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六銘鑑  作者: 朝倉新五郎
ADAM30戦役
1/9

第1話 -転属と戦闘-

これまでの4話を少々手直しし、読みやすくするために8話に分けました。


簡易な設定は後書きの方に載せました。覚書程度なので完璧ではありません。

「あーあ、喜ぶべきか悲しむべきか、キサラギに乗艦することになるとはなぁ・・・しかも101連隊かよ」


男は吐き捨てるようにつぶやいた。



 オリオンの守護神、星の破壊者、栄光の旗艦、死神の鎌、不滅空母、戦士の棺桶。

6つの二つ名を与えられ、六銘鑑と呼ばれる超大型戦略戦闘母艦オーディン級第24番艦キサラギ。


 既に次級のケルベロス級が建造され始めているので最後のオーディン級なのだが、他の同級鑑と比較して桁違いの戦績を上げている自由共和国連邦軍所属第87打撃艦隊の旗艦である。


 その艦載機は軽く2000機を超え、艦内での修理改修そして開発さえもこなしてしまう。

 全長10kmにも及ぶその巨体は、付き従う他の重戦艦クラスの戦列艦ですら子供に見えてしまう程である。

 第101連隊の空間パイロットに任命された男はその連隊に配属されるトップエースの一人だが、そもそも101連隊のパイロットの中にエースで無いものは居ない。


 特に“オリオンの守護神”と呼ばれることとなったオリオン宙域8番星系方面での戦闘に於いては自軍の3倍もの艦隊を相手に破格の戦闘を行い、僚軍である第13艦隊、第67艦隊の到着時には全戦力の30%の戦力を失いながらも第101連隊から死者は出ていなかった。



 250年も続く共和国連邦内の内乱は次第に激しさを増し、銀河辺境である太陽系の近くを完全に脱して元々の銀河惑星共和国連邦が自由共和国連邦と銀河共和国連邦に引き裂かれ全銀河の3割で何かしらの戦闘が常に起きている。

 約400の星系と1000を超える惑星要塞には9500億人以上が居住し、その内の1%程度が常備戦闘員となっている。

 男はラクシオン惑星要塞所属の守備隊隊員であったが、その腕を見込まれて101連隊に転属となったのであった。


 これは事実上トップエースとして最前線投入を意味することである。



 男の名はレイ・ギャロップ。


 キサラギ所属の第101連隊ブラックナイツは特殊な編成で1個小隊3機、1個中隊は3個小隊、1個大隊は3個中隊つまり1個大隊は27機からなるのであるが、3個大隊81機と20機の最精鋭自由戦闘部隊から成る。

 その20機の中の1機に乗り込むこととなった。


 レイの属する連隊は使用装備も他の隊とは違い特に自由戦闘部隊は戦闘パックのバリエーションが多いと聞いていた。

それは、常に多対1や艦艇との戦闘を想定しているため装備に規定が無いためだ。

Aパックと呼ばれる攻撃重視の対艦戦闘用のストライクパックや攻撃特化型のアタッカーパックでは、戦艦級ツイン粒子砲・重粒子追尾ミサイル・質量エネルギー弾やレールガン等。

また、Gパックと呼ばれる防御重視の広範囲守備攻撃用ガーディアンパックや広範囲防御特化型のディフェンダーパックでは、戦艦級拡散粒子砲・バリア展開型重粒子電磁防御装置・フレシェット拡散弾等。

そしてそれら全てに必要なエネルギーを供給する軽駆逐艦クラスのエネルギーデバイス4機を装備することが可能である。



「クナイ・オーウェン少将。

本日を持ってラクシオンより転属、着任致しましたレイ・ギャロップ中佐であります」


と、連隊長に形だけの挨拶を済ませた。


「聞いている、君はFS16セイレーンを操れるのか?

ラクシオン守備隊なら使用機体は防御型のFG9サイクロプスGHMのはずだが、

設計思想が同じなので操作系は似ているとはいえ、中佐の騎乗するセイレーンは全くの別物だぞ?


