第41話 新たなプレイヤーたち (4)
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夜21時、航空自衛隊横田基地に一機のヘリコプターが着陸した。そこから降りてきたのは<Bee Hive>のワッペンが目立つ防弾ベストを着た特殊部隊の一団と、大きな斧とマシンガンを背負った男だった。その男は2メートルを超える大男で、名を<蛮勇のシグルド>という。
<Bee Hive>は契約次第でどんな戦場にも赴く傭兵組織だ。陸海空そして迷宮、どんな戦いでも最善を尽くすことができる戦士たちが多数所属している。日本の魔物氾濫の鎮圧にも多大な貢献があった為、彼らはこうして自衛隊のヘリポートを秘密裏にではあるが使うこともできる。
その代表であるシグルドは常勝の英雄だった。南米や西アジアの紛争で幾つもの戦況を覆し、デンマークの迷宮開拓を一人で導く存在で、世界冒険者協会は彼を<英雄>に認定している。
つい二週間前、彼らにはとある護衛の仕事があった。それはとある企業のCEOがメキシコにいる間、現地の麻薬カルテルから守ってほしいというものだった。そのCEOは実は反カルテルの政治家をしており、カルテルは彼の命を狙っていた。任務四日目の夜、遂にカルテルは彼らとCEOが滞在していた地区を包囲した。そんな時に助言をくれたのが<楽園の賢者>という人物だった。彼のお陰で仕事は成功、200万ドルの報酬が支払われた。
つい三日前、彼の主人である<楽園の主>から一件のEメールが届いた。翻訳した結果、それはある種の未来予知ともとれるものだった。論理的根拠は皆無の内容だったが、シグルドの戦士の勘は何かを感じ取り、この来日に至った。
時の同じくして小野寺ミカは四ツ谷の豪邸で母にとあるEメールについて、事の顛末を話していた。母は日本屈指の財閥、小野寺グループの代表である小野寺カナデだ。日本各地のダンジョンでの異変と<楽園の主>からのEメール、それが一人の日本人、小田原トモが関与している可能性が高い事。そしてそのEメールがこの夏に迫っている危機の予言になっていること。小野寺カナデは一世一代の商機であることを感じ取っていた。
「わかったわ、ミカ。私はその危機に備えて物資を調達するわ。今後の交渉はあなたに任せるわ。忙しくなるわよ!」
小野寺グループの経営から遠ざかるために冒険者になったミカは大きなため息を吐いて、世界冒険者協会に報告しようとスマートフォンを起動する。すると、秋野アンナ支部長からの連絡が来ていた。
『至急日本支部に出向する様に。』
「今度は何が起きたのよ。」
再びため息をついたミカは世界冒険者協会日本支部に向かった。
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