第12話 ミーと言われても困るから鮎を食べる
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翌日、私たちは奥多摩ダンジョンの三階層に辿り着いた。冒険者たちの前線基地を避けて進むとすぐに水場があり、そこに次の保護対象がいた。水場の泥にうずくまる、大きなサンショウウオだ。
「こんにちは。あなたがドロクイサンショウウオさん?」
私が話しかけてみるが返事はない。
「ミー。」
代わりに愛くるしい鳴き声が返ってきた。一匹が鳴くと他のサンショウウオたちもこっちを向いて、「ミー。」と鳴いて、のそのそと歩いて私を囲んだ。
「かわいいの!」
ニコもはしゃいでいる。
「あなたたちを平和なところに連れて行きたいんだけどいい?」
「ミー。」
これじゃあいいのか悪いのか分からない。
「ニコ、これはいいってことだと思う?」
「嫌な気分は感じられないし、大丈夫だと思うの。」
「じゃあ送るね。」
私は目の前のドロクイサンショウウオたちを転移させて、[楽園の灯台]を確認する。しかし、保護は50%と表示されていた。バステトに頼んで他の水場を回ると、少し離れた川辺にドロクイサンショウウオの群がいた。やはりこの子たちは「ミー。」と鳴くだけ。彼らを転移させると保護は完了となった。
三日かけてダンジョンを出ると、丁度正午。ニコとバステトには隠れてもらい、私は奥多摩ダンジョン周辺を少し散策する。開拓初期は建物の建設が禁じられていたダンジョン周辺。その影響でとにかく屋台が多い。夏祭りにでも来た気分だ。
屋台通りを抜けると迷宮商店街があった。ダンジョン周辺の商店街はダンジョンで稼いだ冒険者たちや開拓作業の現場監督、つまりは私の上司たちのための高級店が多い。あとは武器屋や雑貨屋といった、これからダンジョンに行く人たちの追加物資を売るお店が殆どだ。
結局屋台に戻ってきてしまった。こういう屋台は反社会組織が絡んでいるものも多いと聞くが、仕方ない。私は鮎の塩焼きを三本買うことにした。ニコとバステトに一本ずつあげるとすごく喜んだ。
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