・・・とは言え、相当の戦果を上げているな。

守備隊で287機撃墜。重巡洋艦12、巡洋艦15、駆逐艦と砲艦合わせて32の大破と撃沈とはな。

ありえない数字ではないが正直聞いたことは無いな」


「私はラクシオン守備艦隊に配属される前はボマー仕様のFS14スピンクスABMに騎乗していました。第144機動艦隊です。


それとラクシオン守備隊配属後もサイクロプスではなく連隊長として攻撃型のFS15オルトロスAHF、最後にXS17ハルピュイアのGXXを使っていました。

ハルピュイアは試験機なので極秘とされていますが・・・」


「ほぅ・・・XS17とはな、セイレーンの実質の後継機じゃないか?

で、GXX装備での機体性能は?A装備でないなら重くなかったか?」


食いつくようにオーウェン少将は訊ねる。


「FG9サイクロプスの重装甲標準型GHMやFS14・15も良かったですが、ハルピュイアは本体が軽いのでG装備ではかなり出力調整がシビアですね。

恐らくA装備の方が相性は良いでしょう。 クセの強い機体ではあります。

が、導入はエース部隊のみと聞いているので問題は無いと考えています。


まだセイレーンに騎乗したことが無いため比較は出来ませんが」


『艦長より101連隊及び艦隊守備部隊に司令。

敵斥候部隊と思われる艦隊が本艦隊1AU付近に出現。スクランブル発進にて殲滅せよ!』


唐突に艦内スピーカーから響き渡る命令に、オーウェン少将もレイも即座に反応した。


「着任早々戦闘か、まぁ仕方がない」


少将と共に、レイは制服からパイロットスーツに着替えを済ませ、

慌ただしく走り回る他のパイロットに混じって自機を見て「コイツかよ・・・」と呟き騎乗した。



 コックピット内で機器計器類のチェックと操作を行い、

「101連隊自由戦闘部隊20番機レイ・ギャロップ、局地戦闘装備にて出る!」

と告げ、電磁カタパルトから出撃した。


「さーて、セイレーンの乗り心地はっと・・・」軽くペダルを踏むみこむ。


「レイ・ギャロップ中佐。セイレーンの慣熟運転だと考えて、今回は無理はするなよ?」

と、オーウェン少将から通信が入った。


「とは言えお前もこれからはトップエースの一人だ、他の隊員に見せつけるのも忘れるなよ?」

先の通信とは矛盾した命令であったが。


「敵艦隊より約400の機体が発艦した模様。

艦隊構成は軽母艦1、戦艦または重巡洋艦10、巡洋艦15、駆逐艦及び砲艦100程度です」

キサラギからの通信が入った。


「聞いたか?

敵さん慌ててトルーパーをばらまいたらしいが構成的に見て威力偵察と考えていいだろう。

ジャンプされる前に101連隊の恐ろしさを教えてやれ! 全艦沈めるぞ!」

オーウェン少将からの命令が飛んだ。


「この速度なら会敵まで55分だ。

まずは先行するパワードトルーパーを殲滅、半分はバディドローンだろう。


取りこぼした敵は後衛に任せ我々は敵艦隊を撃破する!

