人称代名詞の話(前編)
今回は人称代名詞のお話をしてみたいと思います。
英語だと、IとかYouとかのアレです。
日本語は人称代名詞のバリエーションが非常に多いところに特徴があります。
例えば、一人称だと、私、俺、僕、儂 など
二人称では、貴方、お前、君、あんた など
特に意識せずに作詞した場合、普段馴染みのある人称代名詞を多用しがちなのですが、意識的に選択することで作品の雰囲気づくりに役立ちます。
まず、一人称代名詞には、登場人物の年齢や性別などの情報を伝える効果があります。
具体的には、
私⇒年齢性別不問の公的表現
あたし⇒女の子
俺⇒一般的には男性
儂⇒老人、地方出身者 など
拙者⇒侍とか忍者とか
のような感じです(個人の偏見)。
歌詞に個性を出したいのなら、セオリーから離れた使い方をするのも一つの工夫です。
例えば、ウチの祖母は一人称が「俺」だったのですが、女性が「俺」を使うのは現代だと少し珍しいです。
こういった珍しい組み合わせだったり、そもそも日常ではあまり使われない一人称を取り入れると、作品の個性を演出することが出来ます。
まあ、その個性が作品の質の向上に繋がるかはさておきですが……
また、かなり細かな使い分けで言いますと、漢字・平仮名・片仮名でも印象が変わります。
これも一例として
僕⇒一般的には男性
「私」よりもカジュアルで
「俺」よりも大人しい雰囲気
ボク⇒一般的には少年で、少しマセた雰囲気
ぼく⇒一般的には幼い男の子
(個人の偏見)
歌詞は、音になったら漢字でも仮名でも一緒じゃないか? と思われるかもしれませんが、表現力のあるボーカリストはこのあたりのニュアンスを拾い上げる能力に優れています。
真面目に作詞をされるのでしたら、是非こういった細部にも拘っていただけたらと思います。
(後編につづく)




