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京都に住んで和風ファンタジー(時には中華風)の取材などする日記  作者: 鷲生 智美


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10/13

福島・東京にも巡回!「大ゴッホ展」に行きました!

 1月も中盤になって、鷲生はやたらお出かけしまくっておりますw


 先週の平日には神戸の「大ゴッホ展」に行ってきました(公式ウェブサイトは※1)。


 週末は……。

 

 土曜日には英語ボランティアのワークショップ。


 そして日曜日は、午前中に龍谷ミュージアムの「ギリシャ・ローマ文化と仏教」展へ、そして地下鉄のりついで「文学フリマ京都」へ、そしてまたまた地下鉄に乗って大垣書店のブックフェアへ。

 盛沢山な一日でした。


 さて。

 まずは今回、神戸の「大ゴッホ展」の話題から。

 有名な「夜のカフェテラス」が来る展覧会ですが、神戸の後は福島、東京へ巡回します。


 神戸市立博物館へは阪神淡路大震災30年を記念してという趣旨で昨年秋にやってきました(1995年に起きたので2025年で30年です)。

 なので、次の巡回先が福島なのでしょう。


 鷲生は2000年にオランダに住んでましたが、Kyotoから来たと周囲のオランダ人に言うと、同じK始まりだからか神戸と勘違いして「大地震があったところじゃない? 大丈夫だった?」と真剣に心配してくださった方がいます。


 オランダ人は情に厚いというか、大災害や大事故があったら追悼パレードに人がたくさん参加しているのをニュースでみた記憶もあります。


 今回もオランダのクレラー・ミューラー美術館が、その美術館にとっても主要作品である「夜のカフェテラス」を貸し出してくださってありがたいことです。


 さて。

 この「夜のカフェテラス」、ゴッホ作品の中でも「星月夜」「ローヌ川の星月夜」などと並んで有名&ファンの多い絵でしょう。


 鷲生も大好きです。

 オランダに住んでた時にクレラー・ミューラー美術館にも行きましたし、自宅におっきなポスターを飾ってもいます。


 大人気のこの作品。

 むっちゃくちゃ混みますよ、この展覧会。


 会期の初めの方は平日は予約なしだったんですが、年が明けて1月から平日でも予約制になりました。

 また、予約制にしたことで、ある程度人数を制限しているはずですが、この作品の前は激混みです。

 会場では最前列で見たいのなら長い列に並ばなければなりません。そして絵の真ん前に来ても、そんなに長く留まれません。


 最前列の後ろから見るのなら並ばなくてもいいですが、そのスペースも人がいっぱいで押し合いへし合い順番を譲り合っての鑑賞です。


 これから見に行かれる方は、平日とか、会期の初めの方とか、早いうちから混雑回避の手段を講じた方がいいですよ。


 ゴッホの作品としては、比較的前期のものが来ています。


 正確に言えば、この展覧会は二期あって、この「夜のカフェテラス」が来るのが第一期、そして2027年に第二期がはじまります(「アルルの跳ね橋」が来ます)。


 公式サイトから引用しておきます


「阪神・淡路大震災から30 年の2025 年に開催する第1期では、オランダ時代からパリ時代を経てアルルに至る画業前半を紹介し、誰もが知るファン・ゴッホになるまでを辿ります。そして2027年に開催する第2期では、《アルルの跳ね橋》などが来日し、アルルから晩年までの画業後半に迫ります。」


 初期のゴッホの作品は、手堅い地味なものが多いです。


 鷲生が8年ほど前にアムステルダムのゴッホ美術館に行ったときに、そのキュレーションで「ゴッホは、狂気の画家、孤高の画家というイメージがあるが、そうではなく、きちんと基礎を身に着け、他の画家の作品もよく見ていた(ついでに、精神疾患罹患後も、実際に作品が描かれたのは病状が落ち着いたときであり、発作的に書きなぐったわけじゃない)」という趣旨を強く押し出したものでした。

