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プロローグ
君という一握の光を見失って途方にくれる僕
全てを疑え。その謎を解かなければ殺される。
座敷牢の片隅で、君と語り合った。
黒髪。白と赤の着物。アーモンド形の目、柔らかい唇。鮮やかで、優しい君。
美春は。美春は美しい少女だった。儚くも美しい少女だった。
その明るさにいつも救われた。
「妹を守ってくれますか?」
ある日、唐突に、僕の前から美春は居なくなってしまった。
僕は目を開けたまま……また美春の居る夢を見る。
波隠真琴の持論
『人は謎に直面すると知らないではいられない性質を持っているのだそうだよ?』