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新説三国志演義 シーズン1 黄巾の乱編  作者: 青端佐久彦
第一集
1/181

開幕前



 漢室の腐敗を敏感に感じ取り、己が道教で民を救おうとした男がいた。



 兄に殉じ、己が歌と知略で民を救おうと共に起った女がいた。



 男の理想に、そしてその在り方に感銘を受け、女と共に男を支えようと決意した男がいた。



 才に申し分のない、しかし、持ち前の不運のために周囲から疫病神と謗られた男がいた。



 自身の武をもって何かを成さんとしたのに、気づけばアイドルのマネージャーとして働く羽目になっていた男がいた。



 大望を掲げた男の狂信者となり、万歳と喝采を上げ続けた男がいた。



 女を抱くことに至上の喜びを見出し、肉欲に猛る心のままに走る男がいた。



 誰に頼まれたわけでもないのに、偵察と嘯いて賊徒の中に入り込み、大反乱を楽しむ男がいた。



 金を至上の目的とし、それがあれば他に何も要らぬと声を上げる男がいた。



 金で物事を計り、金の香りを追い続けた女がいた。



 憧れの人のもとで自分を輝かせ、その輝きに少しでも(あやか)ろうとその背を追った女がいた。



 食べることに情熱を燃やし、遂に戻り得ぬ地点まで行き着いた男がいた。



 故郷の窮状を嘆き、どうにかしてその叫びを帝に届かせようとした男がいた。



 怯え、恐れ、逃げ続けた先に、中方長としての重責が待っていた男がいた。



 己の老いを憂い、戦場でその身を散らそうと前線に赴いた男がいた。



 自らの武に信を置き、立身を求めた名も無き少年がいた。



 仕えるべき主をもてたことに満足し、停滞している男がいた。



 さて、語りを再び始めよう。

 史上最大の大反乱、黄巾の乱。

 腐敗し、乱れ切った朝廷に終止符を打たんと立ち上がった強者たち。

 不幸に呪いに巻き込まれ、金好き悪食女好き、勘定屋少年好々爺、臆病狂信者背教者。

 揃いも揃って個性的。

 揃いも揃ってボケ専門。

 そんな愉快な仲間たちが繰り広げる大反乱。

 とくと、御覧じろ。


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