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迷宮動物誌 〜私と魔物たちの楽園暮らし〜  作者: ローラーコースター
第一部 三章 二節 国を揺るがそう!

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第58話 天命が改められる時 (2)

楽しんでいただけたら幸いです。ブックマークや評価、感想、誤字報告よろしくお願いします。

 強勢を誇っていた迷宮庁の人たちはたった四発の銃弾と共に何が起きるか分からない、迷子の状態に陥った。

「で、話って?」

「私は迷宮庁の者だ。アフマド・サルマン氏の情報提供によってここにダンジョンがあるという疑いがある。日本国内の全てのダンジョンは迷宮管理法によって日本政府の管理下に置かれなければならない。よって我々迷宮庁の権限をもって、家宅捜査に協力いただきたい。」

「断ります。」

私が自分の意思を示す。

「ならば強制捜査を行うことになる。本当に協力の意思はないということでいいか?ここにいらっしゃる迷宮大臣沢田タイチさんは海外にも人脈があるようだが......」

迷宮庁職員は背後で不機嫌そうにしている沢田タイチの影響力をちらつかせる。

「どうぞ?私たちはできることをするだけですから。」


「おい、強制捜査だ!」

沢田タイチがそう叫ぶと、私の家の塀に隠れていた特殊部隊が次々に乗り込もうと動き出す。実に24人の戦闘員が私たちを包囲した。彼らは自動小銃をこちらに向け、最後の合図を待っていた。

「15時23分。ダンジョンの不法占拠の疑いにより強制捜査を実行する。捜査開始!」

そう沢田タイチが宣言した瞬間、アリスちゃんが歩み出す。そして目の前の特殊部隊に対して息を吹きかけた。すると覆面の特殊部隊の戦闘員はぎこちなく動き始め、自動小銃を仲間の頭に向ける。

「か、体が言うことを聞かない!」

「やめろ!やめてくれ!」

「嫌だ!助けてくれ!」

「おい、家族がいるんだぞ!」

「俺だって!娘が産まれたばかりなんだ!」

彼らはよく訓練された戦闘員で、この不可思議な状態を冷静に理解していた。少なくともこれから起ころうとしていることだけは。

「撃て。」

少女の冷たい声が判決を言い渡す。24の銃声が一斉に響き渡り、彼らの命乞いは叶わず、ただ静寂に消えていった。

「次は国会にしようかな?自衛隊の基地の方がいい?」

迷宮庁職員たちは余りの恐怖に思考が停止し、動くことすらできない。

「この平民風情が!この私、沢田タイチを敵に回して平気だとでも言うのか!次は人民解放軍を連れてくるぞ!」

そう沢田タイチが叫ぶが、他の職員たちはあることに気付いて、恐怖していた。この脅威を前にしているにも関わらず、逃げようにも体が動かないのだ。

「す、すまなかった!もう貴様らに手は出さない!」

「そ、そうだ。これは全て沢田さんの指示なんだ。」

「そうだ!俺たちは悪くない!」


「<楽園>に害を為す存在は生きて帰れないの。どんな存在だとしても絶対に生きて帰れない。分かる?人畜無害な弱者の手は永遠平和に届くことはない。敵となり得る者を悉く滅ぼした者だけが手にすることができるの。だから私たち、あなたたちを殺すね。」

アリスはそう言うと、自動小銃を拾い、彼らを一人一人射殺する。


「な、何が欲しい?金か、権力か、私ならば全てを与えられるぞ!」

そう叫ぶ沢田タイチの額には脂汗が浮かんでいた。

「まだ分からない?ここに来た時点で貴方の金も権力も、政治家としての貴方が持つ全ては無価値になったの。今、貴方の手元に残っているのは命だけよ。」

一撃の銃声が轟く。衆議院議員であり、共栄党幹部である沢田タイチは兇弾に倒れた。


 しばらくすると、<狐会>との交戦を終えた<Bee Hive>の傭兵たちがやってきた。

「死体の処理をお願いしてもいいかしら。背広を着てる方は国会議事堂の門前に投げ捨ててくれればいいわ。」

アリスの要請に頷いた傭兵たちは素早く死体を運び出していった。




翌朝、沢田タイチ大臣の死亡が報じられると共に、宮本マコト内閣総理大臣は衆議院の即時解散を宣言した。



読んでいただきありがとうございます。現在、毎日3〜4話投稿しています。

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