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新説三国志演義 シーズン1 黄巾の乱編  作者: 青端佐久彦
第一集
13/181

十二幕 救出大作戦



 雨が降ってきた。

 雨は都合が良い。

 襲撃を悟られずに近寄ることができる。

 (えん)(じゅつ)の配下の男だった。

 性を(えん)、名を(しょう)(あざな)()(けい)といった。

 容貌の暗い男で、なにやらぶつぶつと呟いている。

 「まったく、姫様にも困ったものだ。この私に何の相談もなく()(ちょう)を動かすし、あまつさえ、丁建陽の養子如きを策に取り入れるなど。ああ、まったく。姫様の周りは脳筋だらけだ。この様な時こそ、力ではなく、柔軟な知略こそが大切だというのに。知略といえば、この(えん)()(けい)であるというのに。ううむ。私には確かに足りないものがある。紀のように(えん)()縁の将というわけでもなければ、張のようなオカマでもない。足りないのはやはり、個性か」

 (((………いや、あんたもなかなか個性強いから)))

 ぶつぶつと呟く閻象に、周囲の兵が内心で突っ込む。

 「そもそもから言って、どいつもこいつも無能すぎるのがいけないのだ。なぜ私がこんな前線に出なければならない。それこそ、脳筋の出番ではないか。私には姫様の傍に侍り、姫様のために献策を行う役目がある。それが、それこそが私の役目のはず。それなのになぜ、ガキとデクとオカマなどという際物どもにその場を奪われ、尚且つ、危険な賊の捕獲任務などを任されなければならないというのか。所詮奴らなど、姫様におべっかを使うことしか能がないというのに」

 (((いや、そんなんだから、あんたは姫様に嫌われてんだよ)))

 遂には仲間すらこき下ろし始める閻象に、再び、兵たちの心の声が一つになる。

 「―――さて」

 しかし、不意に閻象の纏う空気が変わった。

 「下らぬ下賤の賊徒の末端も末端の諜報部隊を蹴散らすという、凡百の戦にも劣る仕事だ。お前ら。しくじるでないぞ」

 (((………コイツのために戦いたくねーなー)))

 「さぁ、行け。ここで武功をたて、次の策はこの閻智形が組み立ててやろう!!」

 (((………姫様のため。姫様のため。姫様のため)))

 「とつげ―――ぶべっ!?」

 号令をかけようとした閻象を、何者かが蹴倒した。

 「いやさ」

 閻象を蹴り倒したその影は、包囲中の長屋から出てきたものだった。しかし、誰も反応できない。

 「んな大声でベラベラ話しながら行軍してたら、そりゃ事前に気付けるって」

 包囲を完了する前に、調子に乗った閻象が口上を垂れ流したために、()(げん)()に脱出する時間ができ、更に、全軍に進発の号令をかける一瞬の隙をついて、包囲を突破する機会も与えてしまった。

 取り残された兵たちは慌てて反転しながら、皆、一様に思う。

 (((………だからあんたは出世できねぇんだよ!!!)))

 夜の逃走劇は始まったばかりだった。



 「ちけーはやはり失敗したか」

 袁術は俄かに騒ぎ始めた(らく)(よう)の一区画、(けん)(せき)の邸宅にいながら、その情報を掴む。

 「ならなんで任せたよ」

 呆れたように言う(てい)()の傍には、既に()(れい)(ちょう)(くん)もいた。

 「あれに捕らえられるなら、それまでの奴よ。さて、お主の主はどう動くかの?」

 袁術の視線の先には、口を半開きにした(とう)(しゅう)が転がっている。

 片腕を切断されていたが、止血処置は既に終わっており、意識も戻っていた。

 (ゲンギ様。ダメです。ダメ。もう私は捨て置いて下さい)

 袁術を強い眼で睨みながら、唐周はそう念じることしかできなかった。



 (―――さて)

 馬元義は裏路地に身を隠しながら思案する。

 (()(ほう)(りょう)()、―――唐周)

 彼らは、みな、生かされているだろうか。

 (それはないな)

 生かしておく理由がない。

 生きていたとしても一人だろう。ではその一人は誰か。

 (………オレはバカか)

