サイケデ・ニャイトーサイコでハッピーな独白ー
彼女は煙草を吸っていた。
「仕事の依頼、いいよ、ドンドン頼んでよ、アタシはコロシが趣味だからさ」
フリーの殺し屋で、フリーの傭兵をやっている。
「ちなみに彼氏もいないから、フリーだよ。まっ彼氏たちは全部、ウンコになって流れたけどね」
煙をいっぱい吹かして、瞳を瞑る。
「はぁ、サイコウだな、煙草ってやつは神よりもヘブンだぜ」
スプレーでサイケに壁を噴射する。
何も考えず、何も喋らず、
「アタシは多分、物語ってやつに出たら、刹那的に終わるキャラなんだろうな」
彼女の瞳はどこか虚ろで
口元は笑っているけど、
心は空虚で
猫耳はしょげていた。
「アタシを満足させられるのは、コロシだけなんだ…だから、コロシテルしアイシテル」
依頼者は、無言で、手紙を渡す
煙草を口元に咥えながら封筒の封をご丁寧に開けてターゲットの名前とデータをみる。
「ふうん、なるほどね…ふんふん、へぇー、どうやって、コロソウかな~」
戦争の無い時はこうして、依頼のお金で
煙草やクスリ、酒、カラースプレーを
買って部屋を彩る。
キモチよくなった時は酩酊状態に入り、
境界線が曖昧になる。
「はぁ、サイコ、退屈で窮屈な世界にはオサラバ、ジンルイ、ミンナ、シネバいいんにゃ」
彼女の姿は猫耳の姿と猫の姿の半々になる
グロテスクで、化物じみた見た目に…
だが、生きとしいける物は獣だろう…
見た目はどんなに取り繕っても
生きてる限り獣は消えない…
どんなに整形したとしても…だ
彼女は、昔は真面目であった。
マトモ、ゲンカクな家庭で育ってきた…
だが、終末事変によって…家庭は崩壊し
全てが変わっていった。
家族が殺され、バラバラになって
食べられる様を見て、何かが変わった…
崩壊していった。
何があったのかはもう、覚えていない。
もう、何人何千人何万人殺したのだろう
サイケデ・ニャイトは
ニンゲンもネコミミもキツネミミも
食らって食べて、たべてきた。
数多の肉を食すのも彼女の趣味だった。
どの生物もそれぞれに違った匂い、味がする
煙草を吸ってきた肉の味は…苦味があって、
反対の肉の味は新鮮さがあって、
特に野菜を食べてきた肉の味は美味しいと感じた。
彼女にとって、普通は地獄であり、絶望そのものだった。だからこそ、サイコに生きたい…生きたいからこそ、趣味としてコロシ、趣味として食べ、趣味として笑うのだ。
サイケでサイコな猫耳の話、
今日も今宵も、誰かの家にピンポンと
呼び鈴を鳴らし、混沌と狂気のままに
赤く血に染めるのだろう。
「こんばんにゃ~!タノシモウ!」
ナイフで首をかききる。
悲鳴、悲鳴…狂気の戦慄…、
「あっあなたは化物よ!」
「ふふふ、もうとっくにアンタも化物だよ」
ナイフで喉元を突き刺し、笑顔で首を切り落とす。
「やっやめて、どうして、お父さん、お母さん!」
「ごめんにゃ、これが、趣味だからさ」
振り下ろされる死の刃…
終わり終わられ、ケタケタと笑い
闇は増幅し、狂気は増す。
残酷で狂気な猫耳の話…