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迷宮動物誌 〜私と魔物たちの楽園暮らし〜  作者: ローラーコースター
第一部 一章 楽園の主になろう!

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第8話 ただいま地上、作戦会議の時間だよ。

楽しんでいただけたら幸いです。ブックマークや評価、感想、誤字報告よろしくお願いします。

 <楽園>から自室に戻った私は旅行の計画を立てていた。ニコとバステトはベッドの上で寝ている。外の世界を見てみたいと言ったヘルメスはインターネットに釘付けだ。この二人と行くんだから公共交通機関はまず使えない。バステトに乗っていくとして、なるべく人のいない道となると、山や森を突っ切ることになる。必要なのは食料と水、寝袋、それから着替え。


 迷宮開拓作業員は休暇中、ダンジョンに入るのに必要な許可証は持っていない。そうなると入場料の五万円とパスポートが必要になるが、パスポートは幸いある。貯金を確認すると2,000万円近くあったので、旅費や活動費はこれで何とかなるだろう。


 しかし、保護対象の魔物はアメリカにもアフリカにも中東にもヨーロッパにもいる。独裁国家や幾つかの発展途上国はダンジョン発生以後、政局がかなり混沌としていると聞くし、ダンジョン開拓の失敗で経済が崩壊したロシアとインドに至っては事実上の鎖国状態だ。今は日本国内の活動だからいいかもしれないが、今後のことを考えるととにかく資金が必要だ。世界を見据えるなら、権力も必要だ。それも絶大な権力が。


「何を悩んでいるのだ、主よ。」

ヘルメスが私を心配して声をかけてくれた。

「いや〜、<楽園>で保護できる魔物はなるべく皆保護したいんだけど、お金と権力がないと国外は厳しいな〜って。」

「なるほど。それならば儂に策がある。」

「策?」


「商売を始めよう。」


「商売って何を売るの?」


「<楽園>の資源だ。このインターネットやらの情報を信じるならば、<楽園>にある資源はどれも人類が今後何千年総力戦でダンジョンを開拓しても手に入らないものだろう。」


「それは確かに?」


「それをアメリカに売る。アメリカは冒険者の質も数も世界一。日本、台湾、オーストラリア、メキシコ、ベネズエラ、イギリス、ノルウェー、ドイツ、イタリア、ギリシア、トルコ、サウジアラビア、エジプトにも軍隊の基地があり、ダンジョン開拓にも協力している。合衆国政府との繋がりさえあれば主が世界で活動することが可能になるだろう。」


「アメリカ政府との繋がりなんてそう簡単にできるかな?」


「儂の読みが当たっていればそう難しくはない。まず、アメリカの年間発電電力が四兆とある。魔物である儂には単位が分からないが、重要なのはそこじゃない。4.06兆の電力で人口は3.7億だ。その内の約7,000万人が二十歳以外。つまりダンジョン発生後に生まれている。

 ではダンジョン発生前はというと4.09兆の電力に対して人口は3.4億。電気のないダンジョン居住区は平均で100万人規模だ。ダンジョン発生によって産業も萎縮したとはいえ、7,000万人多い人口を300億少ない電力でというのは流石に無理があるだろう。そして来年以降も人口は増加傾向が続くと予測されている。確実にエネルギー危機寸前だ。そこに魔石を凌駕するエネルギー源であるヒカリミツバチの蜜を売れば、合衆国政府の興味を勝ち取れるかもしれない。」


「確かに、それならいけるかも。」


「ただ、日本、イギリス、アイルランド、シチリア島は厄介だな。島であるが故に24年前の魔物氾濫の影響があまりなかった。アメリカの様に線路や道路を血管として広大な土地を繋いでいない分、自然と人間の生活圏の境界が明確だから、魔物の被害も大きくなかったのだろう。

 <世界冒険者協会>本部があるイギリス、最先端のダンジョン研究所を抱えているシチリア島支部、ギルドも研究所も世界二位の水準を誇る日本は恐らく知性ある魔物の存在や温厚な魔物の存在に勘付いている。この三箇所はその権威を使って家畜化以外の魔物との共存の研究を殆ど行っていない。」


「確かにイギリスとシチリア島はすごい盛り上がりだよね。それにここ日本もか......一応私も日本国民だから敵対はしたくないな〜。」


「合衆国冒険者ギルドの権威は世界冒険者ギルドと並んで一位だ。ダンジョン研究も世界三位とされている。他国の影響にのまれることはないだろう。日本も何やら一枚岩ではない様だし、主が旅行に行っている間に日本については調べておこう。」


「ありがとう、ヘルメス。」


「魔物とて人間より強い者も多い。すぐに絶滅することはないだろう。数年かけて世界での活動を目指せばよい。」

読んでいただきありがとうございます。毎日最低で一話は投稿していますが、時間は不定期となります。

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