第一大隊の空間制圧後、第二大隊は広範囲攻撃。第三大隊は広範囲防御。

我々20機は局地戦闘を行う。背後に回り込まれるなよ!」


「イエッサー!」の声とともに編隊を組み、第一大隊から第三大隊までが準亜光速転換炉式ブースターを吹かせ先行し自由戦闘部隊はそれに続いた。


 レイ達自由戦闘部隊の接近戦特化の局地戦闘装備では出来ることは限られている。

約400機という敵機に対し第一大隊が「蜘蛛の巣」を張る。

一種の攻撃型バリアだが、通常のパワードトルーパーに出来る芸当ではない。

巡洋艦クラスのエネルギーデバイスを持つ101連隊機だからこそ可能なのである。


 次々と”蜘蛛の巣”にかかった敵は第二大隊の広範囲攻撃によって次々に屠られていく。

レイの部隊は敵パワードトルーパーを交わし、撃破しつつ第三大隊の守備に守られながら敵艦隊へと突入する。


「見えたぞ!守備部隊は多くない、各自アタック!」

オーウェン少将の激が飛んだ。


「とりあえず母艦の脚を止めておくか」


平然と砲火の中を進み「突出しすぎたか?」

と考えながら攻撃をかわしつつも敵母艦の後方に辿り着き、質量エネルギー追尾ミサイルを数発放ち、粒子砲をピンポイントで撃ち込んだ。

 瞬間反転し重巡洋艦の胴体にも同様の攻撃を叩き込むと、しばらくして重巡洋艦が真っ二つに折れて爆砕した。


誰かが通信で「クレイジーだぜ!」と言ったような気がしたが、

レイは気にせず「緩和装置があっても、これはGがキツイなあ」と言いつつ敵母艦から離れた位置の駆逐艦、砲艦を次々と撃沈していった。


「はっはー!転属早々派手にやってるな。ギャロップ中佐、母艦の足止めご苦労!」

少将の機体がレイの横をすり抜けていった。



 約30分の戦闘で敵パワードトルーパーの大半を駆逐した第一、第二大隊も加わり101連隊全機と後続の戦闘部隊が艦隊への攻撃を始め、そして終わった。


 戦闘宙域に進んできた第87艦隊が掃討を行っている間に101連隊全機がキサラギの専用デッキへと帰還を果たした。


 流石に無傷とはいえず、101機中数機が何らかの損傷を受け、守備部隊のGS8ダイダロスGHMの小中破27だったが戦死傷者ゼロという圧倒的な戦果を得て歓声で迎えられた。


 しかし数隻を逃したため艦隊の座標を知られることとなっただろう。









・パワードトルーパー設定

15mから25mの人型兵器

アタックパック、ガードパック、ディフェンスパックを必須装備とする

パワードトルーパー自体には固定装備と粒子銃、粒子砲程度しか武装はない

母艦以外はパワードトルーパーは積載出来ない


・パワードトルーパー種別

FF:ファイターフェンサー(高速戦闘機)

FS:ファイターストライカー(戦闘攻撃機)

FB:ファイターボマー(戦闘爆撃機)

FG:ファイターガード(戦闘防御機)

GS:ガーディアンスーパーヘビー(超重装備防御機)

GH:ガーディアンヘビー(重装備防御機)

GM:ガーディアンミドル(通常防御機)

GL:ガーディアンライト(軽防御機)

GD:ガーディアンディフェンサー(超重量重装備防御機)

1文字目

F:ファイター G:ガーディアン X:試作機等

2文字目

F:フェンサー A:アタッカー G:ガード D:ディフェンサー X:試作機等

後1文字目

AアタックパックG:ガードパックD:ディフェンスパック

後2~3文字目

HM:ヘビーアーマード LM:ライトアーマード BM:ボマーアーマード

HF:ヘビーファイター MF:ミドルファイター LF:ライトファイター

XX:特殊装備

空間制圧型、局地戦闘型、広範囲攻撃型、広範囲防御型、局地防御型、等に別れる。


・主要なパワードトルーパー

FS1ウラヌスAXX(アタッカー特殊装備)

FB1クロノスAXX(アタッカー特殊装備)

FF1ゼウスAXX(アタッカー特殊装備)

GS1ティターンDXX(ディフェンダー特殊装備)

GH1ポセイドンGHMガーディアンヘビーアーマード

GM1プロメテウスGHFガーディアンヘビーファイター)

GL1アポロンGLMガーディアンライトアーマード

GD1ハデスDHMガーディアンヘビーアーマード

FG9サイクロプスGHMガーディアンヘビーアーマード

GS8ダイダロスGHMガーディアンヘビーアーマード

FS14スピンクスABMアタッカーボマーアーマード

FS15オルトロスAHFアタッカーヘビーファイター

FS16セイレーンAXX(アタッカー特殊装備)

XS17ハルピュイアAXX(アタッカー特殊装備)

XS17ハルピュイアGXX(ガーディアン特殊装備)

FB15シンフォニアABMアタッカーボマーアーマード

FB14ワルツALMアタッカーライトアーマード

FF12アリオンAMFアタッカーミドルファイター

FF13ケンタウロスAMFアタッカーミドルファイター

FS14スピンクスABM

FS15オルトロスAHF

FS17サテュロスAXX(アタッカー特殊装備)

FS18ハルピュイアAXX(アタッカー特殊装備)

FS18ハルピュイアGXX(ガーディアン特殊装備)


