00. エピローグ
特に書き溜めとかは無いのでちまちま書いていきます。
この話はプロローグの間違いではなく、エピローグです。ここに至るまでの物語が一章になります。のんびりお付き合いいただけると嬉しいです。
暗闇の先には何がある?そんなの、暗闇の先にも暗闇しかないに決まってる。
それでも、光があると信じて、うちらは歩いていかなきゃいけないんじゃないのかな。
…って、ちょっとポエミーすぎ?
「果てしなく遠い、夢だとか、奇跡だとか言われることだったとしても。叶う可能性が少しでもあるならさ、やるしかねーじゃん。それに縋れないなら、もうとっくに諦めてる」
ベッドに横になったまま、テレビを見る。うちも当事者になった、世界二度目の“ダンジョン災害”により、世界中に多数出現した街や都市を巻き込んだ現実反映型異空間ダンジョンの一つが、攻略されたというニュース。攻略されたのは中国のダンジョン。日本では四神ダンジョンと呼ばれている、青龍、白虎、朱雀、玄武という、厨二病を罹患した事がある人間にはお馴染みの四体のダンジョンボスがいるダンジョンだ。その四体が住処としていたダンジョンがクリアされた事により、ボスモンスターのみが居る第五のダンジョンが現れ、そのダンジョンもクリアされた、というニュースだ。…知っている。このニュースは何度も何度も放送された。動画投稿サイトにテレビ局のアカウントで投稿されて、既に200万回再生が回っている。今うちが見ているニュースだって、スマホを繋いで動画投稿サイトから見ているだけだ。このニュースがリアルタイムで放送されていた頃、うちはダンジョンと化した学校でボスモンスターと戦っていたっていうんだから、本当に笑えない。
…何人死んだんだっけ。いや、何人生き残ったんだっけ。助けた相手に暴言を吐かれた回数は?陰口を叩かれているのを聞いたのは何回?嗚呼、石まで投げられたっけ。……それもこれも、うちの被害妄想だったかも。
『──通称、四神ダンジョンと呼ばれる四つのダンジョンをクリア後、現れたボスモンスターのみが存在したダンジョンのボスモンスター名は黄龍と発表がありました。この黄龍を倒しダンジョンをクリアした後、四神ダンジョンに飲み込まれ、死亡、もしくは行方不明となっていた人々が、保護されたという情報が入っています』
ニュースのアナウンサーの声で、我に返る。死者蘇生、という言葉が脳内に木霊し、口の中が乾く。そこに、たぶん、救いがある。
「ママも、クラスメイトも、先生も……■■も。ダンジョンを全部クリアすれば、生き返るのかな」
うちはもう普通からは、多分外れた。凄く強い力は無い。けど、なんとか戦える力は、ある。
「空央市72個のダンジョンをクリアして、ママを、■■を、皆を、生き返らせる」
それが、うちの願い。うちが生きる為に、心の支えにできる、目標。
『夢じゃダメだよ。夢は見るものだからね。進路は夢じゃなくって、目標じゃなくっちゃ。目標は叶えるもの。だから、ちゃんと考えて。ママみたいに失敗したくないでしょ〜』
ママ。これは夢じゃないよ。これは目標。絶対に叶えるって、決めたんだ。
『私を助けて、美優』
■■、助けられなくてごめんね。一人で死なせてごめん。約束、破ってごめん。これから、助けに行くよ。
『もう、頑張らなくっていいんだよ。美優はじゅうぶん、がんばったじゃん』
生き残ってくれてありがとう。うちの為に泣いてくれてありがとう。でも、うちは行かなくちゃ。
ようやく、ベッドから起き上がれる気がした。
深山美優
空央西高校に通う普通科三年生。勉強は出来ないし頭の回転もあまり早くないけど、運動神経抜群で容姿も派手だけど間違いなく可愛い方。視野が狭くて楽観的。友達思いで情が深い。
一人称はうち。
リアルなJKの大多数の一人称はうち。だけど文章に落とし込むの難し過ぎて一人称うちにしたの若干後悔してる。