第46話 説明と提案、そして交渉
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「迷宮開拓作業を終えて自宅に帰ると、私の家の二階にダンジョンの扉ができてました。私はそのダンジョン<楽園>のダンジョンマスターとなったので、<楽園の主>と名乗っています。
<楽園>は資源が豊かで、穏やかな魔物たちが暮らしていて、知性ある魔物も多いです。そして<楽園>は温厚な魔物を保護することで拡張できたりするので、私はしばらく日本のダンジョンを巡って、魔物の保護をしていました。アリスちゃんもその一人です。」
「ほお、では上信越高原ダンジョンで確認された未確認飛行物体も?」
「あれはユキコンドルという魔物で、透明になることができます。私はその魔物に乗って移動しました。」
まさかオモチでの移動がバレていたとは...
「アリスは飛騨ダンジョンのマスターと言っていたが、どういうことなんだ?」
「飛騨ダンジョンにはマジナイヘラサギという日本語を話す魔物がいて、迷宮庁が彼らを騙し討ちしたので、私が保護しました。アリスちゃんは飛騨ダンジョンに平和に暮らす魔物たちのリーダーであり、あのダンジョンマスターでした。そのダンジョンマスターがいなくなったので、飛騨ダンジョンは崩壊しました。」
「なるほど、ダンジョンマスターがいなくなるとダンジョンが崩壊するのか...そもそもダンジョンマスターとはどんな存在なのだ?」
その質問にはアリスが答える。
「それは私たち魔物も詳しくは分かっていない。気付いた時にはダンジョンマスターになっていたからね。私の場合なら、魔物の中でも特に強力で、知性があり、人の言葉を話すことができる存在で、いなくなるとダンジョンが崩壊するってことくらいかな。
現在人間たちは三階層の開拓に四苦八苦している様だが、私は七階層にいた。恐らく他のダンジョンの奥地にもいると思うわ。」
「では件のメールにあった"占い"は?」
それには私が答える。
「あれはアリスちゃんたちと一緒に保護した魔物にサトリワシという魔物がいて、その魔物が占った未来だよ。その信頼性はアリスちゃんも認めてる。」
「なるほど。では、トモは<楽園の主>として何を成そうとしている?」
「私は...まず<楽園>の資源を地上に売りたいかな。活動資金はあればある程いいからね。あとは権力も欲しいかな。お金と権力を活用して、世界中のダンジョンにいる保護できる魔物を保護したいんだ。その為にも地上世界は滅んでほしくない。」
「なるほど、それを聞けてよかった。先日、世界冒険者協会の東洋本部と西洋本部に報告したが、まともに取り合ってもらえなかった。対応は私に一任するとのことだ。
そこで、一つ提案がある。今週の土曜日に秘密裏に行われる会合にトモも出席しないか?」
私はどうするのが最善なのか、迷ってしまう。
「ここは私に任せてくれない?」
そうアリスちゃんが言う。
「私じゃどうすればいいか分かんないし、お願い。」
「参加するのはやぶさかではないが、条件があるわ。」
「いいだろう、条件を聞こう。」
「まず、会合は<楽園>で行うこと。そして今後<楽園>に危害を加えないことを約束してもらうわ。この条件をのめないなら、<楽園>との接触は永久に叶わないと思ってくれていい。これに同意した者は<楽園>との中立の関係を約束するわ。」
「いいだろう。」
「その上で私たちとの友好関係を結びたい者は1,000万円か、それと釣り合う対価を提示しなさい。そうすれば私たちは友好の証として、<楽園>の資源の中から欲しいものを一つ、欲しいものを与えるわ。」
「<楽園>の資源とはどの様なものだ?」
「エネルギー資源や魔法適正、スキル、薬、色々あるわ。それは追ってリストを送る。それでどう?」
「それ以外は?」
「特にないわ。」
「いいだろう。交渉成立だ。出席者には通達しておこう。」
こうして、私は目標へと一歩踏み出したのだった。
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