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ファンタジーを現実に  作者: 王国民
ルーキス王国編
13/207

キャンプをしながらレベル上げ

 本日1話目。今日も4話です。

 キャンプ用品や保存食。そして猫用のシリアルみたいな物を買った。

 この街に来てからの顔見知りにも挨拶を済ませて門を出た。


 体力作りのために、森まで走って行く。

 この世界に来たばかりの森は広かったし、探索してない場所は山ほどある。

 リトルドラゴンが棲んでいたし、他にもレベル上げに適した魔物もいるはずだ。


 目標レベルは30以上だな。

 それくらいのレベルになれば、性能を抑えた神器が作れるかもしれない。

 魔力のステータスも関係している気がするんだよな。


 道具生成で同じ物を作っても、魔力が上がったからか、たんにレベルが上がったからかは知らないけど、MP消費が少なくなったんだよな。


 空想転化は変わらず1秒間に10MP必要だけどな。

 それでも助かるといえば助かるし、MPも多くなってきたしな。30秒以上変身できれば、魔神以外はなんとかなりそうな気もする。


 街とか味方がいて混戦状態だと、神に変身しても厳しいかもな。

 さすがに街にバラけてたりしたら、街ごと破壊するわけにはいかないから、30秒じゃ倒しきれない。

 いまのところ、密集してない数の多い敵が弱点だな。



 走ったらけっこう早く着いた。

 まだ昼にもなってないので、レオに頼んで魔物を捜して貰う。


「どんな匂いの魔物がいいですかにゃ?」


「いままで戦ったことのない奴は、後回しにしよう。コボルトは無傷で倒したことがないし、コボルトに楽勝できたら初めての魔物を捜してくれるか?」


「お任せにゃ!」


 スンスン鼻を動かし、オレにも余裕がある速度で走る。

 ほんの数十秒でコボルトの集団を見つけた。向こうもオレの匂いに反応して、こっちに来ていたらしい。


 獲物のほうからやって来たことで、少しだけ戸惑っていたので、オレは2本の剣を抜き放ち、左右の剣を振るった。


 2つの首が飛び、コボルトたちが慌てて動き出す。

 コボルトのナイフを左の剣で受け、右の剣を突き刺す。

 後ろから襲うコボルトは、横から跳んできた黒い影に、首を切り裂かれて倒れた。


 オレは2本の剣を連動させて、攻防一体の剣舞でコボルトを減らしていく。

 すぐにピンチを理解したのか、仲間を呼ぶのが早い。

 コボルトは近くに別動隊を配置して、獲物を逃がさないようにする習性がある。

 そのせいで援軍が早かった。半分も倒さない内にやって来て、オレたちに総攻撃を仕掛けた。


 援軍を得て勇気付けられたコボルトたちの猛攻に、オレは腕を噛み付かれたが、コートとシャツのおかげで無傷ですんだ。


 自由に動く左手で首を貫き、口が開いたら右腕を横に振って、横から襲うコボルトの胴を薙いだ。

 レオのほうも順調だな。いままでは一撃で倒すには飛爪が必要だったのに。


 器用にコボルトの頭や肩を足場にして跳び回ると、コボルトたちはレオを追って激突している。

 倒れたコボルトに跳び掛かると、ミスリルの爪で刺し殺した。


 70匹くらいのコボルトを、無傷で倒すことができた。

 1度だけ噛み付かれたが、攻撃を受けたのはその1回だけだ。

 前に戦った時は、攻撃を受けた回数自体が20回を超えていたからな。


「オレたちは確実に強くなってるな。レオも凄い動きだったぞ」


「ごしじんさまの作ってくれた爪のおかげで、思いきって攻撃ができるにゃ!」


 攻撃は最大の防御とも言うしな。

 オレも二刀流で手数が増えて、敵を倒す速度が上がった。


 コボルトの討伐証明の耳を切り取り、次の敵に向かって歩いていった。

 戦ったことがない魔物の匂いを、レオに覚えて貰うためにも、初見の敵を狙う。

 余裕があるうちに戦っておけば、倒せない場合は空想転化で倒せばいい。

 倒せない敵の匂いを覚えれば、次からは避ければいいだけだ。



 5分ほど歩くと、トロールに遭遇した。

 再生能力を持ったやっかいな魔物だ。


「まずはオレが仕掛ける。レオは様子見のために下がっててくれ」


「はいにゃ! ごしじんさま、気を付けて」


 トロールは再生能力が有名だけど、その腕力もかなり強力らしい。

