龍谷ミュージアム「ギリシャ・ローマ文化と仏教」に行ってきました。
先週は、神戸市立博物館「大ゴッホ展」に続き、土曜に英語ボランティアのワークショップ、そして日曜日には龍谷ミュージアム「ギリシャ・ローマ文化と仏教」展、「文学フリマ京都」、大垣書店のブックフェアと出ずっぱりな鷲生。
前回「大ゴッホ展」のことを書きましたので、次は龍谷ミュージアム「ギリシャ・ローマ文化と仏教」(※1)について。
龍谷ミュージアムというのは、浄土真宗の西本願寺さんがやってるミュージアムです。
同じ西本願寺さんの大学=龍谷大学と同じ名前ですね。
京都には国立博物館や国立近代美術館があったりするので感覚がバグってしまい、鷲生は長いこと「小規模な」大学ミュージアムだろうとたかをくくっていたのですけれども。
2フロア合わせて面積もありますし、そしていつ行っても展示がむちゃくちゃ面白い。
もちろん、仏教がテーマなんですが、この西本願寺さんてシルクロードへ大谷探検隊を派遣してましたからね。
自前でガンダーラ仏とかたくさん所蔵してらっしゃるんですよ。
それに全国の浄土真宗西本願寺派の元締め的な立ち位置です。
ちなみに。
国の統計や葬儀関係者の統計をGoogleのAI君がまとめた結果では、日本で一番大きい仏教の宗派は浄土真宗1500万人で、2位の浄土宗600万人を大きく引き離しています。
浄土真宗本願寺派(西本願寺)と大谷派(東本願寺)とでは、前者の方が過半を占め、この西本願寺派だけでも日本で最大ということになります。
系列のお寺さんも津々浦々に。そしてそこから展示品を集めやすい立場でしょう。
もちろん、別に内輪だけじゃなくて色んな博物館からも展示品が貸し出されます。
規模の大きさや立場、これまでの実績もあってのことでしょう。
「半蔵門ミュージアム」「平山郁夫シルクロード美術館」の所蔵品も龍谷ミュージアムで見かけたことがあります。
それからシルクロードのベゼクリク石窟の壁画が再現展示されていて、すっごい迫力です。
というわけで。
これまで鷲生が出かけた展覧会でも、シルクロード関連の品はよく出されていました。
今回はさらに西、ギリシャ・ローマ文化です。
鷲生は昨年フランス旅行に出かけ、ルーブルでミロのビーナスとかサモトラケのニケをはじめとするギリシャ・ローマの彫刻を見てきたばかりで、興味津々で出かけました。
こうして東洋の仏教美術との関連という視座から見たこの展覧会、面白かったです!
展示の第一章は「仏教とは」というタイトルでした。ガンダーラの仏立像が膝を突き出した「コントラポスト」。
この「コントラポスト」ってルーブル美術館の予習をしてた中でも見かけましたよw
「ナーガの上の仏座像」(カンボジア)。
ナーガは「龍」の原型になったと、鷲生が龍の出てくる和風ファンタジーの下調べをしていたときに出てきた記憶があります(※2)。
あと、鷲生の仏教の知識は『聖☆おにいさん』から得たものが多いんですが、ここでやっと「ムチリンダ」の元ネタが分かりましたw
第2章「釈尊の教えとその継承」にあった、「アショーカ王碑文拓本」(ルンビニー)。
大谷探検隊がとったものだそうですが、明治の頃に、自分自身の信仰の先達を訪ねるというのは、単に学術目的以上の感慨があったのではないかと思います。
鷲生が、西洋美術でキリスト教関連の作品を見たときに、もちろん物見高いツーリスト・素人美術愛好者としても見てますが、同時に「ありがたい」という気持ちも感じますからね。
(そういえば先週の神戸市立博物館の常設展で「ザビエル像」があり、他に誰もいなかったので鷲生は十字を切ってから近づいたんですが。実は複製で横転しましたw)。
第3章「大乗仏教とガンダーラ・西域」では、ガンダーラから出土した仏伝浮彫「誕生」「出城」「マーラの誘惑」が並んでいます。
……スミマセン、それぞれ『聖☆おにいさん』のキャラにどうしても置き換えてしまいます……。
そんな中でカシャラールから出土した「菩薩頭部」
東洋と西洋がほどよく融合した、端正な美しい顔立ちです(「菩薩頭部」「カラシャール」「龍谷大学」のキーワードで検索すると、画像が見つかると思います※5)。
今度の鷲生の次回作では西域出身の女性を登場させたいんですが、イメージビジュアルはこれで行こうかな?と思いましたw
ここから先は、ギリシャ神話の題材を扱ったガンダーラからの出土品が並びます。
「アプロディーテーの湯浴み(かと思われる)」「ケートスに乗る女性」「海馬」「獅子グリフィン」などが描かれた化粧皿。
アトラス像にケンタウロス像。
「獅子の皮をかぶった」彫りの深い男性の頭部。これは、執金剛神なのだとか。
ヘラクレスが変化して執金剛神になったんだそうですね。
ほんとうに西洋風なので、ヨーローッパのミュージアムに「ヘラクレス像です」って飾ってあっても疑わないと思います。