 確か、キュレーションの世界的な賞を受賞したとかだったかと。


 今回の神戸の展示でも、堅実な作品が並んでました。


 一方、ゴッホ個人の関心としては、働く人への興味が強く、今回は職工を描いた絵がたくさんありました。

 織機の造形にも惹かれたようです。


 なんか似たような感じの絵がずらっと並んでいましたが、鷲生が個人的に記憶に残ったのは、職工の姿勢が「コレ、腰痛めるんちゃうかな」と思われた絵の隣に、座って織ってる絵があって「あ、こっちは大丈夫」とホッとしたんですよねw

 あと、窓からの明かりが印象的な職工の絵もありました。


 身重の元娼婦と所帯を持ちたいと思っていたそうで、彼女と彼女の幼い子、赤ん坊とを描いた絵も何枚かありました。この関係は続かず、残された絵を見ているとなんだか切ない気持ちになります。


 それから、ニューネンの教会を描いたのも2点あったかと思います。


 肖像画が並んでいるあたりでは、顔の色彩を決めてから背景の暗さを決めていたという意味の解説があったかと。

 無骨な男女の中で、比較的若めで綺麗めの女性の顔が一番暗く描かれているのが少し印象に残りました。


 ここまでの絵は全体に色調が暗いです。

 あのゴッホの作品であるというありがたみがなければ、ぶっちゃけ、一般受けはしないのではいかとw。


 そのエリアを過ぎると、『秋の風景』というタイトルの絵がありました。

 これ、ネットでは『4本の木のある秋の風景』というタイトルの方が一般的なようです(※2)。


 この画像だけ見ると、どうってことないように見えますが、この展覧会でゴッホの画業を時系列に沿ってみていると、この絵がポンっをカラフルに見えるんですよ。


 たしか解説にも「この絵でゴッホは色彩感覚に自信をつけた」って感じの内容があったかと。


 鷲生、この絵の前で思いましたよ。

「うん! 自信もってエエよ!」とw


 鷲生は昨年フランス旅行に行ったのですが(旅行記エッセイはコチラ ※3)。


 自分で行きたくて行ったのに、行きのフライトで気が重くなってしまったんですよね(長いフライトで疲れた。疲れている中しんみり自分の人生を振り返ってたらしんどくなった。そして、家人が海外旅行の危険性を言い立ててた……などなどの理由です)。

 そんな鷲生がシャルルドゴール空港で飛行機から出るときに、背中を押してくださったのが、フライトアテンダントさんの柔らかい日本語でのアナウンス。


「皆様。パリは美しい紅葉の季節を迎えております。芸術の秋をお楽しみになれますよう」


 ヨーロッパの紅葉は、日本の「赤」とは違って「黄色」です。

 日本の赤のくっきりした色も素晴らしいですが、ヨーロッパの秋の、黄色から、赤みがかった黄土色、茶色にかけてのさまざまな色調の渋い色合いも美しいものです。

 

 そのヨーロッパならではの、地味ながら繊細な華やぎを、ゴッホの絵が巧みに描いていると思ったのです。

 うん、この絵は確かにヨーロッパの秋の美しさを伝えていると思います。


  この「秋の風景」あるあたりから、「夜のカフェテラス」を最前列で見たい人向けの行列が始まりますw

 この部屋じゃなくてもっと奥の部屋にあるんですが、その部屋に入るための列の最後尾がこの辺りなんです。


 そんな行列があるお部屋には、マネやモネ、ルノワールなど、ゴッホと同時代(少し上)の画家の作品が。


 マネの作品の前、鷲生の隣にいた若いカップルの女の子が舌足らずな口調で彼氏に「なんか有名な絵とかないねー」というもんですから、ムカーときた鷲生。

 そりゃ「オランピア」とか「草上の昼食」のような名作ではありませんが、ここまでのゴッホの地味で武骨な絵を見てきた後に見ると、やはり洗練されている雰囲気があり、少なくとも違う画家だな、くらい感想は持ってしかるべきなのでは?

