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第6話:入学試験(4)

 筆記試験を終えて、俺は受験会場を出た。


 腹が減ったので、俺は学食に向かった。


 クリスタリア魔術学院は名門校なので、学食も非常に大きい。


 ここの名物は、安くて旨いカツカレーだ。


 初回なので、無難に名物を食べるべきだろう。


 俺はカツカレーを受け取って、席に座った。


 今日は入学試験の日だが、在校生は課外活動をしているので、意外と席は埋まっている。


「君も受験生だよね? 隣に座ってもいいかな?」

 カツカレーを食べていると、誰かが話しかけてきた。


 顔を上げると、銀髪碧眼の美しいエルフの少女が立っていた。

 手には、野菜炒め定食を持っていた。


「ああ。構わないぞ」

「ありがとね」

 そう言って、少女は俺の正面に座った。


「私はセレナだよ。よろしくね!」

 俺を見て、セレナはニコニコと微笑んでいた。


「俺はアレクだよ。よろしく」

「アレクくんは、試験の結果はどうかな? 私は自信あるよ? 多分、全問正解だね!」

 恐らく、セレナも俺と同様に、30分で全問解き終えたのだろう。


「奇遇だな。俺も、多分全問正解だよ」

「そうなの? それなら、二人で自己採点しようよ!」

 俺たちは急いで昼食を食べ終えて、自己採点を始めた。


 お互いの解答は概ね一致していた。

 もしかすると、試験官次第では記述問題で何点か引かれるかもしれないが、合格ラインは超えているだろう。


 そして、残るのは最終問だけとなった。


「セレナは、最終問はどんな感じで答えたんだ?」


「私? 虹色魔法は、自然魔法を使えば簡単に作れるよね? 何が難しいの?」

 セレナは、不思議そうに首を傾げていた。


 エルフはに長けた種族であり、生まれながらに魔法を使いこなすことができる。


 自然魔法は、エルフだけが使用できる魔法であり、非常に強力な効果を持つ。


 自然魔法を使えば、各種属性魔術を混ぜ合わせて、虹色魔法を作るのは簡単だ。


「……え? その解答でいいのか? それができるのはエルフだけじゃないか」

「うん。私はエルフなんだから、何の問題もないよね? 誰も文句は言わないよ」

 セレナの胸では、☆☆☆☆☆のバッジが輝いていた。


 エルフは公爵家待遇で扱われ、魔術学院でも優遇されるので、この解答でも満点を得られるだろう。

 もし、平民の俺がその解答を真似たら0点だ。


「ところで、アレク君の解答はどんな感じなの?」

 俺は、セレナに最終問の解答を見せた。


「うーん……確かに、この方法でも虹色魔法は作れるだろうけど、面倒だね」

「これは試験問題なんだから、手間暇かければ誰でもできる方法を答えるべきだろ」

「そういうものなの? ……人間って、変わったことをするんだね。……それに、アレク君なら、こんなことをしなくても、もっと簡単に虹色魔法を発動できるよね?」

「まあな」

 その後、軽く世間話をして、俺はセレナと別れた。

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