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迷宮動物誌 〜私と魔物たちの楽園暮らし〜  作者: ローラーコースター
第一部 三章 二節 世界を揺るがそう!

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第51話 威風堂々たる楽園の賢者 (1)

楽しんでいただけたら幸いです。ブックマークや評価、感想、誤字報告よろしくお願いします。

 私が客室に入る。吉田タケルさんやミカさん、シェリーさん、リンさんなど、見覚えのある顔ぶれもいれば、全く面識のない外国人もいる。しかし、ヘルメスが出席者全員の席にネームプレートを用意してくれたので誰が誰かはすぐに分かった。


 私が玉座の様に豪華な椅子に座ると、ヘルメスがキョウコに目配せする。すると、天使の姿になることで普通の人間にも見える様になっている精霊たちが料理を運んできた。サブテラニアンたちが作った金属製の皿は四階層で取れる宝石が散りばめられており、出席者の人たちもその精巧さに驚いていた。

 主菜は穴子と海老の天丼で、しじみのお味噌汁が付く。副菜には金目鯛の煮付け、ぜんまいと(ふき)の煮物、いぶりがっこ(秋田県の大根の漬物)が添えられている。吉田タケルさんが料理を手配してくれた様なので、お米から魚介、山菜に至るまで、一汁三菜全てが秋田県のものらしい。以前東北のダンジョンに出張に行った時も、海の幸も山の幸も、大地の恵みも、都会では食べられない美食を手頃に楽しめた。これは期待できる。


 料理が運び込まれると、ヘルメスが話し始める。

「本日は我々と地上世界のよりよい関係のため、ここ<楽園>で皆の者に出会えたことに感謝する。儂は不死の賢者、ヘルメスという。まずはささやかながら、貴殿らとの友好を願って、食事としよう。

 ダンジョン内の糧が人間に如何なる影響があるか明らかでないので、今回は自由党の吉田タケルさんが料理を提供してくださった。我々からは<楽園>での研究で人体に害がないとの結論が出た香辛料を提供させていただこう。」

ヘルメスは流暢な日本語でそう言うと、次に英語で同じ様な内容を語った。蛮勇のシグルド、アフマド・サルマン、カール・ミュラーは通訳を連れていたが、ヘルメスが話す間は彼らに仕事はなさそうだ。

 ヘルメスの話が終わると、精霊たちが香辛料の粉末が入った小皿を持って来た。ベルペッパーとハネサンショウだ。私たちが会合の準備をしている間に、シードルがこの二つの香辛料を徹底的に研究し、迷宮資源特有の有毒性は認められなかった。シードルの科学的知識とヘルメスたち魔物の知識が合わさった今、研究に不可能はない様にさえ思われた。ベルペッパーは僅かに危機察知能力を向上させる効能が、ハネサンショウは僅かな確率でスキルの発現を促す効能があることが分かった。


「黒い粉末はベルペッパー、緑の粉末はハネサンショウという。ベルペッパーは危機察知能力を向上させ、ハネサンショウはスキル発言を促進する。是非、楽しまれよ。」

ヘルメスがあくまで対等、もしくは、格上の存在として語る度に、中東の石油王アフマド・サルマンとカール・ミュラーが平常心と不快感の混ざった複雑そうな表情をする。他の面々、特に大久保アキオさんとリンさん、シェリーさんは完全なポーカーフェイスを保っていた。


 幾ら高級食材と言えど、極度の緊張が張り詰めるこの空間において食事は完全に無駄だった。誰も一言も話さず、常にヘルメスかアリスちゃんか私から目を離すことはなかった。迷宮開拓作業員の給料では中々食べられない高級食材ばかりだ。私はせっかくのご馳走だしと思い、食事を楽しんだ。

読んでいただきありがとうございます。現在、毎日3〜4話投稿しています。

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