 つまんない、と思っても口に出すのはやめていただきたい。

 

 その隣にはルノワール。室内の女性二人の絵画です。こちらはルノワールで思い浮かべる定番の雰囲気です。


 その隣に、モネ「フールチェ・ファン・デ・スタット嬢の肖像」。

 モネの作品と知って違和感を覚えたのは、室内の肖像画だから。

 それに遠目に見ていると(列に並んでいるので自分の好きなタイミングで近づけない)、金髪はつややかで服の生地も滑らかに見える。点描点描のモネの作品とは思えない……ところが、列が進んで至近距離で見ると、やっぱりざっくりした筆致なんですよ。

 印象派の絵は遠くから見たときにパキッっと活き活きして見える、そのことを改めて実感しました。


 そして、いよいよ「夜のカフェテラス」

 いや、良かったです。

 やっぱり実物はイイです!(我が家には、実物より大きなポスターがあります。オランダの大学の回廊で、いろんな画家のポスターが売ってて、当時は今みたいに円安ではなかったので日本円にして1000円切るくらいのお値段でした。それで買ってきたんですよ)。


 いろんな色味の青と、レモンイエローをハイライトとする明るい黄色の組み合わせが印象的です。

 この絵の説明によると、それまで夜空は黒で描かれているのが普通で、こんな紺色というのはあまり例がなかったとか。


 この日の神戸市立博物館、鷲生は常設展示も見たんですが、そちらに浮世絵、歌川広重「猿わか町よるの景」が展示されてまして。

 これの構図が、「夜のカフェテラス」に影響を与えたのではと解説されてました(同趣旨のネット記事はコチラ ※4)


 この「夜のカフェテラス」を含め、それ以降の作品のいくつかは写真撮影可でした。


 ゴッホの自画像もありましたよ~。

 モデル代が払えないので自分の肖像画を描いていたという説明があったような。


 冒頭で述べたように、今回の展示はゴッホの画業の前半なので、この肖像画も比較的早い段階で描かれたものです。


 wikiで「ゴッホ」「自画像」で検索したところ、以下のような記述がありました。


「ファン・ゴッホは10年ほどの画業の中で、パリに移住して以降約38点の自画像を描き残した。これは、印象派や浮世絵との出会いによる意識や画風の変化の他に、現実的なものとして、彼がモデルを雇う金がなかったため、手っ取り早く自身を描くことにしたというものと、まず自画像を描くことで他人の肖像画を上手く描けるようになるための習作としたという理由が考えられている。また、パリ移住以前の自画像がないのは、像が映るほどの大きさの鏡を持っていなかったためとされている。」


 この38点の自画像のうち、今回の大ゴッホ展」にきたのは、10作目にあたるものですが、このwikiに載っている画像よりも全体に色合いがぐっと明るいです。


 この辺りに展示されていた絵は、本当に色彩が鮮やかで、私たちがゴッホの名前を聞いて思い出すようなカラフルな絵が並びます。


 2027年ではゴッホの画業後半の絵がやってきます。

 クレラー・ミューラー美術館はいいコレクションを持っていますから、2027年の第二期も楽しみです!


 神戸での会期は2月1日(日)まで。

 福島は2026年2月21日(土) ~ 2026年5月10日(日)、東京は2026年5月29日(金) ~ 2026年8月12日(水)@上野の森美術館です。


 おすすめですよ~!


*****


※1  「大ゴッホ展 ゴッホの傑作、日本へ」神戸・福島・東京会場共通の公式サイトです。

https://grand-van-gogh.com/


※2 神戸会場で壁にかかっている写真を「美術手帖」ウェブサイトで見られます。

https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/31411/pictures/8


※3 「パリの京都人」 

https://ncode.syosetu.com/n4467lk/


※4 ぴあ関西版web「ゴッホと浮世絵 夜のカフェテラスとのつながり .【オフィシャルレポート】」

https://kansai.pia.co.jp/interview/art/2025-12/grand-van-gogh.html

 


 


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