、皇甫規の物語の裏エピソードって感じですね。当時起った実際の事件の紹介も兼ねています。


 黄卲のお話は大きく特別感のあるお話ではありません。ちょっとした推理要素(どちらが黄卲となるのか)がありますが、それほど大きな要素ではないはずです。


 波才のお話は上で言ってるように曹操の逸話を紐解いたものです。曹氏、夏侯氏が揃いぶんでいますが、今後出てこないと思います。曹洪の曹操に対する複雑な心境がわかる小咄、となっていればいいなぁ。


 劉辟のお話は当時の金貸し屋である保役が出てきましたね。別に今後重要な何かがあるというわけではないのですが、せっかくなので、金融というシステムがこの時代にすでにあったのだ、ということを表現しました。


 卜己のお話は張梁の過去話に繋がる話です。桓彬は史実の人です。彼の身に起こったこともすべて事実です。とはいえ、卜己こと蔡雪からしてみれば宮中のできごとは縁遠いのでそこをぼかして、どちらかというと、自分を拾ってくれた大恩ある家の繁栄と没落を強調してみました。


 程遠志のお話しでは彼女の呪いの力のえげつなさとその半生、そして易学について少し触れました。当時、占いは立派な学問でした。医術が方技(一芸)として認識されていたのに対して、易学は最高学府でも多くの講師が研究を重ねていたところからもその重要度はわかります。今の日本人の思い浮かべる占いとはだいぶ違いますね。


 何儀のお話は食に対する探究心を神農本草経にちなんで紹介しました。ちょっとした中国神話の紹介みたいな形ですね。佐久彦も大学時代この話を講義で聞いて感動したものです。追及者っていうのはこういうものだよなぁ、と。


 趙弘のお話はちょっと特殊。この当時民衆に降りかかった災害に翻弄される村人のお話です。被害地区とかはまちまちだけど、それでも、大水からの蝗害からの旱魃からの鮮卑の襲来という地獄のような被害を受けた地区が実際にあったわけですから悲惨にもほどがあります。


 韓忠のお話は当時の役人の生活についてを強調しました。それと同時に韓金が実は本当に韓忠の子どもだった、という事実を示唆しています。正直、実は叙述トリックだったんだぜ、ってやりたかった。韓忠視点の地の文でしか韓忠に子どもはいないって断言させてないんだけど、ちょっと、というかかなりわかりにくくなってたので、ここでしっかりとその可能性を見せておかないと、韓忠の最期(予定)に影響が出るので………。


 管亥のお話は、遂に皇甫規先輩の登場です。あと、ちょくちょく出てきてた太学のお話。最高学府だけあって教室数とかの規模が物凄いというところをみんなに紹介したかっただけでした。皇甫規に認められた管亥が皇甫規の甥である皇甫嵩と戦い、皇甫嵩は師である管亥を打ち破るっていう展開を期待したのですが、思ったようになりませんでした。この黄巾の乱。細かい所はオリジナリティ出してるけど、予想以上に史実に忠実だからね。佐久彦的にもびっくりだよ。ここまで忠実になるとは。


 張梁のお話は卜己のお話で起こった事件の詳細です。そうして張梁は『上』を目指すために黄巾軍に参加することとなりました。しかしそれも最初だけ。0.5巻終幕で黄巾軍の基本方針を告げられた時には既に張角と共に進むことが彼の目標となっていました。


 張宝・張角のお話は黄巾誕生秘話の第三話と第四話です。これで、前漢の終幕から続いていた黄巾誕生秘話は幕を下ろします。



 百五幕~百十幕は皇甫嵩・朱儁周りの整数巻で書ききれずあぶれてしまったエピソードです。

 彭脱撃破戦と卜己捕獲戦ですね。

 史実に記載されているのですが、鉄門峡をどうしても二巻でやりたかったため、整数巻に入らず、少数巻であるこちらでやることになったお話です。


【皇甫嵩は(中略)、6月に西華にて彭脱軍を壊滅】

【黄巾軍の別働隊を破った王允】

【霊帝は豫州を平定したあと兗州東郡において卜己軍を打ち破った皇甫嵩】(Wikipediaより一部抜粋)


 黄巾の乱のページにおけるこの部分を小説化したわけですね。いやマジでこれしか書いてないんですよ。これをあそこまで膨らませたんですよ。バカですね。

 この辺りで皇甫嵩は叙勲されてたりするのですが、その辺りは入れ忘れというか、なんというか。多分第五集の頭でさらっとその辺りから始めることになるでしょうね。まだ修正可能で良かった………。