 それが唐周であればいいなどと、一瞬でも思ってしまったことが、許せなかった。

 頭を振る。

 今は自分を責めている暇はない。

 仲間が生きている可能性があるのなら、助けに行かない道理はない。

 ただの仕事仲間ではない。家族なのだ。

 馬元義は通りを伺いながら、救出への算段を見出そうとした。



 「見失ったぞ、まったく」

 閻象はゴチる。

 兵は全員、賊の捜索に向かわせた。

 思い切り蹴られた頬が痛い。

 苛立たしげに自分の頬を撫でたときだった。

 「動くな」

 チクリと鋭い痛みが背中に走り、閻象はギクリと背筋を強ばらせた。

 「な、な」

 「余計なことを喋るな。聞かれたことにだけ答えろ。そうすれば、命は保証する」

 冷たい声に、閻象は自身の不明を悟った。

 兵は今、近くにいない。

 「主は誰だ」

 「ふ、ふん。バカめ。答えるとでもあぎゃあ!」

 馬元義は少し強めに短剣を閻象の背に刺す。じわりと閻象の背に血が滲んだ。

 「立場を理解しろ。主は誰だ。どこにいる」

 「そ、それを聞いてどうする!?」

 「案内してもらうのさ。仲間が捕まった。それを返してもらう」

 「バカな。案内などするものか!」

 「―――そうか」

 馬元義は、背に押し当てていた短剣を引くと、閻象の右腕を刺し貫いた。

 「あっぐあぁぁぁ!?」

 「兵を集めろ。そしてその内の一人の兵装を寄越せ」

 「………っ」

 なぜ、自分がこんな目に。

 閻象の目に涙が浮かぶ。

 しかし。

 「―――殺せ」

 閻象にも誇りがある。

 こんな低俗な賊に利用されるのを良しとするほど、彼の自尊心は低くはなかった。

 「―――」

 「ぎ、あぁぁぁぁ!!」

 再度、彼を襲う腕の痛み。

 「見上げた根性だ。その根性に免じて、簡単には殺さない。次は指を切り落とす。五本の指を一本ずつだ。その次は左手の指だ」

 冷たい声で淡々と言う。

 「こ、殺せ」

 「ああ、殺してやる。いたぶり尽くしてからな」

 「すぐに殺せ!!」

 「断る」

 「殺して下さい!!」

 「いや、言い方の問題とかじゃないから」

 「………」

 「じゃ、小指から「兵を集めるので止めて下さい!」早くしろ」

 閻象はボロボロと醜く涙を流しながら、従うしかなかった。



 (((………………)))

 無。

 集合の号令をかけられた、三十人の配下の兵たちは、無言で敵に捕まった自分たちの上司を見つめていた。

 「あー、そこの君。武装を解除して装備を私の後ろの者に渡したまえ」

 「えーと、隊長?」「つか、捕まるとかウケる」「いやさ、もうこれ隊長ごと斬らね?」「むしろ隊長を斬ろう」「俺らは姫様に仕えてるんであって、隊長に仕えてるわけじゃないんだが」

 「黙らんか!!」

 閻象がざわつく兵を一喝する。

 「下らぬ議論に時間を割くでない! 姫様はこの者を捕らえよと仰せだ。連れて行くのに違いはあるまい!!」

 「ちっ」

 「誰だ、今舌打ちした奴はぁ!!」

 一人、指名された兵が自分の装備を持って出て来る。

 「着せろ。妙な真似はするな」

 馬元義は、閻象に短剣を突きつけながら、その装備を身に纏った。

 着せている最中に、その兵は、

 「あんたこそ、これ以上、隊長を傷つけてみろ。ただでは済まないぞ」

 と、馬元義にだけ聞こえる声で呟いた。

 (なんだかんだで好かれてるのか、この男)

 少し驚きながらも、馬元義は閻象に先導されて、蹇碩の邸宅に向かった。



 場を、唖然とした表情が支配した。

 袁術の前には、予想に反した形で、馬元義が立っていた。



 「………姫様。仰せの通り、賊を捕らえました」

 「いや、捕らえられた、の間違いじゃないか?」

 「黙れ、紀!」

 「いや、あんたなんでそんな強気よ」

 紀霊が呆れながら、しかし、血にまみれた閻象の右腕に目をやって、顔を険しくする。

 「私にはできる限りのことをやった! 結果として、賊を連れてきたのだ。文句はあるまい!!」

 「………」

 「姫様。顔。顔」

 紀霊が半ば白目を剥いている袁術に声をかける。

 「おい、馬元義! もう、私を解放してくれても良いんじゃないか?」

 「ちょっと、閻さん、あんた口開くんじゃないわよ。あんたが口開くたんびに、姫様がブサイクになるわ!!」

 「姫様、顔。顔」

 ふう、と。

 吐息が一つ、聞こえた。

 「………っ!? あぁあぁああ!」

 気の抜けた空間に、唐周が顎の動かせない状態で叫んだ。

 ガイィィィィィン。

 金属のぶつかる鈍い音。

 丁布が獲物を横薙に振るったのだ。大鎌の『(おう)()』が画いた軌跡は、馬元義を、正確には人質として捕まっていた閻象ごと、馬元義を両断しようとしていた。

 「な、な、」

 「容赦がないな」

 その軌道を、借り物の剣で遮った馬元義は、そのあまりの威力に、顔がひきつるのを必死になって隠した。

 (右腕が―――死んだ)

 あまりの強撃に、右腕が痺れて動かせない。

 「まぁなぁ。第一に、おれ、そいつと面識ないし。第二に、敵に捕まって、主の下に案内するとか、殺されても文句言えないし。第三に、生き恥さらすのは、あんただって辛いだろ?」

 (―――なんだ、この子供は)

 馬元義は戦慄する。

 目の前にいるこの子供が、なぜ、官界にいるのかわからない。

 しかし。

 「殺すな、ほーせん」

 袁術の言葉に、事情を察した。

 (てい)(げん)の養子だ。

 丁と袁が手を組んだ。

 (そんな情報は、なかったぞ!?)

