0003 剣
剣は見事だ。
ロクは邪神ロキに似てるから、その名がついた。
ロクは脆弱魔法でとらえられ、要塞を人間が作って幽閉した。
不老不死なので、いろいろ研究されて、拷問された。
何かどうでもよくなり、牢獄の中で鳥を殺して食べたりして、また牢獄の中で鎖で捕まってた。
ロクの対処はどんざいで、とにかく人類に危害を加えなければ大丈夫だったか、普通の感性を持っていた獣くらいの人権しかないロクは特に何もされなかった。
ある日、何処かの村に逃げた時、懐抱してくれた考古学者から、昔の言語を通して、今の言語がわかるようになった。
「魔王って、何だ?」
「ああ、何処かで言葉でも学んだか?」
魔王の説明を受けたロクは驚愕した。そして、早口で言った。
「オレにその魔王を殺させてくれ。」
魔王は人口の1/3を殺していた。
「何がいる?まさか、銃でも使うのか?このバカは。」
皆で笑ってた。
「剣をくれ。」
一人の憲兵が一振の飾り剣をロクにほおった。
ロクはぶら下がっていた鎖を取ってもらった。
魔王が手前まで行った。
ロクは走った。手の殴打が来た。
切断した。
足の一つがはね避けようとした。
切断した。
巨大な翼が左右から襲ってきた。
切断した。
パンッといい音がした。
魔王には、唯一殺せる場所が無い。
でも魔王は、それが粉々になった。
辺りは静まりかえった。
そして、大量の歓声となった。
「何か強すぎるぞ!」
「あの、子供が握手したいって。」
「これで飢饉にならずにすむ!」
大量の音にロクはくらくらした。
幽閉するしないの所ではなくなった。




