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閉園間際の恋人たち  作者: 有世けい
プロローグ
1/168

最後のメール







お元気ですか?

あなたと会わなくなってしばらく経ちますが、風邪などひかれてませんか?


突然こんなメールをしてしまって、ごめんなさい。

だけど、どうしてもあなたに伝えたいことがあったので、最後のメールを送らせてもらいました。

私はもう、あなたと会うことはないでしょうから…


でも誤解しないでもらいたいのは、私がこれまであなたに伝えた言葉に嘘はなかったということです。

短かったけれどあなたと過ごした時間は何物にも代え難く、どれも幸せな思い出ばかりで、今も私の日々を支えてくれています。


私は、本当にあなたが好きでした。


だけど、私には、あなたよりも大切な存在があります。

そしてあなたにも、私よりも大切にしたい存在があるのではないですか?

優しいあなたのことだから、私が傷付くと思って言い出しにくかったのでしょうけど、私はそこまで鈍感ではありません。

あなたの心がどこにあるのかなんて、すぐにわかってしまいました。

あなただって、本当はとっくに勘付いているのでしょう?


互いにその存在の大きさに気付いた今、私はもうあなたと会うべきではないと思いました。

幸い、今ならまだ間に合います。

これ以上の時間を重ねる前に、答えを出しましょう。

確かに私はあなたに会えなくなって傷付くかもしれないけど、どうせこのままあなたにしがみ付いてたとしても、あなたはいつかきっと、私から離れていくでしょうから…

それほどに、あなたの心は透けて見えてました。

だから、その時が訪れて、もっとたくさん傷付くより、今のうちにさよならを選びます。


あなたも、あなたの大切なものを、夢を、大切にしてください。

どうか、幸せに。



さようなら。

心からの感謝を込めて。
















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