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かつて【最強】と謳われた、落ちぶれた【無敵】達 〜とりあえず、転生したけどコレでいいのか?〜

なんとなく、書いていくのでゆる〜くお付き合い下さい

プロローグ


男は薄暗い闇の中で目を開ける。辺りには誰もおらず、遠くから甲冑の金属が擦れる音と足音とが一緒にやって来ている。


あぁ、もうすぐだ。あと少しで【あいつ】が来る。我が渇望の果てに夢見た理想が今、成就しようとしている。


ギィ〜〜と重い扉が開く。現れたのは『勇者』。今にも死にそうな顔をしているただの青年。目の前の巨悪を倒さんとする正義の味方である。


血に塗れた鎧と剣でその男は言う。「なあ、魔王よ。お前はどれだけの人々を傷つけ、涙を流させたと思う?どれだけの命を使ってきたと思う?お前のしてきたのは何だ?理想を叶えると、世界を救うと謳いながらも、お前は‥‥!」


「俺は理想を叶える。世界を救う。それに嘘・偽りは無い。どれほどの犠牲がでようとも、どれほどの涙が流れようとも、必ず成し遂げてみせる。そう思わせてくれたのはお前じゃないか。我が親愛なる友よ。」と【魔王】は言う。


人のため・世界のために生きてきた男は、その夢をくれた友が目の前にいることに疑問は無い。怒りも、悲しみも、無い。そんな感情などはとうの昔かに捨てているのだから‥‥


「僕はお前を止める。止めなくちゃならない。その道を歩ませてしまったのは僕だ。僕の責任だ。たとえその夢がみんなのためになるものであっても、人の命を犠牲にしてもいいなんてことにはならないのだから‥‥。決着をつけよう、魔王。」


人生における最大の難敵を前にしてなお、【魔王】は笑う。夢のため?自分のため?はたまた、ただ闘いたいから?どれでもない。

俺はこの男が立ち塞がっている理由が単純過ぎることに笑ってる。そう勘違いしながら‥。


「そうだ、決着だ。一切合切の全てをもって挑んでこい!俺は理想を叶える!お前のくれたこの夢を実現する!たとえ、お前がそれを阻もうともなぁ!」


大地が揺れる。大気が揺れる。世界が揺れる。かつて平凡だった一人の男は全てを犠牲にしてでもそれを成し遂げる。


血塗られた勇者は言った。


「ところでさ。お腹空いたんだけど、なんか食べ物ある?」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥はぁ?」

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