始まりそして終わり
前置きがすごく長いです
ここではバトルも異世界も始まりません
今日は金曜日、人生でもっとも幸福な曜日だ。
だが、俺にとってもっとも最悪な金曜日になるのはタイトルから察するだろう。
21時に仕事が終わり急いで帰宅をすると友達と飲み行く為に風呂をすませて車に向かう。
地元を離れて1年経つ久しぶりに飲む約束をして興奮気味だ。地元へ帰るには下道で2時間かかる
車のエンジンをかけライトが夜道を照らす
好きな音楽を聴きながら夜道を楽しむ。普段は混んでいる道も夜だと何もいない。
音楽を消すと孤独感だけが襲ってくる。車を走らせる風の音、ウインカーのカチカチ音すべてが好きだ。
地元についたのは深夜0時友達2人を迎えに行き駅近くの駐車場に車を停める
どこで飲むかは決めてなく3人で空いている店を探す。
どの店も1時で閉まる店ばかりだ。
俺は店員の人に遅くまで空いてる店がないか質問をする
駅から徒歩5分のところに5時まで空いてる店があるらしい
俺たちはそこへ向かう事にした。
ここからが最悪の始まりだ。
店内には俺たちを含めもう一つのテーブル席に1組のグループがいるのみ。
とりあえずビールを3杯頼み乾杯をした。
冴えない会話を繰り広げる。そこで友達の元カノの会話が始まった。
背が175cmほどある勇太郎が元カノのミホに会いたいと話し出した。
俺はえっ!ミホ!?と馬鹿にしたように笑った。
横にいた背の小さい165cmほどある子太郎も便乗して笑った
すると隣のテーブル席に座っていたグループの1人がこちらを睨みながらミホっていいました?と問いかけた
勇太郎は少しキレ気味に何スカと聞き返した。
ミホって言いましたよね?ともう一度聞き返す
言いましたよと言葉を返すと子太郎が慌ててこっちの元カノの話ですと説明をした。
相手はそうですかと納得したようだが話はここからだった
イライラしたのかタバコを吸いにいった勇太郎だが帰りが遅く子太郎が様子を見に行く
俺はその間遅めにきた料理を食べながら待った。
帰ってくると何か揉めたあとだった。会計が終わると輩どもに公園行きましょうと言われる。
なにがあったか分からないが勇太郎が揉めた事は雰囲気でわかった。
公園につくとまず脅しが始まる。ミホの名前を出した事、どうやら相手のグループの1人の彼女がミホという名前らしい
俺たちがミホという会話をしてると同時に相手もミホという人物の会話をしていたらしい。
彼女が笑われたと勘違いして切れたようだ。
1番強そうな細めの人間が落とし前どうつけるのか問いただす。内容は金をだすか怠慢か。どちらも嫌だと思った。
ミホと名前を出したのは元カノの話になったからと説明するがまったく話を聞く気配がない。こちらの話を全部聞いていたと言うが話を聞いていたなら元カノの話をしてたのはわかるはずだ。
力まかせの単細胞だと思ったが金が欲しいだけなのでは?と思った。
説明しても理解しようとしないので本当に同じ人間なのかと疑ったが世の中にはこんな人達もいると貴重な経験ができた。
落とし前はお金でと俺は告げる。いくら出すのかと聞かれたので五千円と答えるとひどく激情された。
どうやら不満らしい財布の中身がいくらか聞かれたので八千円と答えると1番ひ弱そうな人間が日当分きたぁ!と喜んでいた。
心の中で日当八千円かぁーと思ったのも束の間、3万を請求された。
なんだかんだあって俺は財布の中の八千円とATMで下ろした3万円を渡した。
友達の勇太郎は一万円、子太郎は八千円
なんて理不尽な世の中だ。隕石でも落ちないかなと思った。
しかし、漫画かドラマでありそうな展開、色んな人物がいる事、今後の人生にも生かせると思い3万8千円は人生への投資だと思えば気が楽だ。
パチンコで3万入れても一度も当たらなかった時やソシャゲで2万課金しても目当てのキャラが出なかった時に比べれば心が楽だと思った。
自分のポジティブにはビックリする程だ。
ポジティブになるには!?という本でも出そうかと思ったほどだ。
とりあえず友達の家で眠ろうと夜道を歩いた。
ふと時計を見ると信じられない。あの出来事に2時間も消費していた。仕事の2時間は長いのにあの出来事は一瞬に感じた。
そして、空を見上げると一筋の光がこちらに向かってきている。
日本は消滅した。