 百十一~百十六幕は少数巻限定物語の集まりでした。

 諸葛亮たち『村はずれの草盧』シリーズ。

 張繍シナリオのエピソード1に該当する『兄姉VS妹』シリーズ。

 未だに謎のヒロインである蓮花を中心とした『徐州の義賊』シリーズ。

 夏侯淵を慕う永花を中心として烏丸族の動向を描く『烏丸族』シリーズ。

 そこに陶謙の小咄と李典の小咄を挿入した形です。

 小咄に該当する話は明確な時間軸が存在せず、第三集の五十八幕から八十九幕の間で起きたできごと、と考えてください。第二集の小咄は第一集の一幕から二十六幕の間で起きた出来事です。シーズン0は第一集以前のできごとです。

 第一集、第三集、第五集は基本的に戦争や政治にちなんだできごとが、第二集、第四集はキャラクターの掘り下げが行われています。そのつもりです。まあ目安だと思ってください。そんな厳格に区別はしてないです。


 終幕はただの濡れ場です。息抜きです。イチャイチャです。ラブコメです。書きたかっただけです。作中で一番関係が進んだカップルとなりました。めでたい。

 周倉・玖等カップルも行為自体は済ませているのですが、こちらはまだ不安定なもので。



 さて、総括しての新説要素ですが、まずは何といっても黄巾軍の将たちの過去。ここまで黄巾の将を掘り下げた三国志も他にないでしょう。

 こだわるところがおかしいとは常々言われているのですが、人物から読み解く三国志、というのが隠されたコンセプトなので。

 そんな黄巾の各将たちの掘り下げの中でもとびぬけて新説要素となっているのが黄巾軍と五斗米道の関係ですかねー。

 これ、完全なる思い付きだったからねー。

 あとは、陽豊と楽進の組み合わせ。これはえーと多分、ちゃんと続けばシーズン5か6あたりで生きてくるはずです。具体的に言えばそれまでは出番がないので、小咄で活躍してくれるでしょう。


 佐久彦三国志の特徴として大きな軍団戦が少ない、というところがあげられるかと思います。

 これは意図してやっているわけではないのですが、佐久彦のキャラたちがなかなか野戦らしい野戦をしてくれないのです。特に皇甫嵩さんが『戦う前に終わらせる』とか『戦わずして勝つ』みたいな動きをするせいで後漢軍、ほとんど戦をしていません。遠征軍なのに兵を減らすどころか増やしやがったからねこの人ら。

 どうしてこうなったのか、不思議でいっぱいです。多分佐久彦の基本スタイルが皇甫嵩に乗り移ってしまったのでしょう。

 しかしようやく、軍団戦を起こすことができました。

 卜己VS伍瓊&楊密のコンビです。

 異能をうまく使って戦場を見る卜己を描写したかったのですが、冗長になりそうだったので、翻弄される二人をメインで書いてみました。

 でも失敗だったかなぁ………。


 あとは新設定としては特に目新しいものはないんじゃないでしょうか。多分。

 もちろん、武将個人レベルで見れば新解釈だらけというかなんといいますか。うん。ライトノベル三国志だからね。

 友人から『これ、変なキャラ設定つけなくてもここまで詳しくやるなら十分今までにない三国志ってことで面白いと思うんだけど………』なんて言われてますが!

 でもさ。ひとつのシーンに5~6人が登場して喋りまくる時とかさ。キャラ付けをしておくとわざわざ描写しなくても誰が発言したかを察することができるじゃないですか。そういう意味でもキャラ付け必要かなって思ったんですよ。

 その結果がこのカオス☆

 佐久彦は楽しいのですけど、皆さんは果たして読んでて楽しめているのでしょうか。ちょっと心配になりつつ、びくびくとしながら毎回アップしています。


 さて、あとはー………。

 実はエブリスタの作者呟きにて制作秘話とかキャラ設定とか語ってたりします。興味がありましたら読みにいってやってください。



 さてさて!

 いよいよ次は黄巾編最終巻。

 どれくらいで終わるかが未定ですが、戦後の叙勲式なんかも書いてみたいですね。あのキングダムでお馴染みなやつ。

 演義のキャラや史実でも生死不明のキャラなどは自由に動かしていくつもりです。

 『黄巾編』ということで、続きも書くつもりです。書くつもりだけど、黄巾編は10年構想を温めてたものでしたが、次のシーズンの話は特にしっかりと練っているわけでもないので、面白いかは不明ですねぇ。

 シリーズの続編は駄作っていうのはもはやあるあるですし。

 まあ、次のシーズンは短く終わるし箸休め的な感じだと思うので。無双でもステージに選ばれない程度の戦場だからね。えーと、確か、6だか7だかで呉のステージとして登場したかな。してたと思うけど、どうだっけかな。

 まあ、そんなわけで、キャラは練ってあります。展開はまだ練ってません。そんなだけど、いちおう、董卓とその周辺を主役にした物語になる予定、です。

 とはいえまずは目先の到達目標点!

 黄巾最終巻。

 新説三国志演義 三巻。

 近日公開予定―――!!

 乞うご期待!!!







2021年 1月 31日

2024年 5月 30日改稿

青端佐久彦

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