・部隊、艦隊等

第9基幹艦隊(1桁ナンバーの大艦隊、5万隻の艦艇)バートン提督

101旅団

第1連隊カトル・ラムゼ大佐→上佐

 第1大隊スウィン・テンペラス大佐

 第2大隊クレイ・スカイマーカー大佐

 第3大隊サトミ・ティアン大佐

第2連隊クリスティン・イラーム大佐→上佐

 第1大隊デレラ・チャイバーン大佐

 第2大隊マイク・ローウェイ大佐

 第3大隊グレン・マクミレン大佐

第3連隊ユアン・マッケイン大佐→上佐

 第1大隊ユージーン・ラファイエット大佐

 第2大隊ミランダ・カリルス大佐

 第3大隊ヅクオラ・メンデレヘム大佐

自由戦闘部隊

クナイ・オーウェン少将(ブラックナイツ司令)

ガードナイツ(守備戦闘部隊)

101連隊ブラックナイツ(精鋭戦闘部隊)

101連隊第1大隊隊長カトル・ラムゼ上佐

101連隊第2大隊隊長クリスティン・イラーム上佐

101連隊第3大隊隊長ユアン・マッケイン上佐

リン・ヤマサト中尉

101連隊自由戦闘部隊員ヒュローイ・モト少佐

101連隊自由戦闘部隊員キャロル・フィフスバール大佐

101連隊自由戦闘部隊員レギル・レギオン大尉

101連隊自由戦闘部隊員ブラン・ロロルド中尉

101連隊自由戦闘部隊員カリン・ジーン少尉

第87打撃艦隊→第17強襲艦隊提督ツハイ・スクオーラ上級大将

シャスル・キタムラ中将(艦長)

バーデン・シュヴァイツァー大佐(上級参謀)

テハ・クルーゼ中佐(参謀)

レミルク・タム中佐(参謀)


第40打撃艦隊提督ルンバーグ・メッサー上級大将

第3基幹艦隊提督トムスン・チャップマン元帥

旗艦キマイラ級超々大型戦略戦闘母艦グリフォン

第9基幹艦隊提督ロバート・バートン元帥 

旗艦キマイラ級超々大型戦略戦闘母艦グリフォン2

グレイ・ヴァーデル上級参謀大佐

トライド・ウイストン参謀中佐

アイ・スレンスフォード参謀中佐

第229機動艦隊提督ショーン・ブレイディン大将

229機動艦隊陸戦隊総指揮官不死のドゥーラン・グラウズ大佐

第144機動艦隊トルーパー連隊長レイ・ギャロップ

ADAM21要塞守備艦隊

第1守備艦隊2万隻レンデルフ・ソウサル上級大将

第2守備艦隊2万隻ライデン・クエット上級大将

第3守備艦隊2万隻

第4守備艦隊1万隻

第5守備艦隊1万隻




銀河共和国連邦軍

第27打撃艦隊ナンセル・ワンダーク提督 大将

第27艦隊上級参謀シュウ・ユキモト大佐

第332艦隊イワン・サリチェフ提督ペガサス級超大型戦略戦闘母艦

クラムラン第1守備艦隊グイン・ファー提督 大将

クラムラン第2守備艦隊チャーリー・デイツ提督 中将

第56打撃艦隊 ベヌム・フィッシャー提督 大将 解体

第62打撃艦隊 パラリティ・フィーゼンブルク提督 大将 解体

第91打撃艦隊 フィラー・タキヌマ提督 大将

第91打撃艦隊上級参謀 キュメイ・ローダー大佐

第27艦隊上級参謀シュウ・ユキモト大佐

第65打撃艦隊 デボラ・シュルツ提督 大将

第52打撃艦隊 カーメイン・トムハ提督 大将

第184機動艦隊 クハイ・チャパオ提督 大将

第248機動艦隊 ミハイル・チャン提督 大将


第1特殊攻撃連隊

ジャベス中尉

ギャリー・ウィリアムズ中佐

アイドワ・クーン准将

シェム・ランゲート少佐


エリ・ベリ・マヒカ・スウォーロス・モーロ・ツァイハー・ショーラ


武装中立自衛軍2個守備艦隊2万隻


1桁基幹艦隊=5万隻=2500万人

10番台強襲艦隊=1500万人

2桁打撃艦隊=2万隻=1000万人

3桁機動艦隊=1万隻=500万人


プラチナムクロス勲章(500機撃墜)

ゴールドクロス勲章(300機撃墜)

シルバークロス勲章(200機撃墜)

ブロンズクロス勲章(100機撃墜)

アイアンクロス勲章(50機撃墜)

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