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プロローグ

 西暦1234年。

 世界は滅亡の危機に晒されていた。

 その原因はとあるウィルスによるものである。


 私はこのウィルスについて詳しく知るために病院へ訪れた。

 話は通っているためにすぐに案内をしてもらった。

 正直に言って、私はこのとき浮かれていた。


 実は大したことない未知のウィルス! なんて見出しを既に考えていたぐらいだ。

 しかし私はこの後、思い知ることになる。ウィルスがどれだけ危険なのかということを。


 症状を聞いただけなら誰もそこまで脅威を抱かない。それはある種の罠だったのかもしれない。とにかく、私はこのことを一人でも多くの人に伝えたい。

 だから、こうして筆を執っている。

 もし、これを読んだのなら、周りの人間にも教えてあげてくれ。

 そして、この本を買うように勧めてくれ。


 では本題に移ろう。

 感染者は隔離病棟にいた。

 そこは刑務所のような雰囲気が漂っていた。

 私はそこでの生活を想像してみる。ゾッとした。


 鉄格子の先にいる感染者に、私は声をかけた。


「君は何をしているんだ?」

「んー? ユーミンといちゃついてるんだよぉぉぉっっ……うぇい!」


 頭が痛くなる思いだ。

 管理者に聞くところによると、感染者は将来有望な少年だったようだ。学校では皆から慕われていたらしい。

 そんな少年が絵が書かれた抱き枕に裸で抱きついていた。

 寒くないのだろうか。今日はクリスマスだというのに。


 ユーミンとは、今年の春に話題となったアニメのヒロインであるユーミ・デル・アータの愛称である。

 アニメとは縁が遠そうな少年がアニメキャラの抱き枕に裸で抱きつくという異常。

 私は心底恐れた。これが感染者の末路なのか、と。


 アニメオタクとはかくも恐ろしいものなのか。人間こうはなりたくないものだ。

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