 「またかよ。そっちのおっさんと姉ちゃん? は良くておれは我慢かよ。約束がちげーよ」

 丁布はそう口を尖らせる。その態度は年相応だ。それがまた、恐ろしい。

 「これさ」

 丁布は大鎌で転がっている何かを小突いた。

 「あんたの仲間らしいな」

 それは、この部屋に入ってから、視界には入っていたものだった。しかし、頭のどこかで認識するのを拒んでいた。

 しかし、小突かれて、ゴロリと馬元義の方に顔を向けたのは、良く見知った二人の家族のものだった。

 (―――馬芳、―――梁宇)

 「やめんか。ほーせん。もうよい」

 袁術が止めるが、しかし、それが認識されてしまえば、もう、逃れようがない。

 「椿(しゅん)(ろう)どのよ。久しいの。覚えておるか」

 袁術が馬元義に声をかけてくる。

 「以前、仕事を頼んだことがあった。お主の腕は買っておる。こちらに降れ。そうすれば、生き残った娘の命は保証する。治療も行う。お主がこちらに降りさえすれば、じゃ」

 そんな事を言ってくる袁術を、確かに馬元義は見知っていた。

 以前、()(なん)(いん)になったばかりの少女から、領内の有力者の情報を求められたことがあった。

 (ちょう)(かく)からも打診はあった。あの袁術が動いているかもしれない、と言われて、どのような形で介入してくるのかと馬芳や梁宇も交えて話し合いもした。

 馬芳もそれとなく、袁術の動きを探ったらしいが、めぼしい情報は得られなかった。

 だから、『見』に徹するとの判断を下したのだ。

 現に、袁術が紀霊だけを連れて洛陽に来たのは一週間前の一日だけ。洛陽に入ったのも日増しに増える流民に紛れてのことで、更に入門手続きの際も偽名を名乗り、ボロ布を目深に被っており、洛陽に入ったその足で裏路地にいた。

 あの日あの時、あの場所で丁布と巡り会えたこと自体、事前に下調べをして、丁布が人浚いの組織を気にしているという情報を掴んでいた袁術としても、賭けだったのだ。あそこで出会えなければ、諦めるしかなかった。

 仮にあそこで丁布と巡り会えなければ、唐周を捕らえる役目は紀霊が担っていたはずであり、そうなれば、馬芳、梁宇を捕らえるのは張勲と閻象だった。

 閻象は武に秀でた男ではないので確実性に欠けており、馬芳、梁宇のどちらかを逃がしていたかもしれない。

 それでも、唐周が最後の鍵を担うであろうことを予見し、(りょ)(きょう)に文でもって指示を出して、あの特殊な邸宅に匿うことで戦力を分散させる。

 詰み直前まで洛陽潜伏組を追い込むことができる計算だった。

 しかし、詰みきれるかはわからなかった。

 そんな、ギリギリの綱渡りを行ったのだ。

 馬芳の情報網に引っかからないためにはそうするしかなかった。

 その綱渡りに敗れたことを、馬元義は知らない。

 (オレってやつは、どこまでも―――)