鷲生は前述のとおり、昨年秋にフランスに行って、ルーブルを見てきたわけですが。
フランスの美術館において見たギリシャ・ローマの作品群と、今回この展示で出てきたガンダーラにおけるギリシャっぽいアイテムとは少し印象が異なりました。
現代のヨーロッパのミュージアムにあるものは、それが「西洋美術の模範だから」という理由で受け継がれ、特にルネサンス以来のアートの基礎となってきたものであり、全体に洗練されたものが残っているように思います。
今回の龍谷ミュージアムに出ていた、ギリシャ・ローマ文化が東へ伝播して、そののちガンダーラで出土した品々。
そこに描かれているケートスとか、グリフォンとかの造形は、人間社会のより深層の共通イメージに訴えかけてくるような印象。
西に伝わった遺品とはまた違った一面だと思います。
東に伝わり、土俗的なところで人間のクリエイティブさに訴え、その後、仏教の中にとりこまれてきた長い長い系譜。
それが、ユーラシア大陸の東の果ての日本にまでやってきて。
世界の壮大さ、歴史の雄大さを感じる展覧会でした。
いや、ホントはまだ第2部の「日本の仏教」の展示があるんですが、ここで気力体力を使い果たしてしまったので、また次回に来ます。
鷲生の場合、割と近くに住んでいるから来やすいのもありますが、ここの展覧会はお値段も親切なんで複数回に分けて来やすいんですよ(大人700円です)。
さて。
この日のお昼ご飯は、とあるレトロなビルの飲食店に入ることにしました。
そのレトロモダンな建築は、登録有形文化財(建造物)。文化遺産オンラインにも載っています。
「富士ラビット」という自動車販売会社の社屋として建てられたものだそうで、クラシックなステンドグラスが外からも見られます。
鷲生もこの建物の前を通るたびに「素敵な建築だな~。中に入ってみたいな~」と思いつつ、果たせないままでした。
それはなぜか。
文化財クラスの古い建築が飲食店として活用されている……と聞けば、どんなおしゃれなカフェなのかとお思いの方もいることでしょう。
そのオサレさに鷲生がビビって入れないでいるのではないかとお思いの方もおられるかもしれません。
……いや。鷲生が入れないのはそっちじゃなくて。
ここに入っている飲食店、「なか卯」なんですよ。
え?「なか卯」?あの牛丼チェーン店の?
ええ、そうです。その「なか卯」ですw
鷲生もオバはんとはいえ、牛丼屋さんに入るのはハードル高くて。
ほら。
別のチェーン店ですけど、某吉〇家なんか次のコピペで有名じゃないですか。
「〇野家ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
Uの字テーブルの向かいに座った奴といつ喧嘩が始まってもおかしくない、
刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。」
(このネタ、リアルタイムで知ってますw)。
だから鷲生は怖くて女一人で入れないんですよ、牛丼屋さんにw
今回は友人が一緒だったので、中に入れたという次第。
食券を買って待っている間に、中からステンドグラスなど写真に撮りました。
レトロモダン建築と牛丼チェーン。
このミスマッチさがなんともw
「なか卯 七条新町店」で検索すると、建物写真と一緒に投稿されている方が多いですね(Googleの口コミもそうです)。
さて。
ここで腹ごしらえをして、次は東に向かって岡崎公園での「文学フリマ京都」に向かいます。
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※1 龍谷ミュージアム「インドから日本へ- 特集展示:ギリシア・ローマ文化と仏教」
https://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/2025/series_18/
※2 龍呼ぶ妃 落ちぶれズボラ姫のいとも華麗なる適性
https://kakuyomu.jp/works/16818093089804560621
※3 神戸市立博物館「聖フランシスコ・ザビエル像」
https://www.kobecitymuseum.jp/collection/detail?heritage=365020
今回は複製しか見られませんでしたが、神戸にいた昔、家の近所に南蛮美術館ってのがありましてね。そこの収蔵品だったのでそこで見たことあります。
※4 たとえば、龍谷ミュージアムのXアカウントでも紹介されています。https://x.com/ryukokumuse/status/1422031902253338629
※5 文化遺産オンライン 「富士ラビット」
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/114197