 まずは力比べしてみるかな。素手のトロールに掴み掛かる。


「ウガァァァァァァ!!」


 鼓膜を震わせる雄叫びに少しだけ怯むが、両手を伸ばしてトロールの両手首を掴んだ。

 オレはトロールのパワーにまるで敵わず、後ろに押されていった。


「なんてパワーだ。たぶん筋力は300を越えてるぞ!」


 木まで押されて、そのパワーで簡単に木が倒れてしまった。

 だめだ。組んでたらどうしようもない。オレは手を放して、トロールの横をすり抜けた。

 剣を抜いて、振り向きながらトロールの背中を斬り付けた。


 かなり深く斬り付けたのに、すぐに傷が塞がった。

 トロールも振り向きながら腕を振る。しゃがんで躱し、首を斬り付けるが、斬り落とさないと再生するようだ。


 斬り落とすつもりだったが、予想以上に分厚い皮膚と脂肪で、斬り落とせなかった。

 豪腕が連続して襲い掛かってくるが、器用の数値は低いようだし、知性もあまりないみたいだから、攻撃が単調だ。


 殴り掛かってくる腕を斬り落とすと、再生はするが時間が掛かる。

 その隙に首を斬り落とそうとするが、トロールは体当たりをしてきた。

 相手の頭上を跳び越えながら、一回転して背中を斬り付けた。

 着地と同時に背後から首を斬り落とすと、再生はせずに倒れた。


「ごしじんさま~。凄い凄い! ボクの力だと倒せにゃいよ!」


「それは爪を長くすれば勝てるようになるかもしれないぞ。あるいは、斬り刻んで血を流させれば死ぬんじゃないか?」


「それにゃら次はボクが試していいにゃ?」


「いいぞ。オレが倒せるのは判ったし、危ない時は助けるから」


 トロールの片耳を切り取り、次の魔物を捜して貰う。

 近くにトロールがいるかは判らないが、他にも魔物はいっぱいいるだろうし、レベル上げが目的だからな。何が出ても倒せばいいだけだ。


 次から次へと魔物を倒していき、2匹目のトロールを見つけてレオが戦った。

 オレに当てられないトロールが、レオに攻撃を当てられるわけもなく、100を超える攻撃をくらい、多少はフラフラしてきた。


 トロールはすぐに再生するので、レオが傷付けてもあまり血が流れない。

 大量の血が流れる前に傷が塞がるので、100以上の傷を付けても、死ぬ量が流れないようだ。

 でも、このまま続ければ必ず勝てるだろう。レオの体力が先に尽きない限りは。



 予想通りにレオが勝った。

 しかし時間が掛かるので、オレが倒したほうが効率がいいだろう。

 レオの体力も限界のようなので、今日はキャンプをすることにした。

 トロールの匂いがあれば、トロールより弱い魔物は寄ってこないだろう。


「食事にしよう。そのあとはレオが休め」


「ごしじんさまより先に休めにゃいです」


 疲れ果てているので、声に力がない。

 無理に休ませて、その間に食事を用意した。

 皿にレオの食事を乗せて食べさせた。腹が減っていたようで、申し訳なさそうに食べる。


 オレも硬いパンを食べながら干し肉を炙り、美味くない食事を始めた。

 やはり保存食は不味いな。時間停止する収納バッグさえ作れればなぁ。


 レオの体力が回復するまでオレが見張り、交代で休んだ。

 次の日も魔物を退治して回り、順調にレベルを上げていった。


 不味い食事にも耐えられたのは、1日3回のおにぎりのおかげだ。

 あまりMPを使いたくはないから、おにぎりばかり食べるわけにはいかないのがつらい。


 川で水浴びしたりするのはいいけど、やっぱりお風呂に入りたい。

 とにかくレベルを上げて、風呂に入るための神器を作り出してみせる。

 オレたちは約1ヵ月の長い間、森で過ごしてレベルを上げた。

 MPをいっぱい使わない限りは、細かくステータスチェックをしていなかったので、目標のレベル30を超えて、34まで上がっていた。

 ステータスです。


 レベル34 ソータ・アイサカ

 HP 356 MP 785

 筋力 153 体力 179

 敏捷 115 器用 127

 魔力 211 魔防 133


 レベル34 レオ

 HP 115 MP   0

 筋力  48 体力 145

 敏捷 182 器用 113

 魔力   0 魔防  52

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