 己が不幸だと、唇を噛むしかなかった。

 しかし。

 それでも。

 ここで降るつもりは、

 「―――ないな」

 閻象の背中を蹴り飛ばす。

 丁布が嬉しそうに、唇を吊り上げた。

 「―――残念じゃ、椿郎どの。ほーせん、殺すな」

 袁術の言葉に、丁布は苛立ちを表すが、それを言葉にはできなかった。

 桜花を振るう。

 高速で飛んできた何かを、纏めて叩き落とした。

 反射的に目で追う。

 それは、針だった。

 正確には、(しん)(きゅう)で使う(はり)だ。

 馬元義は、一瞬、丁布の視線が自分から逸れたのを利用して、飛んだ。

 「………お前、蝙蝠かよ」

 呆れたように丁布は言う。

 馬元義は天井に逆さに立っていた。

 「椿の花さ」

 馬元義の左手には、鎖があった。

 「!」

 それが、桜花に繋がっている。

 「バカやろう」

 丁布が桜花を振るう。それに抵抗することなく、馬元義は宙を舞い、

 「な」「え」

 とっさに武器を構えた紀霊と張勲に向かって右足を、次いで左足を振った。

 両足から延びた鎖が、二人の武器も絡めとる。

 「………」

 右手はまだ痺れている。

 構うことなく、右袖にあった糸を繰り出した。

 左手、両足を回転させる。

 三本の鎖は絡まって地に落ちた。

 右手の糸を、打ち出す。先端には小さな重りが付いており、それが袁術に巻き付いた。

 「極細の糸だ。下手な刃よりも良く切れるぞ」

 唐周は、正に絶技の域に達した馬元義の動きを、感動と共に見た。

 馬元義が前線で武を振るわなくなって久しかったが、微塵も衰えを見せていなかった。

 馬元義は暗器使いだ。

 あらゆる、暗殺専用の武器を使いこなす。

 彼にかかれば、そこらの棒切れですら、必殺の道具となり、身に纏う布ですら、直死の技を繰り出す武器だった。

 「なめんなよ」

 しかし。

 相対するは後に鬼神と呼ばれる少年だ。

 桜花を思い切り振るう。

 紀霊や張勲ごと、振り回した大鎌は、馬元義から袁術に延びた糸を難なく切断した。

 そこに再び飛び来る鍼。

 桜花を振り切ってしまった丁布は、しかし、桜花の重さを利用して、体を振り回すようにしてかわす。

 地から離れた足に、馬元義はいつの間にか脱いでいた服を伸ばし、絡めとった。

 (………脱出経路は)

 唐周を抱え、逃げたす算段を立てようとして、

 「だから、バカやろうが」

 もの凄い力に引きずられ、馬元義の思考は置き去りにされた。

 「繋がってんならこっちからも引っ張れるだろが」

 丁布はまだ空中にいる。

 桜花を床に突き刺し、腹筋と背筋と足の力で、地に足を着けていた馬元義の体を持ち上げ、引き寄せたのだ。

 (な、に、?)

 勢いをつけて引き寄せられた馬元義の顔面に、丁布は布が巻き付いているのと反対の足を叩き付けた。

 馬元義の意識が刈り取られ、唐周の顔に絶望が乗る。

 馬元義に蹴り飛ばされていた閻象が立ち上がり、辺りを見渡すと、もう既に、勝敗は決していた。



 「あぁあぁああぁっっっ!」

 唐周が悲鳴を上げる。

 しかし、馬元義はピクリとも動かなかった。

 「おい、のじゃ姫」

 「誰のことかのー」

 「何でひと思いに殺さない?」

 袁術の抵抗を無視して、丁布は続ける。その顔に、先ほどまであった苛立ちはない。

 「こ奴らは使えるからじゃ」

 その真剣な表情に、袁術は答える。

 「偉く気に入ってるな。コイツらが仲間になるとは思えないが」

 その丁布の邪気のない問いに、袁術は首を振る。

 「このままだと、民衆の暴徒化はとめどない。見せしめが必要なのじゃ」

 唐周は顔を青くさせる。

 見せしめ。

 そしてそれは、(こう)(きん)という組織の中で、上に立つものであれば尚良い。

 そうすれば、黄巾は報復のために決起が早まる。

 いかに張角が優秀な指導者であったとしても、その大きなうねりは止めることができない。

 兵糧の乏しい内に、決起を起こさせる。それが、袁術の一貫した行動指針だった。

 呂強に策を授けたのも、そのためだった。もっとも、袁術が動いていることを悟られないために、何重にも人を通したものだったが。

 「ちけー」

 「へぁ?」

 「姫様、顔。顔」

 「ちけーはもうちっと、カッコいい所を妾に見せてくれてもバチは当たらんと思うがのぅ」

 「え、カッコ良くないですか?」

 「姫様、顔。顔」

 「もー。ちっとも話が進まないじゃない。閻さんのせいよ!!」

 「なぜ私がその様な謂われのない非難を受けねばならんのだ、このオカマがぁ!」

 (………まっとまり、ねー)

 袁術主従の日常を、丁布はドン引きで見つめる。

 丁布が洛陽を含めた、河南の郡を治める長官の素顔に眩暈を覚えていると、袁術が場を仕切り直すように咳払いをした。

 「ちけー。賊の処刑を行う。場所は洛陽広場じゃ」

 その発言に、場が緊張感に包まれた。

 唐周は拳を握る。

 覚悟はしていたつもりだった。

 しかし、目の前で死を宣告されることは、こんなにも辛いのか。

 床に頭を押しつける。

 顎を外された彼女には、歯を食いしばることもできない。

 「(くるま)()きの準備をせよ」

 袁術の発した、あまりの残酷な刑に、一同は目を剥き、閻象は顔を青くさせながら、拝礼した。

『子』中方全員捕縛!!!


誤字、ルビ、表記ゆれの修正を行いました(2024年9月22日)。

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