0004 自由とバトル
ロクは二つのことを叶えてもらった。
一つ。拷問も幽閉も解いてもらった。
一つ。自分がどうしたいか聞いてもらった。
ロクは森の中で鹿や鳥たちと暮らし、木の実を食べて生きていた。
いつの間にか、一人の人間に会った。
名をリベル。
東の国のお城から逃げてきたお姫さま。
「あ、あの。」
ロクは息を吸い込んだ。
「どうしたんだい?マドモアゼル?」
なるべく、柔らかく頬を触って優しい目で話しかけた。
「………………。他国の王子でいらっしゃいますか?」
「こっちにきて、水と木の実しかないが食べるかい?」
「………はい。」
シンシアはロクに言った。
「ロク様、今日は良い天気ですね。うふふ、リスさんおはよう。」
「昨日、君が引っ掻けたドレスを編んでいた所さ。さあ、隠れてるから、着てみて。」
ささ、と町で仕入れた侍女が着せます。
「素晴らしい、レースが編み込まれている。」
「じゃあ、ぼくは仕事にいってくるよ。侍女は彼女の世話を。」
「いってらっしゃいませ、ロク様。」
「お気を付けて。ロク。」
「ロク兄ちゃん!今日は誰と対戦するの?!」
男の子たちが集まってきた。
「うん、分かってるよ。今度も勝つよ。」
「頑張ってね!」
「応援してるから!」
森から町に降りてきたロクは競技場に急いだ。
「手渡り金はこれでいい?」
「おうよ!今回も金儲けさせてくれよ!オグリキャップ!」
ロクは衣装を、着るとリングに入った。
「では!位置につきましたね!」
審判が銃を上にして打つと、ロクは安全装置を解除した拳銃でうちながら、物陰に隠れた。
「よしっ!」
サバイバルバトルの始まりである。
ルールは一つ。町の修理代は自分で払うこと。




